だったら謝罪と賠償を

やっぱりこの問題、謝罪と賠償無しには済まされないと思います。首相と同じく、いくら戦争中だったからとはいえ、人身売買の犠牲となって、意に反して売春させられるというのは、何をどうつくろっても著しい人権侵害には間違いありません。20世紀の悲劇ではありますが、それを繰り返してはならないし、その犠牲者には然るべき立場からの謝罪と、お金で癒せない傷とはいえやはり賠償が必要だと思います。また、戦争中だけではなく平時においても、例えば経済的に困窮して売春せざるを得ないとかは、広義の意味での人権侵害に当たると思います。

では、誰が謝罪するのか？韓国・北朝鮮の戦時売春婦だった方に謝罪するのは、当時朝鮮半島を統治していた日本でしょう。敢えて「他の国でもそういうことがあった」とか「当時は合法だった」とかは言わず、「当時そういうことがあったことに対して今振り返ってみれば遺憾に思う」という表明をすべきであって、現在安倍首相が述べているのがこれです。なので、日本の謝罪としてはこれで終わりです。これ以上は何もありません。

一方で、アメリカの公文書で証拠があってもアメリカは朝鮮戦争時の戦時売春婦について謝罪していないし、韓国に至ってはベトナムでの虐殺・強姦を「戦争だった」と居直り、さらに一度は謝罪しながら国内の元軍人の反対にあって「あれは謝罪ではない」と公式発表しています。日本は、既にきちんと謝罪した国としてこれらの国々を批判する必要があります。特に、韓国でのアメリカ軍向けの慰安婦については、韓国と共闘して「韓国が主張する通り日本は謝罪した。今度はアメリカが韓国に謝罪する番だ！」と堂々と言いましょう。なんだったら、韓国の従軍慰安婦像に「朝鮮戦争時代のアメリカ軍に対する慰安婦少女像」としたちゃんとした名称を付けて、アメリカ国内やその他の海外、特に観光地や各国大使館前に設置する運動に資金援助しても良いかもしれません。

賠償についてですが、日本は既に日韓基本条約とその付帯条約で支払済みです。個人向けの賠償は韓国政府が仲介して渡すということだったので、韓国政府に渡しています。なので、韓国政府が被害者の方々に支払うべきだということを主張し、支払運動に協力するべきだと思います。もちろん、アメリカ軍向けの売春婦の方々がアメリカ政府を訴えるとか、ベトナム人の韓国向け慰安婦の方々が韓国政府を訴えるのにも助力しましょう。

日本は、謝罪と賠償をして正義を示し終わっているのですが、残念ながらその正義は他の国で実現されていません。その実現に努力しましょう。具体的には韓国がアメリカに対して抗議するとか、韓国人が自分の政府に抗議することを援助しましょう。その結果、アメリカが韓国を見捨てるとか、韓国政府がさらに政治的にまずい状態に陥ったとしても、それは正義の犠牲ってやつです。日本には「義を見てせざるは勇無きなり」って言葉があるくらいですから。

■安倍首相、慰安婦問題に言及　「人身売買の犠牲」
(朝日新聞デジタル - 04月28日 02:32)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3392902