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2015年04月05日00:59

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東京・春・音楽祭ワーグナーシリーズ ニーベルングの指輪 第1日 ワルキューレ


2015/4/4土 15:00- 東京文化会館

指揮:マレク・ヤノフスキ
ジークムント:ロバート・ディーン・スミス
フンディング:シム・インスン
ヴォ―タン:エギルス・シリンス
ジークリンデ:ワルトラウト・マイヤー
ブリュンヒルデ:キャサリン・フォスター
フリッカ:エリーザベト・クールマン
ヘルムヴィーゲ:佐藤路子
ゲルヒルデ:小川里美
オルトリンデ:藤谷佳奈枝
ヴァルトラウテ:秋本悠希
ジークルーネ:小林紗季子
ロスヴァイセ:山下未紗
グリムゲルデ:塩崎めぐみ
シュヴェルトライテ:金子美香
管弦楽:NHK交響楽団 (ゲストコンサートマスター:ライナー・キュッヒル)
音楽コーチ:トーマス・ラウスマン
映像:田尾下 哲

演奏会形式/字幕・映像付

東京春祭のワーグナーシリーズへの参戦はこれが3度目。私としては今回が一番よかったです!ここのところ、新国でもやもやするワーグナーオペラを2度ほど立て続けに聴いてしまっていたのですが、それを吹き飛ばす公演でした。日本でこのレベルのワーグナーオペラを聴けて本当に幸せです。

このシリーズ、毎回歌手はすごくいい人を揃えているなぁと思っていました。今回もいずれ劣らぬ実力者ぞろい。個人的に一番感銘を受けたのはジークリンデのマイヤーさんかな。実な彼女のジークリンデ、13年の夏にミラノ遠征でも聴いてて、そのときも役にはまってるなぁ上手いなぁと感動したのですが、今回はそのときとちょっと違う受け取り方をしました。高音部などは多少苦しそうなときもあったけど、そういうのが小さいことと思えてしまうくらい役を生きている感じが凄かった。演奏会形式で演技をしているわけではないし衣装も特別に役向けに用意されたものではないのですがね・・・。声にジークリンデの感情がそのまま乗っていて、聴いているうちに彼女がジークリンデその人にしか見えなくなってくるような錯覚に。今思い出しても感動します。

そしてジークムント役のディーン・スミス、若々しく張りのある声でこちらも役にぴったりはまっていたし、出番の最後まで同じテンションで走っていて凄かった。若くて真っ直ぐでちょっと向こう見ずな若者という役を好演してたと思います。来年は彼がジークフリートなんですよね。なかなか楽しみ。

それ以外では、クールマン。この人の声、強くて迷いがなくて好きだわー。去年のエルダも出番短い割に印象的でしたが、今回のフリッカは強烈。あの声でしかも感情たっぷりに夫であるヴォータンの不貞を責めるシーン、怖くてかっこよくて本当にヴォータンが気の毒になりました。ヴォータン役のシリンスも最後まで威厳を保った安定した美しい声を聞かせてくれたし、ブリュンヒルデ役のフォスターは高音部も安定した声量で愛すべきはねっ返り娘を熱演。いやいや、素晴らしいキャストだったと思います!

そして歌手だけじゃなくて今日はオケもよかったなー。管が時々あれれと思う小さなコケ方をしていましたが、キュッヒルさんをコンマスに弦が素晴らしい働き。表現したいことが明確で迷いがなく、メリハリも非常にきいていて、素晴らしい歌手陣に見合った熱のこもった演奏だったと思います。春祭ワーグナーシリーズ3回目にして、N響ってやっぱり上手いのねーと実感させていただきました。Bravo!

この公演、今日が初演で次は火曜日。何と平日昼間15時からということで、もう一度聴きたい!と心から思うのですが無理なのが残念です。今日は満席に近い入りだったように思いますが、さすがに平日はあいてるのでは。興味がある方、損しない公演だと思うのでぜひぜひ足をお運びください。

それにしてもワーグナーのリングはストーリーも人物描写も音楽も本当によくできた作品だなぁ。凄い演奏で聴いちゃうと本当にゾクゾクするほどの満足感です。これが味わいたくて、ついついワーグナー作品に多く足を運んでしまう人がいるのも分かるなあ。
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