蘇之一行 先生の「第21回電撃小説大賞・銀賞」受賞作。実力十分の高校生新人漫画家が
「マンガの神様」に憑かれている少女に出会いトラブルに巻き込まれていく青春物語です。
(イラスト/Tiv 先生)
【
http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869258-8/ 】
幼き日からの夢を週刊少年漫画雑誌の新人賞で大賞を獲って叶えた“伊織”。校内で偶然
出会った少女“楪葉”の目の前で次々に起こる、人の生き死にすら左右させるご都合主義
あふれる出来事の数々が「マンガの神様」のせいだと言うのだから疑いたくもなるが──。
創作論といいますか、「何のために自分はマンガを描くのか」ということを“伊織”の立場
立場を踏まえて言及していく点がまず印象に残りました。目的と手段が入れ替わる、という
ことは往々にしてあることですし、そういった面で共感できるところも多々ありました。
「マンガの神様」に憑かれている、ということで生き方を縛られ、“伊織”に辛辣な助言を
することも躊躇わない“楪葉”。それが元でスランプに陥った彼が、それでも彼女と真正面
から向き合い、その幻想を打ち砕くラストも良い熱量がありました。オススメの一作です。
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