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2015年03月29日03:01

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新たな門出

卒団式。
コーチとして、娘と駆け抜けた三年が終わった。

初めて公式大会でゴールした時の激烈な感動、
近所の公園で二人で自主練した帰り道の夕陽と影、
「リフティング〇〇回できたよ!」と嬉しそうに報告するときの顔・・・

色々な事が思い浮かんだが、不思議と涙は出なかった。
きっとこの日が来る事を、ずっと前から覚悟していたからかもしれない。
本当に、予想外な程に平常心だ。

これから娘はセレッソ大阪に入り、中学生の女子ながら
お菓子禁止・ジュース禁止の日々が始まる。
教えるコーチは元Jリーガーや元なでしこの選手。
D級コーチライセンス程度の父親が出る幕はない。二人三脚で歩んできた
娘とのサッカー人生は、一旦ここで終わる。
これから娘は自分の足で、自分のサッカー人生を歩む事になる。

とりあえずセレッソU-15のチームに入るが、その後にU-18に進める保証はない。
U-17女子W杯優勝メンバーが複数いるチームの中で、実力不足なら
中学卒業時点で放り出される。

親としては期待と不安が交錯する。既にセレッソの練習には参加しているが、
上級生も参加するミニゲームなどで「シュートに持ち込めた」「上手く繋げた」だけで
「おお、やりよった」と思ってしまうこの感覚は、4年生の時に今のチームに
入った当初の感じを思い出す。そこから絶対的エースに上り詰めるまでの
あの感覚を、また味わえるならそれもまた良い。

自分は娘が卒業した今のチームに残って、引き続きコーチを続ける。
正直、娘がいないチームは何かポッカリと穴が開いたような感じがする。
指導者としての今までのモチベーションも、我が子がいたからこそだ。
コーチとして、親として、子離れしなければならないのだと痛感する。

娘がどこまで行けるか分からないが、技術的な事はセレッソのコーチ陣に
任せるし、説明会で聞いた限りでは任せるに値するしっかりとした
育成システムを持っていると思う。さすが柿谷や南野を育てたクラブだ。
親として出来る事は、メンタル面でのサポートしかない。
これからは海外遠征も増えるし、これまで娘が経験した事のない環境で
サッカーをするにあたり、これまで自分が経験した事、培ってきた知識で、
娘がメンタル面でも自立したサッカー選手になれるよう、
中学生活をサポートして行きたい。

学校の卒業式で、一人一人が将来の夢を語った。
娘は「将来はなでしこジャパンに入って、W杯と五輪で優勝します!」と
大きな声で宣言した。もちろん学年でただ一人。
その大きな夢は、私にとっての夢でもある。高校生の時に
自分で自分の限界を決めてしまった父としては、娘にはこれからも
前だけを向いてサッカー人生を歩んでほしいと思う。
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