『ブラックミステリーズ　12の黒い謎をめぐる219の質問』

出題者から出された問題にイエスかノーで答えられる質問をして真実を導き出すゲーム。
河野裕 先生、友野詳 先生、秋口ぎぐる 先生、柘植めぐみ 先生の執筆陣が話を紡ぎます。
（イラスト：平沢下戸 先生　監修：安田均 先生）

【 http://www.kadokawa.co.jp/product/321408000053/ 】


ドイツのゲームメーカー「moses」が発表した「ブラックストーリーズ」とラノベ業界でも
テーマにする作品がある「うみがめのスープ」を経て水平思考を話の軸とする本作。執筆陣
が登場人物となって推理する過程を描くあたりは「リプレイ」的な側面もあるようです。

推理パートで水平思考により出題者の問題、言うなればトリックそのものが解かれていく
様子を楽しみつつ、小説パートではその問題に含まれた背景、そしてものによっては出題者
自身の黒い謎が人知れず明らかとなっていく展開はまさにブラックでありミステリーであり。

コミュニケーションゲームというのは良きレクリエーションにもなりそう、などと思いつつ
“運転手”の過去が会社勤めの身には重すぎて切ないです。12の短編どれも面白かったので
ぜひ続きが出てほしいと思う次第。それにしても“シスター”は誰にあたるのでしょうね。