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2015年04月25日23:24

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バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 白鳥の湖

2015/4/25土 14:00- 東京文化会館

音楽: ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
振付: マリウス・プティパ、レフ・イワーノフ、ピーター・ライト

オデット/オディール: セリーヌ・ギッテンス
ジークフリート王子: マシュー・ゴールディング(第1幕のみ)/タイロン・シングルトン
女王: マリオン・テイト
ロットバルト: ジョナサン・ペイン
ベンノ(王子の友人): マティアス・ディングマン

指揮: フィリップ・エリス
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

バーミンガムロイヤルバレエの来日公演。初日の白鳥に行って参りました。

開演前の幕の前に突然現れたビントレー氏。主役の急な降板ね・・・と覚悟したものの、オデット/オディール役のジェンナ・ロバーツが昨夜のリハーサルでひどい怪我を負い、リハーサルの時間がなかったため王子役のマシューも降板という説明に、会場からは隠し切れぬ落胆のため息が出ておりました。でもさすがはビントレー氏、日本におけるマシューの人気をよくご存知で「彼目当てにチケットを買った方がたくさんいらっしゃるのを知っています、彼は1幕だけ踊ります」と。バレエ団も主催者も考えられうる中で最も誠実な対応をしてくれたと思います。(まあマシューファンが嘆く気持ちは分かりますが)

ピーター・ライト版の白鳥は初めて観ますが、なかなか面白かったです。演劇の国イギリスの作品らしく、元々のバレエの中で説明があいまいな部分をちゃんと納得できるストーリーに組み立てていて、マイムも非常に分かりやすかった。ラストは二人とも死んでしまう悲劇のパターンですが、今まで観たどの白鳥よりも王子がしっかりロットバルトと戦っていて頼れるキャラでした。(冒頭は葬列から始まるのですが、あそこで悲しげな顔で列に並んでいたのは王子じゃなくてベンノだったのか・・・) コールドの振付も細かく速いステップががくさん入っていたりして、ヌレエフ版ほどではないけど結構難しいのではないかな。

一番印象的だったのは衣装。イギリスらしい、ややスモーキーな色遣いながらも光物を多用したゴシック風(?)でゴージャスな衣装がすごく綺麗で、それを見ているだけでも楽しい気分に。セットも同じトーン。これかなりお金かかった造りですよね。

さて、ダンサーについて。私は新国のカルミナ・ブラーナに出ていたタイロンを結構気に入っていたので彼の王子が観られるとなってちょっと嬉しかったです。もちろんタイロンはノーブルな踊りと素晴らしい身体能力で楽しませてくれましたが、今日の舞台を持って行ったのは実はオデット/オディールのセリーヌ・ギッテンスでした。まだ単なるソリストでしかない彼女、驚異的な身体能力と技術力の持ち主。スタイル的にはほっそりとしていますが、筋力の強さは技の見せどころじゃないところでもわかるくらい。身体のコントロールがとにかく完璧で足の上げ下げに重力を感じません。あんなにブレない連続フェッテも久々に観ました。オシポワを観たとき以来の感覚です。でも、踊りはとても丁寧で、正しく白鳥。まだ若いしロシアのバレエ団のようなオデットではなかったけど、これはこれで素晴らしかったです。彼女、きっとコンテンポラリーうまいだろうなあ。フォーサイスとか、バランシンなんかも観てみたいダンサーです。

そして第一幕だけ踊ってくれたマシュー、以前より貫禄も出て舞台における存在感が増していました。マシューの大ファンというほどではないけど好きなダンサーなので、やっぱり全幕で観たかったという気持ちは残ります。月曜日は平田桃子さんと一緒に全幕を踊ってくれるそう。

その他のダンサーではベンノ役のディングマンが溌剌とした踊りとチャーミングな笑顔でよかった。あと、パドトロワの黒髪のアンジェラ・ポールというダンサー、人の目を惹きつける華がありテクニックもしっかりしていて気に入りました。

そうそう、今日は初日ということもあり、客席やホワイエで吉田都さんをお見かけしました。

バーミンガム・ロイヤル・バレエの日本公演は今日から始まり、白鳥の湖とシンデレラの2演目の予定。スターはいないけど舞台装置や衣装も素敵でプロダクションはとてもしっかりしています。安いチケットも出ているようなので(定価で買っている身としては多少感じることがないでもないですが)、ぜひ多くの方に観ていただきたい公演です。

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