乙野四方字 先生が贈る新作は推理ゲーム小説。謎解きを生きがいとする少年が転校少女に
触れた瞬間、とある「謎」を提示する天使と出会い、それを解決していく顛末を描きます。
(イラスト/おかだアンミツ 先生)
【
http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869249-6/ 】
「ウミガメのスープ」と称するゲーム。ウミガメの天使“ウミエル”が問題となる「状況」
を説明し、「解明」する立場の“論”たちがYESかNOで応えられる質問を彼女に投げかける。
回数・時間制限なく質問した結果を総合して「状況」の全容が説明できればクリアとなる。
「A=B」「B=C」から「A=C」などと考えていくのが垂直思考だとしたら「A≠C」
だったら? DやEは? と考えていくのが水平思考、という例えがゲームの内容を実に
端的に示していて分かり易い。問題は彼らと一緒に解答していく感覚で楽しく読めました。
抱えている事情が事情なだけに排他的な“すすめ”との距離感が縮まっていく“論”にも
重大な問題を抱えている部分があって、と重めな展開もありますが協力して乗り越えていく
結末も心地よい読了感でした。続きが出てくれてもいいと思うのですが、どうでしょう?
ログインしてコメントを確認・投稿する