mixiユーザー(id:501245)

2015年04月24日21:45

221 view

萩原流行さん逝去

特に好きな俳優さんというわけではなく、あの微妙ににやけたニヒル顔を「人間の骨格を把握出来ていない造形家がヒョイヒョイッと表面だけつまんで作った粘土細工のような顔だなあ」と思っていました。

でも大昔、ロス疑惑という日本中を騒がせた大事件があって、それをなぞったTVの単発ドラマに主演していて、ものすごく当たり役!!!だったのでした。

日本とアメリカを舞台に、妻に多額の保険金をかけて殺した男。
高級マンションで乱交パーティーだの、ハンティングワールドだの、なんだか派手でお金のかかりそうなキーワードがいっぱい出てきた事件でした。

ドラマでは(うろ覚えだけど)、妻に激しい暴力を振るった後「痛かっただろう?ごめんな」って切なげに抱きしめるシーンとか、警察に疑われても平静を装っているけれど幼い息子に目を向けられると必死で守るようにかばうシーンとか印象的でした。

まだ若かった私はこの1本のドラマで人生の深淵を覗いたと言っても過言ではありません。

妻は殺せてもその妻の生んだ子はあんなに愛せるんだー、ってか逆だな、そんなに子どもを愛していてもその母親を保険金目当てで殺せるんだー。
なぜならこの場合、子どもは自分の分身で、つまり自分しか愛せないってことなんだなー、とか。

知り合いの知り合いにDV男がいるんだけど女は別れられない、「でも殴ったあとはすごく優しくて他の男じゃ物足りないらしいの」なんてゆう話を聞くと、上述のシーンを思い出して、ケッ陳腐だな、と思ったり、とか。

↑でもそれってそのドラマを観てたから「そんなこと言ってると殺されちゃうよー、そんなの愛じゃないよー」って思えるのであって、何も知らない人生に初めてそれを実体験しちゃうと『これも愛なの』って錯覚しちゃうかもね。

と、人生を踏み誤らないための予備知識(?)を与えてくれたドラマでした。
ちょっと凄みのある演技で本当にはまり役でした。

萩原流行さん、ありがとう。
0 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する