大阪都構想不都合な真実

大阪都構想 賛否の綱引き激化
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=3378435



http://www.osaka-shisei.jp/documents/lies-and-demerits.pdf#search='%E5%A4%A7%E9%98%AA%E9%83%BD%E6%A7%8B%E6%83%B3+%E3%83%87%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88'

大阪都構想のウソとデメリットについて
2011年11月 立命館大学教員 村上弘
１．大阪都構想（政令指定都市の廃止構想）はウソがいっぱい！
大阪都の推進派は、「大阪市を分割して住民に近づける」というイメージを宣伝しています。
しかしこれは、都構想のごく一部分でしかありません。
東京都を見ると分かるように、都庁が多くの権限を握っています。大阪都構想の中核は、「大阪市、堺市という2つの政令指定都市を廃止し、その重要な権限・資産等を府＝都が吸い上げる」点にあります。
大阪都に設置される中核市並みの特別区は、福祉や保健は担当できますが、都市計画、大型再開発、消防など政令指定都市の重要権限は持てず、それらは大阪都＝府に吸い上げられます。さらに、狭い特別区では担当できない大阪市、堺市の大型施設（公共交通、大学、病院、美術館、その他）も、都＝府が無償で獲得してしまうでしょう。
それ以外にも、次のような重要な事実が、説明されていません（説明回避というウソ）。
・自分の市・市役所を持たない大都市は、先進国には存在しない（東京だけ）。
・先進国の主要都市の多くは、大阪市と同じく人口100〜300万人の市を持ち、活躍している。
・本当に必要な成長戦略は、府市の協力でできる。
・二重行政（府市が大学、図書館、病院などを供給）は、ニーズの多い巨大都市圏では有益な場合が多い。
・東京一極集中のなかで、大阪を含む他の地域はどこも成長しているが東京に差をつけられている。大阪だけが特に衰退しているわけではない。
・「大阪府も廃止する」と言うが、実際には、大阪都は領域、長や議会の選挙方法、権限等が府とほぼ一致するので、府は都に引き継がれ、大阪・堺市だけが消滅する。
２．大阪都のデメリット（マイナス）―これも一応考えておくべきです。
（１）（旧）大阪・堺市民にとって
・大阪市と堺市は廃止され、市の名前も多くの地図から消える。
（東京の特別区で関西の人がよく知っているのは、港区、新宿区くらい）。
・都市の知名度が下がり、観光振興、商店街振興などにとってマイナス。
・大阪、堺の街の重要な問題について、大阪市、堺市の住民で決めることができなくなり、大阪都＝府の決定に従わなければならない。
・大阪都知事は、カジノをはじめどんな施設でも、地元の意見を尊重せずに強行建設できる。
（都市計画を決める権限が大阪市から大阪都へ移るため。）、
・大阪都は、独断で大型プロジェクト（関空への地下鉄またはリニア）などを推進し、税金のムダづかいをするおそれ。（今なら、大阪市という議論の相手がいてくれる。）
・大阪都は、人口１千万の巨大都市圏の需要を満たす便利な「二重行政」まで、削減してしまうおそれ。
（大阪市、堺市の大型図書館、病院、美術館、大学、〇〇センターなどは、小さな特別区には引き受けられず、大阪都に移管されたあと、効率化の名のもとに減らされるおそれ。）
→府民、市民へのサービスが低下する。
・大阪・堺市は国に直接働きかけられなくなる。
（今は政令指定都市なので、市長が直接政府に訴えられるが、大阪都になると都知事を介する。）
（２）府下の住民にとって
大阪都は、大阪全体の活力、多様性をつぶし、きわめて危険です。大阪府下に住む人々にとっても、「対岸の火事」ではありません。
・大阪市・堺市の廃止で、指定都市という「政策エンジン」が消え、大阪都庁だけがんばっても政策の総計は下がり、大阪全体が衰退する。
・都知事への権力集中で自由にモノが言えなくなり、知事１人の考えで大阪全体が塗りつぶされる。
・大阪市、堺市の大学、病院、図書館等の大型施設が都に吸収され、「二重行政整理」の名のもとで削減廃止されるおそれがあり、府民にも不便になる。
・画一的な「人口30万人適正論」に立つ大阪都は、成立後、府下の市にも合併を強いる可能性が高い（何度かそういう方針も出されている）。
３． このように大阪都構想は、その内容が大きなデメリットを持つばかりでなく、説明のしかたが、不利な情報を知らせないという昔の「大本営発表」に似ています。ウソが嫌いな人は反対の意思を表明することが大切です。
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