2015/1/24土 19:00- KAAT
演出振付・照明：金森穣
衣装：宮前義之(ISSEY MIYAKE)
出演：Noism1
第１部 Training Piece
音楽：Steve Reich < Drumming Part 4 >
Ryoji Ikeda < supercodex 08 > < supercodex 09 >
出演：井関佐和子、亀井彩加、角田レオナルド仁、簡麟懿、石原悠子、池ヶ谷奏、吉��裕哉、梶田留以、岡本壮太、佐藤琢哉、上田尚弘（準メンバー）
タイトルの意味するとおり、Noismで行っている毎朝の訓練、「ノイズム・メソッド」及び「ノイズム・バレエ」という2つの訓練法を構成演出することで1つの作品を創作する。それは西洋文化として誕生／発展したクラシックバレエの技法を、東洋の文化として解体／発展させる試みである。
第２部 ASU
音楽：Bolot Bairyshev < Kai of Altai / Alas >
木工美術：近藤正樹
出演：井関佐和子、亀井彩加、角田レオナルド仁、簡麟懿、石原悠子、池ヶ谷奏、吉��裕哉、梶田留以、佐藤琢哉
「ASU」それはアジアの語源である。古代メソポタミアの人々は日の出、そしてその方角のことをasuと呼び、日の入り、その方角のことをerebと呼んでいた。アジアの中心から聴こえてくる喉歌に身体を澄ます時、その地響きの様な歌声は、舞踊芸術による“不可視への献身”へと私を掻き立て、未知なる宗教、そして未知なる民族への妄想を抱かせるのである。
＊各演目の説明は、KAAT公式サイト
http://www.kaat.jp/d/asuより引用
Noismの新作公演に行って参りました。Noismを観るのはまだこれで5回目（？）くらいでコアなファンとは言えない私ですが、特に第2部のASUは今まで観た作品と方向が全く違い、いい意味で裏切られて楽しかったです！金森さんこういうのもできるんだ、懐が深いなあーと。また、Noism公演では毎度のことですが、ダンサー達のよくトレーニングされた身体から繰り出されるキビキビした動きも堪能いたしました。
第１部のTraining Piece、面白い試みですね。第２部の作品と組み合わせて上演することで、なるほどノイズムメソッドがこういう作品にこういうふうに生きてくるのだ、ということが分かる。Training Pieceの前半、ISSEI MIYAKEらしいプリーツの入った白い現代的な衣装と、ちょっとベジャールの舞踊言語にも似たプリミティブな動きという組み合わせが個人的には凄く面白かったです。前半は個人の動きというよりはマスゲームで見せるようになっていて、私は後半よりも前半の方が好きだったなー。この作品、照明も面白いのですが、前方席過ぎるときっとあまり分からないでしょうね。Noismの作品は、いつも割と中央よりも後方で見た方が演出が面白いことが多いな、と思います。
そして第２部のASU。金森さんの作品や演出は現代的でスタイリッシュなものが多いように思っていたのですが、これはそういう部分を隠し味に持ちながらも、アルタイの音楽を使って原始的な宗教儀式（ひょっとして雨乞い？？でも最後に降ってきたのは砂だったなあ、）のようなものをテーマにしており、新しい方向性だなぁと思いました。テーマの「不可視への献身」って何だか難しそうと思っていたのですが、作品にして見せられるとシンプル。金森さんらしい言葉の選び方です^^;
動きそのものはよく見るとノイズムメソッドなのですが、音楽の効果もあり、原始的なイメージでいつものNoismと違うなあ、という感じを真っ先に受けました。ステージングもかっこよかったなー。かなり暗めに照明を落としたステージの中で揺らめくろうそくの光。そしてタケノコのお化け（語彙が貧弱ですみません）みたいな舞台装置、これは彼らの献身の対象の象徴（まあ神の偶像みたいなものでしょうな）。
ちょっとこの作品をどう言語化したらいいか分からないのでこれ以上書くのはやめときますが、前回見たカルメンよりもこちらの方が私は好き。この作品、決してNoismの最高傑作ではないかもしれないけど、金森さんが新しい方向性を探っていることが分かり、ここから先Noism及び金森さんがどうなっていくのか、予想がつかなくなったなーといい意味で期待させてくれるものでした。
そうそう。KAATの公演は前売は完売、凄いなあ。チケットの売れ行きをいつも気にしていた金森さん、喜んでくれているといいな。Noismは日本が誇るダンスカンパニーの一つ、今後も応援したいと思っています。
Noismの次の新作は夏の「近代童話劇シリーズ」。これは見世物小屋シリーズに対応するような作品になるのかな？今から楽しみです！
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