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2015年04月29日18:56

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櫻井よしこ氏 「欧州が中国に近づくのは経済、お金なのです」

櫻井よしこ氏 「欧州が中国に近づくのは経済、お金なのです」
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=125&from=diary&id=3395478

中国を無条件に危険視するかは別としても、当然ではあるが、国家間の軋轢はあるし、地理的野望や、国家安康のための外征など、十分な警戒と準備は必要である。いま目の前にある危機として、どれほど強力な外圧があっても、それを跳ね返す国内の充実こそがそれに対応する力である。それを失えば脆く崩れるであろう。

よって国家の強靭さというものは、長い時間をかける準備に掛かっている。準備には先を見通す目が必要であるし、変化に機敏である必要もある。このふたつについては、マラソンをしながら短距離競走をするようなものであって、異なる二つの能力が必要である。

これをどのように充足させるかは国家の仕組みにかかっている。短期的目標と長期目標というものはどのような組織、企業、官庁であれ、必要なものだろう。

つまり中国は長く付き合う友であり長く争う敵であり、長くともにすごく相手である。もし中国をいう国家をこの地上から消滅させたいという野望を抱くなら別であるが、そのようなものを遂行するだけの計画立案能力を持った人は、おそらく至上、ひとりも存在しないのである。ゆえに、将来も無理という事はないのだが。

櫻井よしこという人の本は何冊か買った事がある。しかし、次第にその興味を失った。というもの主張が変わらないように思われたからである。中国はこの数年で変わったし、その能力の向上、それに突き進む信念に揺るぎはないように思われる。また人間としてのおおらかさや、ユーモアもある。

もちろん共産党という内部抗争を抱えているため、その原理が外よりも内に多くの力学を持ち込んでいるというのは、危ういように見えて、分かりやすいのである。その国と多くの国が協力関係にあるのも、とうぜん、経済力による。日本は抜かれたとはいえ、ほとんど同じだけの経済規模でありながら、なぜ中国はこうも積極的であり、日本とは大きく違う。

中国は試行錯誤とはいえ、自分達のやり方を追究しようとしているように見える。もちろん、それは政治としての独自性である。その能力のほとんどを日本は、企業や研究や芸能に費やしたのだろう、という気もしないではない。

しかし、中国を批判し、敵対する理由が、結局、基本的人権であるとか、膨張主義でしかない所が辛いと思う。それでは誰も動かない。少なくとも、国家たるもの、それらは、決断の最重要事由ではない。

短期的な利益と長期的な損害を天秤にして決断する。それに対して、基本的人権は一円にもならぬ。どちらかと言えば、国民を説得する方便である。市民の正義感に訴える方法は確かに有効であるが、それは短期的な戦意に過ぎず、長期的な計画には不要なものである。少なくとも計画に組み込むべき事項ではない。

中国と敵対したり、ライバルとなるならば、きちんと攻め所を押さえなければならぬだろう。それは共産党との利害関係と言い換えてもよい。それならば、単純なビジネス相手として望ましいだろう。

少なくとも選挙で簡単に政権がふっとんだり、首相が変わってしまう国や8年後とにがらりと政策を変えてしまう国よりも、読み易い。共産党がまだ盤石であると仮定するならば、トップの意向さえ読み間違えなければ、さほど無理はない。

もちろん、屈辱的であったり、横柄であるかも知れない。しかし相手がそうであるほど、それは喜ばしいはずである。それは人材の枯渇を意味しているのだから。相手はいつでもこちらを生殺与奪できると思っているのだろうが、こちらも相手を刺す準備に怠りはない。

このあたり、日本は可なりすごくて、例えばヨーロッパのポーランドとかでは、こうはいくまい。ロシアとドイツに散々な目にあって、屈辱も横柄さも見返すこともできなかった。一矢報いることさえ困難であった。地政学の怖さである。

日本とは下を見れば幾つもの素晴らしさに溢れる国である。しかし上を見ればまったく足りない国であり、さらに理想を追求すれば、絶望的に駄目な国である。そしてそういう評価は準備をするという点では何の役にも立たない。

もし中国の批判を非人道的さだけに頼るなら、そういう論調に組する気にはならない。それは少しセンスが足りないと思われるからである。

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中国はいま、軍事面やAIIB(アジアインフラ投資銀行)をはじめとした金融面などあらゆる分野で、世界の秩序を変えようとしている。ベトナムが領有を主張する南シナ海のパラセル諸島(西沙諸島)に中国海軍の巨大基地を作るなど、巨大な経済力を背景に勢力拡大を狙う。そんな隣国に世界各国が翻弄される中、日本はどう対処すべきか。ジャーナリストの櫻井よしこ氏が緊急寄稿した。

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 中国が金融面で覇権拡大を打ち出してきたのがAIIB。フィリピンはAIIBには参加しましたが、軍事的には中国と衝突を繰り返しています。

 中国は1990年代には突然、南沙諸島のミスチーフ礁をフィリピンから強引に奪い取り、近年ではルソン島からわずか200kmほどの場所にある(そして中国本土からは900kmも離れている)スカボロー礁に基地を建設中です。

 また、アメリカの上院軍事委員長、ジョン・マケイン氏らが批判した南シナ海の埋め立て工事はほとんどがフィリピン領有の島々・岩礁に対するものです。

 アキノ大統領はそうした中国の侵略に危機感を抱き、2014年2月、米紙『ニューヨークタイムズ』のインタビューで、「中国の非道を放置することは、英仏がナチスドイツに宥和政策をとって当時のチェコスロバキアへの侵略を許したことと同じだ」という主旨の訴えを世界に発信しました。

 これはドイツに対してイギリスが戦うか否かを議論していた当時、イギリスの銀行家たちが宥和政策を求めて議会に請願したことを指しています。その後の歴史はイギリスのバンカーたちが完全に間違っていたことを示しています。

 にもかかわらず、イギリスはAIIBに参加しました。キャメロン首相の姿が、かつてのイギリスの銀行家の姿に重なります。

 いかなる国でも外交の方向を決める要素が国益であるのは当然です。いまヨーロッパ諸国は中国の横暴に目を瞑り、自国の経済的利益を最優先する道を選んだように見えます。

 ヨーロッパから見れば中国は地理的に遠く、南シナ海での領土・領海の強引な収奪にも切迫感を持てず、危機感が薄いのでしょう。中国の覇権を直接の脅威として捉えることがあまりないのだと考えられます。

 しかも、イギリスが仕掛けたアヘン戦争などのように、ヨーロッパ諸国は中国に対しては加害者ではあっても、中国から害を受けた記憶はありません。それゆえAIIB参加をめぐっては現在の中国共産党の傍若無人な実態を見極めることなく、比較的簡単に中国に引き寄せられてしまった可能性があります。

 2012年5月、イギリスのキャメロン首相はチベットのダライ・ラマ法王と面会し、続いてチャールズ皇太子夫妻がダライ・ラマ法王を宮殿に招きました。それに対して中国側が猛烈に抗議し、英紙デイリー・テレグラフによれば、当時、様々な対英投資がストップしたと報じられています。その後、経済的に苦境に立たされたイギリスは中国の圧力に屈しました。

 2014年6月の李克強首相の訪英では、中国はエリザベス女王との面会を要求し、実現させました。女王が国家元首ではない首相と面会するのは異例のことです。この訪英では、政府と民間を合わせ140億ポンド(約2兆4000億円)もの契約が調印されたとされています。

 これらのことからわかるように、イギリスをはじめヨーロッパ諸国の優先順位は、中国の人権問題や覇権主義への対応ではなく、経済、お金なのです。2010年のギリシャ危機以降、ヨーロッパ経済は厳しい状態にあります。だからこそAIIB参加のように、中国の経済力に頼ろうとする動きが出てきているのでしょう。

※週刊ポスト2015年5月8・15日号
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