勘繰り

■ひき逃げ容疑、１９歳逮捕＝２歳の男児死亡―広島県警
(時事通信社 - 03月30日 23:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=3346809

問題は夜中の2時に2歳の子供がいることではなく、夜中の2時という、ただでさえ見通しの悪い時間帯に、2歳の子供が1人、道路の真ん中を歩いていたか、ということだ。

そこに、この母親の子供に対する安全配慮の至らなさ、があると思う。
そして、そこから逆算すると、本当に夜中の2時に2歳の子供を連れていることが、仕方のないことだったのか、ということに疑問を感じてしまうのだ。

例えば、夜中に2歳の子供が夜泣きをして、気分転換にと外に散歩に連れ出したとする。
子供の事を思ってそうしたとしても、昼間だろうが夜中だろうが、外歩きする時は、決して子供の手を離してはいけないし、況してやクルマが通る道路の真ん中なんて、夜中であっても歩かしてはいけないのは、当たり前の話だ。

となると、手も繋がない、道の真ん中を歩いていても注意もしない、そんな親は、果たして子供の為に夜中に外に連れ出したのか、僕はそこに疑問を感じるのだ。
何か自分の事でコンビニに行く用事があって、単に子供を連れ出したのではないか。
外でも、スマホを弄るなり、なにか自分のことで手一杯で、子供の安全のことまで気が回らなかったのではないか。
そう勘繰ってしまう。

子供の夜泣きの為に、夜中に外に出るのと、自分の用事の為に夜中に子供を外に連れ回すのとでは、同じ夜中に外に出るにしても、そこには大きな違いがある。
一方は、子供の為を思って、親が犠牲になるのに対し、もう一方は、親の勝手な都合の為に、子供が犠牲になる。
そして、前者の親の場合、多くは、子供を抱っこするか、外歩きするにしても、決して子供から目を離さないのではないか、と思うのだ。

昔、僕の実家の近くの道路で死亡事故があった。

夜中の3時に、認知症の老人が道路の真ん中に横たわっていたのに気付かずに、自動車のドライバーが、その老人を轢いてしまったのだ。
ドライバーは轢いてしまったことに気付いて、すぐにクルマを止めたらしいが、残念ながら老人は亡くなってしまった。

夜中は道路の見通しが悪くなる。
だが、夜中はそのぶん人通りがなくなる。

だから、真逆、道路の真ん中に人が寝ているなんて、ドライバーも思わなかったのだろう。

この記事の轢き逃げした少年も、真逆、夜中に小さな子供が道路の真ん中にいる、なんて思いもしなかったんじゃないだろうか。

轢き逃げしたのは悪いことだが、僕自身は、この少年に同情できないこともない。
轢いてしまったという点においては、クルマを運転する人間なら、誰だって、このような状況だったら、子供がいることに気付かない可能性があるように思うからだ。
そういう意味では、この少年も運の悪い被害者の1人のような気もするのだ。

ただ、夜中にモノを踏んだと思ったら、必ずクルマを止めて確認する必要はある。
どんなに知りたくない現実で、それが怖いことであっても。
それが最低限、クルマを運転する人間の責任だ。