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2015年02月16日23:21

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エルトゥールル号遭難事故(1890年)とテヘランからの日本人脱出(1985年)に見る日本・トルコ関係

普段日記にTV番組のことを書くことはあまりないのですが、今夜放送された「トリハダ」の中で取り上げられていた話については、書かずにはいられません。イラン・イラク戦争当時のイランからの日本人脱出についての話です。
1985年3月、当時イランとイラクは戦争状態にあり、戦火はイランの首都テヘランにも徐々に迫っていました。そして、在イラン外国人たちが脱出を迫られる中でイラクの大統領サダム・フセインが突然、48時間の猶予期限以降にイラン上空を飛ぶ飛行機はたとえ民間機だろうと撃墜対象にすると一方的に宣言し、テヘラン在住の日本人が危機にさらされたのです。
当時、イランには日本の航空機は乗り入れておらず、外国の飛行機を使うしかなかったのですが、外国の飛行機は自国民の搭乗を最優先するがために、日本人の搭乗を断るという事態に。また、当時は政府専用機もなく、日本の民間航空会社も安全が確保できないとの理由でイランへの特別便を飛ばすことを拒否しました。ちなみに政府専用機は、この事件をきっかけに、その2年後の1987年に作られたそうです。
そんな中で、駐イラン日本大使の野村豊氏が奔走し、他国に助けを求めましたが、そんな中で救いの手を差し伸べた国がトルコだったのです。しかし、トルコも国内諸事情からあっさりOKしてくれたわけではなく、苦渋の決断を迫られていたようです。最終的にはトルコ首相のゴーサインも出て、トルコ航空機がテヘランに向かおうとしましたが、様々な障壁からテヘラン入りは困難を極め、テヘランからの脱出もシナリオ通りに上手くはいかなかったようです。こうしてタイムリミットぎりぎりで、日本人200数十名を乗せたトルコ航空機はイランを脱出したとのことです。
また、この救出劇に際しトルコ大使は、「エルトゥールル号事故の恩返しです。」と発言したそうです。エルトゥールル号事故とは、1890年に和歌山県串本沖で起きたトルコ軍艦の遭難事故で、その際に地元の住民が総出でトルコの船員を救助したそうです。このエピソードはトルコでは教科書にも載っているそうで、トルコ人はその恩を忘れていなかったのです。
このエルトゥールル号事故について調べていたところ、今年12月に「海難1890」という日本・トルコ合作の映画が公開されることを知りました(http://ertugrul-movie.com/ )。エルトゥールル号の事故のことだけでなく、今日のTVで取り上げられたイランからの日本人脱出についても取り上げているそうで、これは見に行かなくてはいけませんね。
そして、100年以上昔の恩を忘れないトルコ人同様に、日本人もこの恩を忘れてはいけないと強く感じました。
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