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2015年03月03日06:16

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百田さんの高橋さん

 昨日は文句ばかり言いすぎたので、いいところも。

 あと、一応自分のことを言っておくと、
 私は映画はちょこちょこ観るくらい。
 ビデオで見るのも入れたらたぶん年間100本くらい見ます。
 劇場で見るのは、たまーにくらい。
 去年は、「エンダーのゲーム」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」「大脱出」「魔女の宅急便」「偉大なる、しゅららぼん」「超高速!参勤交代」「フライト・ゲーム」とか10本くらいは見ました。
 上にあげたのを見ても分かるとおり、映画通でもないし、ミーハーな感じです。
 好きな映画は、「ダイハード」と「ターミネーター」です。
 あと、「12人の優しい日本人」とかも好きです。
 いちばん好きな映画は、「スティング」です。
 まあそんな感じの、わりと映画好きだけど、そこまで見てるわけじゃないという感じの。


 「ファン目線ではなく一般目線で観よう」とか思ってた部分もありましたが、無理だとわかったのであくまでファンとしてしか観られない。
 その中でも、私の視線は「ももクロちゃんかわいい」とかの感じではなく、「ももクロがもっと広く大きな存在になるためには」とかの、「余計なお節介だろ」と言われるスタンスなので、そのあたりはご容赦下さい。

 ももクロの演技はよかった。
 とくに、夏菜子ちゃんの演技がよかった。
 結局、百田夏菜子という人はキラキラしてるんですよ。
 それが、ももドラとかでは「百田夏菜子」というキラキラした存在が、そのままそこにあって、それはもうキラキラしてるんだけど、そりゃそうだろ、という。
 幕が上がるでは、夏菜子ちゃんは高橋さおりを演じていた。
 ちっちゃいことで悩んで、自分が何がしたいのかわからない、なんで演劇してるのかもわからない。
 一般的によくいる女子高生を演じていた。
 はじめのうちは、演じている姿が見え見えで、ぎこちない、わざとらしいものに見えてしまう。
 でも、それがだんだん、変化していった。

 勝新太郎の言っていた言葉が印象的で、百田夏菜子を語るときによく引用しているのだけれども、
「役者というのは、役に自分を寄せる。
 スターは、自分に役を寄せる」
 というのがあって、百田夏菜子はここでいうスターの姿を地でいく存在と思っている。
 何をやっても、百田夏菜子。
 役としての存在ではなく、百田夏菜子という存在が光っている。
 それが、今回の映画では高橋さおりという役の姿で、百田夏菜子はスクリーンに映っていた。
 中西さんとの駅のシーン、稽古で演出をつけるシーン、
 素の百田さんの表情が見られたのは、図書館での「演出ノート」って書いてうひょってするシーンと、中西さんと高校演劇全国大会に行ったときの客席での表情くらいのもので、
 あとは、高橋さおりとして存在していた。

 それが、物語がすすむに連れて高橋さおりが解放されていくにつれてさおりの表情も輝きだして、それが高橋さおりの成長とシンクロしてるように見えて、でもそれはやっぱり百田夏菜子だったんだ。
 結局、百田夏菜子はキラキラしている。
 普通の女子高生を演じていても、そこにいるのが百田夏菜子ではなく高橋さおりであっても、夏菜子ちゃんのキラキラ感はどうしようもなく頭隠して尻隠さず。百田隠してキラキラ隠せず。
 普通の女子高生として存在している。
 自然な芝居をしている。
 高橋さおりを演じるのではなく、高橋さおりがしゃべっているように感じられた。
 それでもキラキラしてしかたない、やっぱりこの人は大スターなんだと思いましたよ。
 
 前半は夏菜子ちゃんの芝居にモノローグが掛かっていることが多く、
「あぁ、だめだ、泣くな」とか、「やめろ、最悪」とか、
 それが、途中からモノローグがなくなってきた。
 心の声をそのまましゃべらせるというのは、演技でそれが表現できていないからで、
 それがなくなったのは、演技でそれができていたから。
 まあそんな単純なものではないのだろうけど、それくらいには夏菜子ちゃんの演技は変化していましたよ。

 私は、この映画をみて「ももクロのストーリーと重なって…」という見方はしませんでした。
 映画は映画として、映画のストーリーとして見た。
 だから、吉岡先生がいなくなる場面で早見あかりの姿は浮かばなかったし、そのとき流れたオルゴールの怪盗少女も、あかりんに贈る歌には聞こえなかった、あとから言われて「そういう感じ方もあるのね」と思ったくらいで。
 原作を読んで思ったことだけど、物語の展開としてはよくあるもので、弱小の部活に信心先生が現れて、その人は伝説の名コーチで、部員の隠れた才能を発揮させて大会を勝ち抜いていく、という基本パターンにのっとった物語の上のことで、そんなどんでん返しとか意表を突く展開があるわけでもない。吉岡先生がいなくなるのも、「そうなるだろうな」くらいに思ってたくらいで、野球マンガで試合前日にピッチャーが交通事故にあうような、よくある展開のひとつに過ぎない。
 この作品がほかとちがうのは、演劇論としてすぐれてい点で、ものをつくる苦悩みたいなのが物語の中心にあって、そこが面白いなぁと思っていたのね。
 そこのところが映画ではどうなるのかと思ってたら、人間関係を軸とした青春物語になってたので、まぁしょうがないんだけど、少し寂しかったりした。

 って、書いてたらまた文句みたいになっちゃってきたのでやめよう。

 この映画は、ももクロのこれからの活動にプラスになるものだと思うし、
 これを機に芝居のオファーもくるでしょう。
 そういった転機になる作品だと思うし、それに答える演技ができていたと思う。
 映画の宣伝でテレビ出演も多く、幕が上がる新規、なんて人も多く出るでしょう。
 まだこれから3回くらいは見に行くと思うので、それからまた感想も変わるかもしれない。

 って、百田さんのことしか書いてないけど、まあそれはしゃーない。
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