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2015年04月16日06:42

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アベノミクスを振り返って。

日経平均が15年ぶり2万円回復、先高観支えに4日続伸
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=52&from=diary&id=3364373

アベノミクスの第一の矢である「異次元の金融緩和」が実行されて二年が過ぎました。
当初の説明では「二年で2%の物価を上昇させ、デフレを克服する」としていましたが、
現在では、消費増税の影響を除くと物価は「ほぼ0%」に過ぎないようです。
「そのうち物価は上がっていく」という希望的観測では、根拠とは言えないように思います。

また、導入当初では「エネルギー高による景気の抑圧」があるとしていたはずですが、
「原油安」になった現在でも、経済指標からは景気の勢いが感じられません。
一方で「原油安による物価安」が物価目標を達成できなかった要因ともしていますが、
「アベノミクスにより物価が上がり、景気が上向く」というこれまでの説明に従えば、
「原油安」の中でも物価は「ほぼ0%」にはなり得ないように思えます。
結果的に「言い訳を探すために変遷した説明」という印象が残ってしまっています。


以前の世論調査では3割程あった「景気回復の実感がある」層が、1割程に減少してきました。
経済指標は強弱まちまちですが、公的なものの影響力は決して小さいとは言えず、
その影響を差し引くと、景気が回復基調にあると考えるのは時期尚早ではないかと考えます。
個人的に似た理念で実行されたと考える「小泉構造改革」下の「戦後最長の景気回復」の時は、
世界的なバブルを背景に「実感なき景気回復」が進行していましたが、
結局、景気回復の実感が広がりきらないままに景気回復の機運は終了し、
後に政府が「景気は悪化していない」と発表していた時期から景気は悪化していたと修正され、
世界的なバブルの反動から「リーマンショック」が起こりました。
当時は、金融緩和政策下で低成長を続ける「リフレ」と認識されていましたが、
今では「局地的なバブルが世界各地で発生していた」と考えた方がより近いように思います。
今はまだ、当時のように「まだ大丈夫」と言い続けてはいますが、
後に「実は景気は悪化していた」という状態に既に踏み込んでいるのではとも考えています。

現在では「失われた20年」の間「デフレ」が続いている、という認識が大勢を占めています。
しかし個人的には、「経済や金融の縮小均衡化」が進んでいただけでは、と考えています。
当初は「バブル崩壊による経済や金融の縮小」が景気の悪化と共に進み、
次いで「少子化」特に「労働層の縮小」に伴う総需要の減少が起こっていたように思います。
従って「デフレ」そのものが経済へ悪影響を及ぼしていたわけではなく、
バブル経済の反動や、人口構造の変化の結果が「デフレ」と認識され得るだけであって、
金融政策では根本的な解決ができない事柄であったのではないかと考えています。
その為、「インフレ政策」はより問題を深刻化させそうだ、と危うさを感じていました。
少し前に流行ったピケティ氏の「金融政策だけでは景気回復は難しい」との言に従うならば、
バブルとして進まない為に、大幅に進んだ円安や株高を抑制する動きがあるかも知れません。


安倍政権では安全保障に力を入れ、軍事政策を推し進めています。
しかし個人的には、経済を強化することこそが一番の安全保障政策であると考えています。
日本経済の世界的な影響力が縮小するほど、中国は日本をより軽視することができ、
アメリカは軍事作戦の尖兵と戦費負担国程度にしか考えなくなる可能性があると思います。
軍事費を上積みし、集団的自衛権などに政治的リソースを費やした事は、
日本の長期的な安全保障上、大きな損失を与えた期間になるかも知れないと考えています。
北朝鮮に対してせっかく手にした有効なカードを早々に使ってしまい、
拉致問題の進展が見込めなくなってしまった外交手腕を鑑みると、
自分に都合のよい展開をする目先部分しか見えていないのではないかと、訝ってしまいます。
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