切りつけたのは夫の顔だけじゃない

■子どものトイレで、夫に包丁＝殺人未遂容疑で妻逮捕―警視庁
(時事通信社 - 04月13日 12:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=3368629

3歳の男の子が本当に可哀想。
記事を読んで、まず最初にそう思った。

僕は男で6歳と3歳の息子がいる父親だし、妻がいる夫でもある。
だから、夫の立場として、どうしてもこのニュースを読んでしまう。

妻に夫を立てろとか尊敬しろとは言わない。
ただ、夫婦としてせめて、子供の前ではお互いがお互いを尊重する姿を見せてあげて欲しい。

そう思ってしまう。

例えば、この記事にある妻が包丁で、夫を切りつけなかったとして。
ただ、手を洗わないで息子に触れようとしたとことよりも、夫婦のいがみ合い、罵り合う姿を息子の前で見せることのほうが、よっぽどそのほうが3歳の男の子にとって悪影響を与えると僕は思う。

人を尊重することを知らずに育った子供は、やがて、他人を尊重することの出来ない人になっていくだろう。
尊重の反対語は侮蔑だ。
僕には、この妻の夫に対する態度には、多分に侮蔑が含まれていると思う。
ただ夫が嫌いなだけではない。
そこに夫に対する侮蔑の気持ちが含まれているのだ。

僕は過去に付き合った女性に、この人に対する尊重の気持ちがスッポリと抜け落ちている人がいた。
その女性の家に1度食事にお呼ばれしていただいたことがあったのだが、何故、その子に尊重の気持ちがスッポリ抜け落ちているのか、家に行って理解できた。

つまり、その女性の母親が娘の目の前で、平気で父親の悪口や侮蔑の言葉を投げ掛け、蔑んでいたのだ。
そして、世の父親なんてそんなもんだと、二人で笑いながら話し合っていた。

それを聞いて、僕は本当に可哀想な家庭環境に育ったのだな、と正直思った。
そして、その父親が将来の自分の姿だと思うと、ゾッとして、その女性との結婚はとてもじゃないが考えられなくなった。

きっとあの時の彼女に僕が人を尊重することの大切さを説いても理解できなかったろう。
きっと尊重と尊敬の区別すらできなかったのじゃないだろうか。
人を尊重できない人に人を尊敬する気持ちは生まれない。
人を尊重することができて、初めて人を尊敬する気持ちが生まれる。

おそらく、この記事にある妻も、人を尊重することを知らずに、これまで育ってきたのではないか。
そしてその価値観のまま、夫を蔑み、いがみ合い罵り合う姿を我が子の前で見せる。

自分は夫に対して正しい指摘をしているのだ。
子供の為を考えて、夫に対して間違いを糺しているだけだ。
そう思っているんじゃないだろうか。

でも、その態度は夫に対する蔑みでしかなく、その蔑みの態度を我が子の前で見せていることの間違いに気付かない。
いや、わからないのだろう。
この妻には、人を尊重する気持ちがスッポリ抜け落ちているのだから。

挙句、喧嘩になって包丁を持ち出し、夫を切りつける。
切りつけたのは、夫の顔だけじゃない。
夫の父親としてのプライドや自尊心さえも、妻はズタズタに切り裂いたのだ。

本当に3歳の男の子が可哀想だ。