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2015年03月28日16:37

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樹木ですと、何百年も生きている間に体細胞で変異が蓄積して枝ごとに遺伝子型が変わり色の異なる花をつけたり>!>動物ではノーベル賞になる体細胞の全能性も植物では当たり前ということですね>


植物の知恵に学ぶ
長谷部光泰 基礎生物学研究所教授 × 中村桂子 JT生命誌研究館館長

研究室を訪れるのが楽しみなお相手です。先日は会議後立ち寄り、ハナカマキリのピンクの色素研究をしている若い研究員とムシの気持ちを想像しながらの科学談義を楽しみました。今回はコケから食虫植物まで、植物独自の生存戦略のみごとさに時のたつのを忘れました。
身近なスズランが、地下茎で全部つながっているクローン【えっ!】とは知らなかったという無知ぶりに自ら呆れながら。楽しいとばかり書きましたが、「複合適応形質進化の遺伝的解明」研究の代表者である旬の研究者です。(中村桂子)





長谷部光泰(はせべ・みつやす)
1963年千葉県生まれ。東京大学理学部植物学教室、同大学大学院理学系研究科植物学専攻博士課程を経て、理学部附属植物園岩槻研究室助手。博士(理学)。米国Purdue大学留学、基礎生物学研究所助教授を経て、2000年より同研究所教授。分子生物学、細胞学、発生学、ゲノム生物学的アプローチから陸上植物の発生進化、生物全般の複合適応形質進化の解明に取り組んでいる。

   【略】

中村  生命力が強いんですね。今年の生命誌のテーマは、「変わる」です。その中でコケに始まる植物の進化の過程を総合的に見ていらっしゃる長谷部さんのお話を楽しみにして来ました。分子生物学では、ゲノムDNAや代謝などの基本的な細胞のはたらきはすべてに共通というところから始まりましたでしょ。でも日常的な眼で見ると、動物と植物ってずいぶん違う生き方をしていますよね。しかも、この頃、DNAなどの研究が進んだら、そこでも違いが見えてきたように思うのです。
長谷部  そのとおりだと思います。
中村  保育園で先生が子どもたちに、生きているという話の中で、動物と植物について話したら、ほとんどの子は動物も植物も生きているということで納得したのだけれど、一人だけ、「植物は絶対生きてない」って主張する男の子がいたんですって。「どうしてそう思うの」と聞いたら、「動かないもん」って。とってもよく考えてるなと思うのです。
長谷部  研究室公開で一般の方に植物を見せると、「ああ、植物も生きているんですね」とおっしゃる方が時々ありますね。植物が動物と分かれて、もう12億年は経つので、その時間の分だけお互い変わっているわけで、その違いをよく考えると面白いですよね。
中村  その通りで、生物学として共通性と違いの両方から見ると改めて面白さが見えてきますね。
長谷部  動物は単細胞時代の細胞壁を古くに捨てましたが、植物は細胞壁を維持し続けました。細胞レベルのその違いが根本にあると思います。例えば、今、僕の手の皮を引っ張るとこんなに伸びますが、植物にこんなまねできません。キャベツだったら折れちゃいます。成体の細胞が柔軟に動くなんて植物から見たら驚きですよ。
中村  確かに細胞の違いは大きいですね。さらに個体としても違いますね。作物は、今や大豆、綿、麦、トウモロコシなどのほとんどが組み換え体です。ある遺伝子を操作した個体の実用化は動物ではこのような展開はありませんでしょ。
長谷部  樹木ですと、何百年も生きている間に体細胞で変異が蓄積して枝ごとに遺伝子型が変わり色の異なる花をつけたりします。多年草のスズランは、一つの株が地下茎を伸ばして、何百、何千株にまで広がって百年以上生き続けます。このように植物は動物と違って個体が不明確で、しかもクローンで増えます。分化した細胞も全能性があるので葉っぱを挿せば再生して増えちゃう。
中村  動物ではノーベル賞になる体細胞の全能性も植物では当たり前ということですね。植物と動物で個体を比べると、どうしてこんなに違っているのかと改めて驚きます。12億年前に分かれた共通祖先から受け継ぐゲノムや細胞の基本は共通なのですから、その後の違いを追うのは面白いですね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ーー
https://www.brh.co.jp/seimeishi/journal/075/talk_index.html
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