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2015年05月10日20:53

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【文字起こし】2015.5.9ラジオ・フォーラム第122回 小出裕章ジャーナル【原発誘致を阻止した日高町】

今回は和歌山県日高町の住民が、原発誘致を阻止した時の話です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E9%AB%98%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80
(日高原子力発電所−ウィキペディア)

話の中に出てくる「熊取6人衆が日高で合宿している」というのは、当時反対運動の中心人物だった濱一巳氏の経営する民宿で、毎年夏に集まって行われているそうです。

そして漁協の総会で実力行使に打って出たのは、濱さんの親父さんだったらしいウッシッシ
http://www17.plala.or.jp/kyodo/news61_4.html
(原発建設を拒否した和歌山・日高町を訪ねて 濱一巳さん インタビュー)

そういえば高浜原発の再稼動差し止め仮処分の決定が出た時に、なぜか和歌山県の仁坂知事が不満タラタラだったのは、椅子を引き倒されて尻を打ちつけた県役員と何か関係があるのかな?

もしくは本人だったりしてウッシッシ



ラジオ・フォーラム第122回
http://www.rafjp.org/program/122/

民宿 波満の家(濱氏が経営する民宿)
http://www3.ocn.ne.jp/~hamanoya/

小出裕章(京大助教)非公式まとめ
http://hiroakikoide.wordpress.com/

京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ(小出氏が所属)
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html

小出裕章氏講演会情報
http://healing-goods.info/koide/


【内容文字起こし】

パーソナリティ:西谷文和(ジャーナリスト)

西谷:えー、小出さん今日はよろしくお願いをいたします。

小出:こちらこそ。

西谷:今日公開収録ということで和歌山から来られてるんですが、今日、私どものテーマはですね、「原発誘致を阻止した街・日高町」ということでですね、お聞きしたいのですが、和歌山の日高というところにですね、え・・・小出さんたちはあの、「熊取6人衆」と言われるのを皆さんご存知でしょうかね。6人衆の皆さんが日高で合宿してはるわけですね毎年。これは何故なんでしょうか?

小出:えー、まあご存知と思いますけれども、関西電力は、若狭湾というところに、原子力発電所を林立させたのです。でも、計画としては若狭湾だけではなくて、紀伊半島の方にもたくさんの計画を持っていました。で・・・私の職場、京都大学原子炉実験所というのは、大阪府泉南郡熊取町というところにあって、

西谷:和歌山に近いですね。

小出:はい。もうすぐ和歌山に近い、という所にあったわけです。えー、ですから和歌山の人たちが、原子力発電所の立地に対して闘っている時に、私たちもまあ自分の問題のように、やはり関わるようになりまして、和歌山の原子力発電所の反対運動に関しては、そこら中に出かけていくように、

西谷:あの日置川町とか、(聞き取れず)ですもんね。

小出:そうです。はい。勝浦も古座もそうですけども、向こう側も含めて行くようになりました。中でも一番近かったのはやはり日高というところだったわけで、え・・・暇さえあれば、ビラを持ってビラまきに行くなり、

西谷:あ、熊取から電車に乗って行ってはったわけですね。

小出:はい。をしていました。

西谷:あのー、そういうその住民の、その生活ぶりを見てですね、よく言われるのは、住民が二分されていくでしょ?

小出:そうです。

西谷:誘致派と反対派。そのあたりの、見られてどうでした?やっぱり悲惨なことになってましたか?

小出:そうですね。ですから・・・原子力というのは、今西谷さん仰ってくださったけれども、『作る』というその時から、村自身がズタズタに引き裂かれてしまう・・・

西谷:そうですよねえ。沖縄の基地も同じですけどね。

小出:そうです。はい。何にもできない前からもう、住民自身の心がもうボロボロにされてしまって、親族でも、何かもう口を利けなくなる。あるいはずーっと続いてきた祭りすらが維持できなくなるという、そういうことになってしまう・・・

西谷:「あの人、お金貰ろたんちゃうか?」とかね。

小出:そうです。

西谷:そういうことの話になってしまうんですよね。

小出:はい。

西谷:あのー、そういう日高や、まあ和歌山のところがずーっと行かれておられたんですが、ここがですね、まあ福井と違って跳ね返せた理由っていうのは、まあ小出さんから見てどういうふうなものがあったんでしょうか?

小出:一言ではたぶん言えないと思いますが、まあ例えば日本海側と太平洋側で言うと、太平洋側の方がちょっと豊かだったということはあるかも。海とかもですね。

西谷:ああなるほど、経済的にちょっと豊かだった。

小出:ただし、日高というところも、ようやくにして跳ね返したんですけれども、非常に突発的な出来事で、ようやく跳ね返したんです。え・・・だんだんだんだん、電力会社、あるいは国の方から、真綿で首を締めるようにして、住民が苦しめられていって、え・・・どんどんどんどん誘致の側に移っていくという人たちが増えていくわけです。で最後にその漁業協同組合が、漁業権の放棄をするというようなところまで追い詰められて、総会を開いたのです。で・・・

西谷:組合ですからね、総会ありますよね。

小出:そうです。でその総会で決議を挙げて、漁業権を放棄するということになっていて、県の役員なんかも、漁業組合の総会に、県の役員なんか・・・

西谷:和歌山県のね。推進側として入ってきてる。

小出:そうです。監視に来ているわけですね。それで、ちゃんと決議を採ってしまうと、多分、漁業権は放棄されてしまって、それによって原子力発電所が建てられてしまうと。

西谷:最も危ない瞬間ですよねそれは。

小出:そうです。その時に、え・・・漁民の一人が、県の役員の椅子をバーッと引っ張ら・・・(笑)、

西谷:ああ、もう引っ張らかして。

小出:要するに実力行使をしたわけですね。

西谷:ああ・・・格好よろしいなあその人。

小出:それで、「県の役人なんかが何でこんな所にいる!」と言って、県の役人の座っていた椅子を、そのまま取り上げて、県の役人がひっくり返るというようなことをやったわけです。それで総会は大混乱に陥って、流会してしまった(笑)・・・

西谷:あ、よかったですねえ(笑)。議決やらなかった。

小出:そうです。ですからそれでようやくにして決議が上がらなかった。それで・・・まあ皆さんも、「もう嫌だ」と。こんな・・・そのお互いに、いがみ合うようなことはやめようということで、漁業協同組合の組合長も、「もうやめた」と。原発のことは。ということになって、ようやくにして止まったのです。ですから本当の個人、一人の漁民の、突発的なギリギリの思いが、日高の原発を止めたという・・・

西谷:私もあの日高に行きましてね、その反対運動されてる方の本を読ましてもらったんですが、狡いんですよね関西電力ってね。

小出:はい。

西谷:その、土地を買う時に、「木材の貯木場にするからこの土地を売れ」とか、あるいは「ここを国定公園にするからここを売れ」ということで売ったのに、それが転売されて、原発予定地になる。

小出:みんなどこでもそうです。

西谷:六ヶ所村もそうですよね?

小出:はい。あの・・・

西谷:あれ、もともと工業予定地として・・・

小出:そうです。石油基地、コンビナートにする予定だった。それができないからと言って、原発になってしまった・・・

西谷:あのね、この事情を知らない方はね、「お前らはその土地を売って儲けたんやろ?」みたいなこと言う人いるんですよ。原発の立地の方にね。あれ最初は騙されてるんですよ。騙されていると言うか、

小出:みんなそうです。

西谷:「原発やったら売らない」という人が多かったでしょ?おそらく。

小出:はい。

西谷:だから、例えばそれを貯木場だということで、売ったけども、その貯木場の会社が、ちょっと悪い奴らでね。

小出:(笑)。

西谷:ちょっとこうね、関電に売ると。だから本当に狡いなあと思うんですけど、これね、福井県に集中してしまったのは、何故でしょうか?この関西の場合は。

小出:まあ、先ほど聞いていただきましたけど、日本海側と太平洋側で、やはりその・・・経済的な強さ、というのがあったんだろうと私は思いますし、まあ、太平洋側で止めることができたのも、非常に偶然的なことも左右していたので、まあ・・・歴史っていうのは、全部解説することはできないわけですし、まあかなりの成り行き、色んな偶然的な成り行きがあったんだろうなと思います。

西谷:ちょうどですね、この反対運動が危ない時に、スリーマイルが起こって。

小出:はい。

西谷:それで「ああ助かった」と。

小出:はい。

西谷:でまたやられて危ないな思う時にチェルノブイリが起きた言うてましたが。

小出:はい。

西谷:そういう偶然も重なったわけですね。

小出:そうです。はい。

西谷:あのー、そういうことで、私日高に行きますとね、いまだに、日高の町の人は、話ができないような状態になっていると聞きました。もうだいぶ癒えた、その傷が癒えたと言いますか、

小出:そうですね。あの、当初は本当にその、親族でも、お互いに口を利かないというようなところまで追い詰められていましたけれども、でもまあ、そういうのをやめようとということで、まあ町長も決断したわけですし、最近はずいぶん良くなったと私は思います。

西谷:あのー、今ね、福島でね、逃げた人と逃げなかった人の、分裂なんかもありますけど、まあちょっと時間がだいぶかかりますね。その、町が癒えるまでね。

小出:すごい時間がかかります。

西谷:はい。あの、本当に罪深いということですね。原発の計画を立てた時点でもう、罪深いことをやっているということですね。

小出:はい。

西谷:はい。えー、小出さん、今日はどうもありがとうございました。

小出:はい。ありがとうございました。

西谷:今日は公開収録でお送りしました。

【文字起こし終了】


■川内原発再稼働差し止め却下に即時抗告 申立人の住民側
(朝日新聞デジタル - 05月06日 19:05)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3404364
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