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2015年04月26日09:27

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バレエ:Diary:白鳥の湖-バーミンガムロイヤルバレエ団-

震災時に新国立劇場バレエ団の舞踊芸術監督を兼務されていて、日本に留まってくださったデビット・ビントリー芸術監督が率いて、震災直後の5月に来日してくれたバーミンガムロイヤルバレエ団が4年ぶりに来日。同じく震災直後の4月に来日してくれたマシューゴールディングさんがゲストプリンシパルとして主演する「白鳥の湖」を拝見。

この公演を観なくてはあの時、勇気付けていただいたご恩を返せないということで。(2011年5月の公演にはタマラロホさんもゲストプリンシパルとして来日されていました。)

開演前にビントリー監督が登場。何があるのか思ったらオデット/オディール役のジェンナロバーツさんが怪我のため降板。ゴールディングさんが踊るのでと足を運んだ観客のために1幕のみゴールディングさんが踊り、2幕以降はオデット/オディールをセリーヌギッテンズさんが、ジークフリードをタイロンシングルトンさんがを踊りますと告知。波乱の幕開けとなりまた。

不幸なアクシデントの発生でしたが、初日の観客としてはゴールディングさんの舞踊と新星セリーヌギッテンズさんとタイロンシングルトンさんのペアも観ることができ、2倍楽しめたように感じます。

ロイヤルバレエ団で活躍するマシューゴールディングさんは、とても風格が出てきていて素敵でした。(それでも楽屋口では以前と変わらずとってもフレンドリーでするんるん

新星セリーヌギッテンズさんとタイロンシングルトンさんのペアは素晴らしいです。ギッテンズさんは180cm近いかなという感じ。シングルトンさんは2mを超えるのではないでしょうか。

ギッテンズさんのオディールは豊かな表現で自由自在な印象です。コーダのいわゆるグランフェッテ(fouetté rond de jambe en tournant)は34回くらい。ダブル沢山入ってます。るんるんダブルを沢山入れて回転数が増えないのはゆっくりと回転しているからで、軸もぶれずに大変美しかったです。

タイロンシングルトンさんは高いグランジュテでありながら、着地音がしません。キレキレの踊りです。

サーピーターライト版の白鳥の湖は、とても知的です。1幕と3幕はとてもリアルです。先王を失ったばかりの王妃役のマリオンテイトさんは、本物よりも本物の王妃のように見えます。

2幕では、4羽の小さな白鳥を踊る舞踊家たちと2羽の大きな白鳥を踊る舞踊家たちの身長差が大きく、本当に小さな白鳥と大きな白鳥の踊りにみえます。(舞踊家が皆さん大型化しているので最近ではめずらしい)

王子がベンノ男爵と共に森に行く所もリアリティ従者にランプを持たせていたりしてリアリティがあります。さらに王子がオデットに礼を尽くすところではベンノ男爵も従者達も「王子はどうかしちゃったんじゃないか?」っていうリアクションがちゃんと入っています。(ロイヤルバレエ団版と共にこうした細部に凝っているのが英国のバレエという印象です。パンフレットではベンノは従卒となっていますが、元々彼にはBenno von Sommersternという名前があってバロン/男爵です。配役表で王子の友人となっています。友でなければ、危険を冒して王子を湖まで追ってはいかない。)

3幕は花嫁候補は武官(外交官)を連れてきて、それぞれ王笏を持って現れ、王妃がそのトップに手をおくといった中世の宮中のプロトコルが一部表現されています。

衣装もどれも凝っていて本当に美しいです。

4幕のラストはオデットとジークフリードが湖に身を投げて呪いを解くというオペラセリア的な悲劇で終わる正統派です。奥の紗幕の向こう側で王子とオデットが天国で永遠の愛を手に入れるのと引き替えに、舞台前では王子を追ってきたバロン男爵が亡骸を抱きかかえて現れるところは、王子の継ぐべき王国の滅亡を暗示しています。サーピーターライト版は表現が深く感動します。

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セリーヌギッテンズさんとタイロンシングルトンさんは、4/26も踊られます。素晴らしいですよ。(4/25は楽屋口でもとても気さくにサインしていただけました。ギッテンズさん、初日のパーティの途中で抜け出してきてくださって楽屋口でサインしたりセルフーに収まってくださったりと、とてもお優しい方でした。るんるん

https://twitter.com/NBS_japan/status/592020812690956288





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