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2015年02月08日11:18

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イスラム国に向かう若者が増えているらしい

1.フランス政府の取り組み

 フランス政府が若者を「啓蒙」する活動に力を入れているらしい。
 まあ、政府が作るビデオなんて胡散臭くて、若者の多くは視ないだろうと想像している。

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■「イスラム国」勧誘にビデオで対抗 フランス政府
(朝日新聞デジタル - 01月29日 22:48)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3249817

 イスラム過激派組織によるネット経由での「戦士」の勧誘を防ごうと、フランス政府は28日、「現実」を伝えるビデオをネット上で公開した。

 ビデオは1分50秒余り。解説はなく、過激派組織「イスラム国」などの映像と主張を流し、それを打ち消す形でメッセージを重ねていく。「英雄たちと家族に」に対し「戦争とテロの中で子どもを育てることになる」。「汚れた世界に住んでいる。真実はここにある」には「恐怖と欺瞞(ぎまん)しかない」。銃を向けられる人や、はりつけにされた人、泣き叫ぶ子どもたちの姿も映し出し、「毎日犠牲者が生まれている」と結ぶ。

 フランスでは、「聖戦」に関わる若者らは予備軍も含めて1千人超。そのうち9割は、ネットで影響を受けているとされる。

 仏政府はこの日、テロ対策の取り組みや相談窓口を紹介し、若者やその家族らに向けて過激派組織の現実を訴える「ストップ・ジハーディスム」というサイトを設けた。ビデオもその一環だ。
(パリ=青田秀樹)
------------------【記事 引用終了】---------------------

2.オーフスモデル

 ヨーロッパではイスラム国に向かおうとする若者たちが増えているらしい。
 各国でその動きを止めようとしているが、なかなかうまく行かないらしい。

 そんななか、デンマーク第二の都市、オーフスという港町で行われている独自の取り組みが効果を上げているらしい。昨夜(2月7日) 22時のNHK-BSで紹介していた。

http://www.nhk.or.jp/documentary/

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“イスラム国”から若者を救え
 〜デンマーク ある町の試み〜
  放送:2月 7日(土)22:00〜22:49
 再放送:2月11日(水)13:00〜13:49

 今、世界各国の若者たちが、過激な原理主義を掲げるイスラム国に傾倒、戦闘に参加するためにシリアやイラクに旅立っている。そうした若者たちをどうやって取戻し、社会に復帰させていくのか?各国はその対応に追われているが、有効な手立てを見つけられずにいる。

 そうした中で今、北欧のある自治体の斬新な対策プロジェクトが注目を集めている。
 デンマーク第二の都市オーフス市。『オーフスモデル』と呼ばれるこの市の取り組みは、帰還兵を責め罰する代わりに、カウンセリングを行ったり、仕事を見つけ勉強を再開するための援助に力を入れる。この取り組みはどのように実を結んでいくのか。

------------------【記事 引用終了】---------------------

 オーフスからはすでに30人以上の若者がイスラム国に向かったらしい。
 中には自爆テロで亡くなった子もいるようだ。
 年齢層では、高校生が5人含まれていたらしい。高校生にとってイスラム国がとても身近らしい。

 このオーフスという街は、デンマーク政府の移民政策によって数多くのイスラム教徒が住んでおり、驚いたことに、旧来からの住民もイスラム教に改宗する人が増えているらしい。
 日本であればヘイトデモが起きそうだが、そこはデンマーク、さすが人権先進国、一般のイスラム教徒を排除する動きはあまりないようだ。市民たちのイスラム教への理解も寛容だ。
 普通のイスラム教徒たちも、過激派を憎み、また、子供がイスラム国にわたって悲しんでいる。


 イスラム国に向かおうとする若者は学校でも家庭でも友人関係でも居場所がないらしい。
 そんな若者には市は、カウンセラー(「メンター」と呼んでいた)をつけて相談相手としたり、ボクシングジムに補助金を出して若者にスポーツにうちこませたりしようとしている。

 市の担当者はこう話す。
 「若者たちとは対話することにしている。相手の考えを一概に否定せず対話することは、相手に敬意を示すことだ。私達はそのやり方で効果を上げてきた。」

 この「オーフスモデル」は大いに奏功したため、この小さな街に各国から視察が絶えないらしい。

 以下は私の感想。
 日本でもしイスラム国に渡る若者が増えたとして、このやり方がとれるだろうか。
 地域の市民社会の厚みが問われる場面だと思う。
 イスラム国に渡る若者が増えるわけではなくても、犯罪に走ってしまい、人生に絶望する若者は日本では少なくない。結局、社会の中で居場所があるか、毎日を過ごす生きがいとか目標があるか、ということに心を配る仕組みがあるかという問題だと思う。


3.日本での対応

 さて、日本でも「イスラム国」にどう対峙するかが問われている。そのためには、上述のように日本社会で孤立する若者を減らしていくことが大事だと思うが、同時に、イスラム国についてよく知る必要があると思う。
 
 報道ステーションの1月27日放送、「イスラム国」特集については、批判する声が強い。
 「イスラム国」のプロパガンダになっているというのだ。

 http://matome.naver.jp/odai/2142237283026219001?page=2

 私は視逃してしまったので、動画を探していたのだが、ようやく見つかった。
 15分程度。食事時に視てみた。



 イスラム国成立の歴史的経緯が解説されており、非常に勉強になる。
 まあ「サイクス・ピコ協定」といった世界史で習う言葉が出てきて、やっぱり高校時代の勉強って大事だなということもわかる(笑)。

 私達の多くは湯川さんと後藤さんが人質に取られたからイスラム国の存在に興味を持ち始めたわけで、突然現れたようにみえる中東の武装政府(国家といえるほど実効支配はない)がどのようにして生成してきたのか、よく取材し、わかりやすくまとめられていて非常に好感が持てる。

 「イスラム国」を「敵だ」と観るとしても、やはり「敵」を知ることは大事だろう。


 上のまとめサイトに集められた批判は、なんというか「言いがかり」と言っていい。
 ほとんど戦前の「鬼畜米英」スローガンと同じ盲目的な考え方を示している。
 たぶん報道ステーション嫌いの人たちの「ためにする主張」だと思う。


4.これから

 日本ではイスラム国に向かおうとする若者は増えないだろう。
 イスラム国のプロモーションビデオは英語なので若者の英語力不足が幸いしている(苦笑)。

 でも、若者がイスラム国に向かうのは、カルト宗教に勧誘されがちなのと似ている感じがする。
 犯罪や反社会的勢力にリクルートされる若者は絶えないだろう。
 それを防ぐための試みは必要だと思う。

 若者と対話して、孤立する集団を作らせないオーフスモデルの試みは大いに参考になる。


【2015年2月9日 0:20追記】

 上でデンマークではヘイトスピーチはないと書きましたが、どうもそれは間違いのようで、イスラム教徒に対する激しいヘイトスピーチが起きているようです。

 お詫びして訂正します。申し訳ありませんでした。




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