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2015年03月17日00:57

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定時制高校の高校生の方がずっと、「大人」である

セクシュアリティの多様性と排除 (差別と排除の〔いま〕 第6巻) (差別と排除の「いま」)
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=3352548&id=1545420 (mixi 会員限定)

ついさっきレビューを書いたところ。図書館で借りた本だから返却期限に迫られて読んでいる本でもある。それでもレビューは手を抜いたことはない。

もう一冊、紹介したい本がある。

エッチのまわりにあるもの―保健室の社会学― すぎむら なおみ (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4759267395

定時制養護教諭として、思春期の性に向き合った、生の記録がこの本である。プライバシー保護のために再構成されたストーリーではあるものの、実際にあった生々しい話であることにはかわりはない。

私は男性の生徒から告白を受けた男子学生の、「同性愛はきしょい」と言いつつも告白を図らずも受けてしまったこの学生の態度の心地よさが鮮烈である。それに引き換え、他の高校教員の「同性愛には偏見はない」としつつも当事者を排除しようとしたことが、差別の構図または守旧的価値観としてあぶり出され、その価値観が再生産されていくのである。若者の性交渉も、性暴力も、セクハラ、援助交際もすべて、日本の守旧的価値観をもとに「層別化」された生徒の現実的なソリューションとして描き出される。

どちらの書籍も、連綿と受け継がれてきた「日本の性道徳・性役割・性規範」が理解の妨げとなっているさまがあぶり出されている。そこが、未だに日本が外国から「性差別の国」だとされる根っこを成しているのかもしれない。

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