阪神高速のジョージアの看板のはなし

“憑依”を超え役ごとに“転生”、山田孝之が重宝されるワケ
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今から2年くらい前の話。

今はどうか知らないが、以前、阪神高速大阪環状線に、ジョージアの看板がデカデカと立っていた。

看板には、道路工事の作業員の格好をした山田孝之さんが5人並んで立っている。

ある日、家族で大阪へ遊びに行く時に、クルマでその看板の下を通りかかったら、助手席に座っていた嫁が看板を指差して、

「あっ。山田くん。」

と言った。

見ると、道路工事の作業服を着た男の人が横並びに、5人立っている。
僕は、5人全員が別人だと思っていたので、

「えっ、何番めの人が山田くんなん？」

と訊いた。

すると、嫁はハナでフフンと笑い、

「ナニ言っているの、5人とも全部山田くんやん。」

と言った。

すると、後ろの座席で、僕たちの会話を聞いていた4歳になったばかりの息子、はるちゃんが、前方を指差し、

「あっ！！山田くん！！」と叫んだ。

看板はとっくに通り過ぎたし、何を言っているんだろうと、僕たちははるちゃんの指差す方を見ると、

阪神高速の道路工事をしている場所から、作業服を着てヘルメットを被った人が、偶然5人並んで、こっちに向かって歩いてくるところだった。

どうやらはるちゃんは、山田くんを勘違いしているようだった。