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2015年04月06日18:44

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デフレ突入前97年の水準に回復

デフレ突入前の97年の水準に雇用は回復―2月完全失業率は3.5%- ZUU online(2015年4月6日15時50分)http://zuuonline.com/archives/52572

■労働力調査から窺える「非正規の正規への転換」

 総務省が3月末に発表した2月の労働力調査によると、雇用環境が依然として良好であることがわかった(以下、原数値と記載したもの以外はすべて季節調整値)。

 就業者数は6376万人で、前月より+0.03%と2カ月ぶりに職についている人口が増えている。年代別では35〜44歳、45〜54歳が各々+0.7%と増加。男女別では、男性は横ばいだが、女性が+0.1%とアップ。業種別に見た場合には、伸び率の大きい業種(原数値)で、製造:+1.6%、卸売・小売:+1.2%、医療・福祉:+0.1%と増大した。

 さらに見逃せないのは、非正社員から正社員への転換が進み、雇用の改善が「質」までおよんでいることだ。非正規の被雇用者が前年比-0.8%と減少するのは、現時点で比較可能な2014年1月以降、初めて。一方、正規雇用の+1.8%の伸び率も最大のプラス幅(共に原数値)となり、非正規雇用者数が減り、正規雇用者数が増加している。

 つまり、雇用の量の拡大に加えて、その質も変わりつつある。正規・非正規の隔たりは大きく、国税庁の民間給与実態統計調査によると、2013年の1人当たり平均給与は、非正規168万円に対し正規473万円と2.8倍もの格差がある。非正規雇用の正規への展開が進む実態をふまえれば、企業が人材確保・慰留のために正社員への転換を推進しており、雇用の質の改善も進んでいるとも言えそうだ。

■完全失業率はデフレ突入前の水準へ

 他方で、完全失業者数は230万人で、前月から-2.1%と3カ月ぶりに減少。リストラなど「勤め先や事業の都合」で離職した人が-8.7%と減り、企業の業績がよいことを物語る。

 また1月から2月で、「自己都合」退職者が+3.3%から-2.1%、「新たに求職」した者が+4.8%から-4.5%と好転。これは、労働市場の回復を受けて前月転職・求職活動を開始した人が、当月には就職できたものと考えられる。

 以上のように、就業者が増えて失業者が減った結果、完全失業率は-0.1ポイントと2カ月ぶりに改善して3.5%となり、低水準を維持。1997年に3.4%を記録して以来、おおむね4〜5%と高止まりしてきたが、ようやく低水準の失業率に回復。雇用に限れば、少なくとも、デフレ突入前の90年代後半の水準に戻りつつあると言えそうだ。

■外需による企業業績向上が雇用を支える

ただ、良好な雇用環境はまだ、内需よりも外需による所が大きい。

 経済環境を見ればよくわかるが、堅調な米国経済と円安で、輸出は昨年9月以降で継続的に伸長。他方で、個人消費と住宅投資は低迷が続き、設備投資も一進一退の状況にあるなど、内需は本格回復には程遠い。実質消費支出(2月まで)、新設住宅着工件数(1月まで)ともに11カ月マイナスを更新し、機械受注(船舶・電力除く民需)は1月に再度悪化しているからだ。

 このように内需不足を外需で補い、企業は好調な業績を維持。日本政策金融公庫の中小企業景況調査でも、売上DIは2月および3月と上昇を継続。そのため、企業は雇用を増やす余裕がある。

 また、現状の外需や将来の内需を取り込むために雇用を増やす必要もあり、人手不足感は強い。同調査の従業員判断DIも不足が過剰を上回り続け、有効求人倍率も2月は1.15倍と高水準を持続。企業の採用余力・意欲から労働市場は拡大を見せ、先述の通り雇用の量と質の向上につながっているといえよう。

■内需回復に伴い緩やかな雇用拡大の見通し

 外需に加えて内需にも勢いが戻れば、人々の就労状況は引き続き良くなっていくはずだ。

 個人消費や住宅投資の本格的な回復にはまだ、時間がかかるだろう。ただし、消費増税の影響の薄れや金融緩和継続などで回復していく可能性は高い。消費動向調査の消費態度指数、景気ウォッチャー調査の家計関連の先行き判断DIともに、昨年12月以降上向いてきている。

 また、FRBの利上げで米国景気は減速しかねないが、当面は好調を維持し、円安もあって輸出はまだ伸びるだろう。

 こうした内需の戻りと外需の確保があれば、企業はしばらく好調な業績を維持できる。先述の公庫調査の売上見通しDIも3月の結果が+5.8となっているのは明るい材料だ。

 そうなると、引き続き需要確保に向けて人材を確保せざるを得なくなり、労働者にもよい状況が続く。

 非正社員から3倍近い年収の正社員への転換が続けば、家計に余裕が出てきて個人消費や投資が増え、雇用のさらなる拡大にもつながりそうだ。処遇格差自体を見直す必要はあるが、現状のままでもこの好循環が持続すれば、労働者や個人消費を後押しする上でもプラスの方向に働く可能性もある。(ZUU online 編集部)




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