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2015年03月15日22:41

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東京バレエ団×ザハロワ×ボッレ ジゼル

2015/3/15日 14:00- ゆうぽうとホール

ジゼル: スヴェトラーナ・ザハロワ
アルブレヒト: ロベルト・ボッレ
ヒラリオン: 森川茉央

指揮:ワレリー・オブジャニコフ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

観てきました。ザハロワ様のジゼル。

いやー、何というか素晴らしすぎて言葉を失いました。1幕はアルブレヒトに裏切られていたことを知ってジゼルが絶望したところ、2幕はジゼルが死してこの世のものではなくなってもなお彼を守ろうとする姿に涙が出ました。ジゼルがこんなに濃厚な人間ドラマに見えたのは初めてです。

それくらい、ザハロワの演技は素晴らしかった。もちろんテクニックは文句のつけようもなく素晴らしいのですが、今回感銘を受けたのはその演技力でした。日本のバレエ団で踊ると彼女はどうしても背が高くてお姫様というか年齢がら女王様に見えてしまいがちだけど、それが気にならないくらい一図にひたむきにアルブレヒトを思う純粋な少女に見える演技。ザハロワの演技力が進化しているのは昨年末のボリショイ来日公演で分かっていたつもりですが、今回は更にその上をいきました。ウィリになったジゼルが見せる彼への愛はもはや聖母マリアの慈愛のよう。これもザハロワが母親になったことが関係しているのでしょうか。

ザハロワのジゼルの重力を感じさせないふわっとした浮遊感は、彼女のテクニックは勿論のことながら、ボッレとのパートナーシップによるところも大きいと思います。時々見交わす視線も全く無理がなくて、彼らの間にある深い信頼感を感じることができました。リフトが多いバレエはパートナーシップが作品の印象を大きく左右するなと思います。

そのボッレ様、確実なテクニックに裏付けされた丁寧で丹精な踊りは本当に気持ちがいい。そして何よりあの美しさ。今年40才になるとは思えない。黒いマントと白い百合の花があんなに似合う男性ダンサーも、あまりいないのでは。とにかく感動のため息ばかりの公演でした。

主役二人だけでなく、東京バレエ団もよかった。ウィリ達を演じたコールド、久々に彼ららしい、ぴたりと揃った息の合った動きを見せてくれました。ヒラリオンの森川さんも素朴で森番らしかったし、パ・ド・ユイットの女性陣と松野君、梅澤君、ノーブルで好感を持ちました。ただミルタの奈良さんは、キャラクター作りが今一つ弱かったかな。でもとにかく、とてもいいキャスティングだと思いました。

素敵な公演をありがとうございました。こんなのを観てしまうと、ザハロワもボッレもバレエフェスに出ないというのが本当に残念に思えます・・・。
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