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2015年01月29日20:48

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テロに軍隊は有害無力

■邦人救出へ自衛隊活用=首相、法整備に意欲―衆院予算委
(時事通信社 - 01月29日 19:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=3249459

意味がさっぱり分からない。今回の一連の経緯において、自衛隊が出動すれば事態が好転するような要素が一体どこにあったというのか。もしそんなことをしていたら、人質の命はおろか日本で暮らす国民にも累が及んだことだろう。そして泥沼の「テロとの戦い」が始まるのである。

言うまでもなくそのときは日本中に散らばる原発が、日本国の急所として立ち現れてくる。テロの本質は相手にどれだけの「恐怖」を与えたかにある。したがって、実損害以上に恐怖をばら撒くことができる原子力発電所へのテロは、テロリストの目線からは極めて合理的な標的になる。

このような原発に、石破茂は「核開発能力を示すことで、潜在的核抑止力になる」などとおめでたい評価を下してはしゃいでいるのだから呆れたものだ。

この程度の想像力を持ち合わせていないから、日本人が人質に取られている状況下で不注意な演説をするのである。人質事件のタイミングや2億ドルという関連性から言っても、安倍の演説を口実に使われたことは疑問の余地がない。完全な平和ボケを起こしていたのだろう。

今回の人質事件で明白になったのは、ことテロへの対応においては、軍隊など全く出番がないということだ。

その事実を認めることができずに、「邦人救出へ自衛隊活用」などという的外れな発想しか出てこない安倍は、盲目的軍事力信者と評するほかない。

こういう軍事力信者がテロを語る際に致命的に分かっていないことは、テロリストという存在は本質的に撲滅不能な存在であることだ。これは少し考えれば分かることである。仮に(ひとつの思考実験として)今現在、この世の中に存在するテロリストが100人だったとしよう。その100人を首尾よく皆殺しにしたら、テロリストを撲滅したことになるだろうか。

なりはしないのである。

なぜなら、テロという手段を採用する人間をテロリストと呼ぶだけであるから、また別の人間がテロに走ればテロリストは再発生するのである。軍事力頼みの「テロとの戦い」概念が間違っているのは、テロやテロリズムを撲滅可能な実体ある何かと誤認していることなのだ。

ことテロに関して軍事力がなしうることはほとんどない。「テロリスト」と名指しした集団を皆殺しにすることは出来るかもしれないが、それがテロリズムを根絶することはありえない。憎悪が拡大再生産されるだけである。

また、テロリズム対策として軍備拡大を図っても無駄である。そもそもそういう戦力差があるからこそ、テロという対抗手段が選択されるのだ。つまりイスラム国より強大な軍事力を持てば持つほど、テロという手段はますます有効な手段として採用されていくことになる。

結局、その有効性にどれだけ疑問があったとしても、取りうる手段は交渉・対話・駆け引きといった、非軍事的手段以外にないのである。確かに、こうした手段の無力を説くことは容易い。しかし、それをいくら言い募っても軍事的解決が有効になるわけではない。

非軍事的手段ならば、軍事的な手段に比べて新たなテロリストを生産する可能性は少なくてすむ。軍事的手段は武器商人を喜ばせるだけで、それ以外誰も幸福にはしないと知るべきだ。
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