mixiユーザー(id:18419835)

2015年04月16日00:24

299 view

あの日の声を探して

4月15日(水)晴れ
ワタクシは戦争映画が苦手。だからどんなに娘が「アメリカンスナイパー」に誘っても拒否。
さかのぼれば、小学校の頃、学校の体育館で強制的に見せられた「はだしのゲン」も一人後ろを向き、スクリーンを見ていない。
どんなに名作だと聞かされても「火垂るの墓」は見ない。
そんなワタクシが、ふと目にした「あの日の声を探して」の予告編。
出てくる男の子が好きなタイプの子(たとえ子どもだろうが赤子だろうがじいさんだろうが、ワタクシの男の子を見る目は厳しいのだ)ではない。
しかし、すごく気になったし、これは紛争が終わった後の話だろうと勝手に思い込んで試写会に申し込んだ。
夫と観に行く。
年度末の激務が嘘のように、今の夫は時間に融通が利くのだ。
六時開場だが、五時半には会場近くに到着したので早めの軽食として讃岐うどんを食す。
またうどん〜〜っ?と妻が文句を言ったと思うでしょ?
いいえ。月曜日に見たテレビ「プロフェッショナル」が「うどん職人」だったので、妻も少しうどんの気分でした。
いつも試写会は空腹というイメージがあるが、今回はほどよい腹の満ち加減。

さて、本題。
R15指定だけあって、結構きつい映像でした。
紛争後どころか、場面の作り方として時間を前後させているので見終わった後の辛さはあとを引く。
考えれば考えるほど辛さが増す。
あ、これは、ロシアに侵攻されたチェチェンが舞台。
これがベトナム戦争とかだと、少しだけ見方が違うのかもしれない。
「戦争は良くない。愚かなことだ。」という基本的な思考は変わらないけど、ベトナム戦争はやはりずいぶんと昔のことで、「あれから人類は少しは進歩してるよね」と思いながら見ると思う。
しかし、このチェチェン紛争。
チェチェンと言う地名になんとなくの記憶はあるものの、こんなに凄まじく残酷なことになってるなんて知らなかった。
映画の中にもこの「無関心」ということが出てきて、ちょうど世界は1999年から2000年へのミレニアムに湧いている。
チェチェン紛争にはほとんど思いつく事柄がないくせにミレニアムと聞くと色々思い出す。
そうなのだ。
なんだかんだ言って、ワタクシも浮かれていたような気がする。
そして、十分に、大人だった。
それなのに、この無知さ加減はどうなんでしょう・・・
この映画は、両親を殺されるの見て声を失う少年ハジと偶然彼を拾うEU職員キャロルが出てくる場面と
ごく普通の、いや、普通より優しく、正義感も男気もある若者ローリャがロシア軍に強制入隊させられ、殺人兵器へと化していくという場面で成り立つ。
ワタクシ、ドラマだろうが映画だろうが(フィクションという意味で)死体を見たくない。
ゆえに、初めのあたりのシーンでは薄目で見ていた。
しかし、たったの二時間の映画の後半部分では、平気とまでは言わないが普通に画面を直視していた。
これもある意味ショックである。
人間の神経って、こういうものなのか。簡単に麻痺していくものなのか。
時間のズレを利用したストーリーの組み立てで、監督は、これでもかこれでもか、無関心だったワタクシを、無知だったワタクシを責めるのだ。
もう一度見たいかと聞かれると、もう見る自信はないというのが本音だが、でも一度は見るべきだと言いたい。
娘を含めた若い世代の人達にも、そして、チェチェン紛争よりも2000年問題のほうが記憶にあるアラフィフ達にも是非見て欲しいと思う映画であった。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する