実体を持たない「正義」や「神」なんてものには正解はない。
それでも、正解のある物理法則に従ったものだけを語っていてはラチのあかない問題というのも存在する。
ヒトは科学を知る前に「神」を発明してしまい、科学が宇宙誕生の瞬間を解き明かそうというこの時代にまだ宗教戦争をしている。
人類が社会を発展させる過程で、宗教を持たない社会より宗教を持つ社会の方が強かった。石器より青銅器、青銅器より鉄器を持つ社会が強かったように、多神教より一神教を持つ社会の方が強かった。だから宗教国家が生き残った。
そういうことの延長線上に今の社会があり、宗教戦争は通過点としてなくてはならなかった。でもだからって、ずっと続けていいものでもない。
世界は不平等だ。
何千年も前に既に農耕を行い明日の食べ物の心配をしなくて済むような地域があったかと思えば、つい最近まで狩猟採取で明日の食料のアテもない地域もあった。
その差を考えると今日までにずいぶんと世界は平等になってきたけど、でもまだまだ不平等。
でも僕は楽観的なので、人の営みが最終的には平等な社会に収束すると思っている。知識と情報は一度知ってしまえば知らなかったことにはできない。そしてリンゴはどの宗教世界でも下に落ちる。科学は普遍的な存在だ。
神は実在しない。
ヒトが発明した形而上の実態を持たない概念上の存在。そしてその範疇での信仰。
それは事実であり正しい。
科学では解決しない問題。神という概念上のものを土台にして異なる宗教間で折り合わない問題になってしまうと、争いは避けられない。
しかし理論や法則に従う、例えばゲーム理論なんかで明確な答えの出る外交問題にしてしまえば、お互いに譲り合うことで共存できるようになる。
なんというか、そういうことをシンプルに伝えることが、風刺画襲撃のような正義では正しい回答の出来ない問題に対する正しい回答なんじゃないかな、と思う。
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