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2015年04月04日13:06

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BOLISHOI Ballet in シネマ 愛の伝説

2015/4/3金 19:00- Bunkamura ル・シネマ

音楽: アリフ・メリコフ
振付: ユーリー・グリゴローヴィチ
美術・衣装: シモン・ヴィルサラーゼ
指揮: パーヴェル・ソローキン
管弦楽: ボリショイ劇場管弦楽団

出演
メフメネ=バヌー: マリーヤ・アラシュ
フェルハド: デニス・ロヂキン
シリン: アンナ・ニクーリナ
大臣: ヴィタリー・ビクティミロフ

ボリショイ劇場での収録は2014/10/26

ボリショイのライブビューイング。このシーズンは結局これだけになってしまいそうですが、11月のマリインスキー来日公演の予習も兼ねて行ってきました。それほど期待していたわけではないのですが、かなり楽しかったです!

グリゴローヴィチの振付はマイムを使わず、すべて踊りでストーリーを表現。しかも、技術的に難しい、パワフルな振りが最初から最後までずーっと続きます。ダンサーの皆さん、よく体力がもつなぁ!ストーリーはまったく違いますが、男性の群舞も多いし、振付の質としてはスパルタクスに近いものがあるように思いました。

しかしボリショイのダンサーは本当に力強いですね。一見たおやかに見えるプリマでもジャンプの高いこと!みんな相当に体幹が強いのだろうなあ。この演目、かなりボリショイ的に感じたので、あの高貴で優雅なマリインスキーが上演しているところがちょっと想像できません。が、そこは初演のバレエ団、ボリショイとは一味違う愛の伝説を見せてくれるのだろうな、と今からかなりワクワクしてます。

音楽はこの作品のための書下ろし。オリエンタルでやや現代的な部分もあり、典型的なバレエ用クラシックではありません。でも、そこも私は好き。あと、シモン・ヴィルサラーゼの美術・衣装もいい。舞台装置は古いバレエにしてはシンプル。舞台中央にある大きな観音開きの装置がメインで、そこが前半は宮廷の中になり、後半は鉄の山になっています。このデザインが、ちょっと現代アートっぽいんですよねー。あと衣装も、基本は古代東方の国ということでアラブ風テイストなんですが、ところどころ現代っぽい味付けもあって、古臭くないんです。特にだらーんと長い袖が指の先から垂れ下がる道化の衣装は秀逸でした!

さて、昨年秋の来日公演で今のボリショイの実力の高さは分かっているつもりでしたが、やっぱりこの作品でもソリスト・コールドともにダンサーのレベルの高さには感銘を受けました。そのなかで三角関係にある主役3人、素晴らしかったです。

主役の女王メフメヌ・バヌーは、マリーヤ・アラシュ。彼女の女王はとても力強く、そして生身の人間としての苦悩を感じさせる役作りでした。マリインスキー公演では私はロパートキナで観る予定なのですが、きっと全く違った役作りなんだろうなあ。孤高の女王が似合うロパ様のメフメヌ・バヌー、今から楽しみでなりません。

高貴な姉妹から愛される色男フェルハドにはロヂキン。彼は先日の来日公演でザハロワと踊ったジークフリートで観ているのですが、フェルハドの方が似合いますね!若くて美しく、でも真っ直ぐな気持ちを持つ青年を好演。テクニックも申し分なく、ジークフリート役のときよりも力強く見えて、本当に素晴らしかったです。シリンのニクーリナも、美しい中に強靭なバネと確かなテクニック。文句のつけようのないキャスティングでした。

というわけで、本当に楽しかった愛の伝説。技術的に相当難しい演目であるということもあり、ボリショイとマリインスキー以外で完璧に上演できるところはなさそうな気がします。その貴重なナマ公演が日本で観られる11月が本当に楽しみ。ロパ様目当てでチケット1枚とりましたが、もう一日も観たくなりました。興味おありの方、ぜひぜひライブでご覧になれるこの機会をお見逃しなく!

マリインスキーバレエ 2015年来日公演 愛の伝説(ジャパンアーツ公式サイト) http://www.japanarts.co.jp/mb2015/legend.html

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