ニール・マッケンジー
この名前にピンと来る人はきっと僕と同世代でバイクに興味が有った人だろうと思う。
1980年代から2000年まで世界で活躍したイギリス人ライダー。
この選手は実は世界最高峰のグランプリにも多数出走しているが、優勝は一度も経験していない、その代わり表彰台に登ることは結構あった。
つまり
「上手いけど勝てないライダー」だった訳だけど。
本当に色々なチームで走って居たが、その都度印象的な走りを時々していた。
86年にスポット参戦で出走したグランプリで中古でボロボロのスズキのマシンで上位入賞をしてみたり。
87年世界選手権にフル参戦が決まった年の日本グランプリではポールポジションを記録したり。
ヤマハに移籍した89年は元世界チャンピオンのフレディースペンサーが不調な中孤軍奮闘し、母国イギリスグランプリでは当時のスターライダーで「世界一速い男」と言われたケビン・シュワンツを追い回して抜き去ったり。
翌90年はそのケビン・シュワンツのチームメイトとなりスズキのマシンでシュワンツ以外初めて表彰台を獲得したりと。
当時は超天才的なレジェンドクラスの世界チャンピオン経験者が多数走っていた時代だったので表彰台に登れるだけでも大したものだった。
まぁ成績はそこそこ良くても地味では有ったので日本に置いては左程目立つ存在では無かった。
それ以外に「新沼謙治」と名前が似ているので変な方向で知名度は有ったけどね(新沼謙治もニール・マッケンジーの存在を知っているw)
実はさっき何となしにこのライダーの事を思い出してYoutubeで検索してみたのだけど。
1988年のイギリス国内のイベントレースのビデオに行き着いた。
世界レベルでは「セカンドベスト」の存在でも。
さすがに国内選手権レベルだとモノが違うというべきか、目に見えてレベルの違いを見せつけていた。
素人目線というかファン目線でどうしても派手な活躍の世界チャンピオンに目が行きがちだけど。
こうした職人ライダーも良いもんだと今は思う。
尚現在のニールは2000年に引退してからイギリスでBBCの司会者や自らのライディングスクールの講師をしつつ、二人の息子もプロライダーに育て上げ、長男のテイラー・マッケンジーは父の跡を継ぎ2011年に世界グランプリデビューを果たした。
多くのライダーがチャンピオンを夢見てレースに参戦し、そして消えていった。
そんな中、決して少なくない数のライダーが大怪我をし後遺症に悩まされ障害を負ったり、命を落とした人もいるが。
ニールはそんなこともなく元気に今もライディングの楽しさを伝えている。
世界最高峰で勝つことは出来なかったけど、ニールは人生の勝者だと僕は思う。
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