サルのアキコ

犬の名前にもキラキラネームが増加中!?
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久々に少し短めの日記を。

僕が小学生の頃の話。

隣の家に住む、畳屋のオッサンがある日、酔っ払って、サルを買って帰ってきた。
このオッサンはいつも、外で酒を呑んでは、要らんモノを買って帰ってくる癖があるので、いつものことなのだが、それを飼う家族はたまったもんじゃない。

まあ、隣の家の話なので、何を飼っていようが、それこそ勝手なのだが、実はそのあと、ちょっとモンダイが起きた。

オッサンは、そのサルに、”アキコ”と名付けたのだ。

えっ。何がモンダイかって？

実は、ウチの母親の名前が、”アキコ”だったのだ。
畳屋のオッサンは、よりによって、自分の飼っているサルに、隣の家の奥さんと同じ名前を付けたのだ。

ところで、隣の家には、サルの前にすでに昔から飼っているイヌがいる。
犬猿の仲とはよく言ったもので、そのサルのアキコとイヌとは、しょっちゅうケンカをした。

ワンワン、キーキー、五月蠅いから、モチロン畳屋のオッサンは、サルとイヌを怒鳴りつける。

「コォラァ！！アキコ！！」

最初のほうは、サルの名前だからと気にしないようにしていた母も、何回か畳屋のオッサンがサルを怒鳴りつけるのを聞いているうちに、段々、ガマンの限界がやって来た。

そして、サルを飼って何日めかの昼。
いつものように、ワンワン、キーキーの後の畳屋のオッサンの声。

「コォラァ！！アキコ！！何やっとんじゃ！！」

プチンと母の勘忍袋の緒が切れた。

母は、家を飛び出し、隣の畳屋に怒鳴り込んだ。

次の日。

サルのアキコは、ハナコになっていた。