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2015年01月20日17:33

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差別 不平等がある限り、世にテロの種は尽きまじき 平田伊都子

 日刊ベリタ記事の転載です。
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201501201357272





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2015年01月20日13時57分掲載  印刷用

国際

差別 不平等がある限り、世にテロの種は尽きまじき 平田伊都子


 人は生まれ落ちた時から、不平等です。 差別があります。 物心がつくと、「なんでこんな不細工に産んでくれたんや?」とか、「なんでうちには金がないんや?」とか、、99%の貧乏人子弟は不平不満を親にぶつけたりします。 筆者も同様です。 よほど運のよい人や間違って出世した人を除いて、大多数の人たちは不平不満を抱えたまま萎んでいきます。 反比例して、心の奥深くでは反抗心が根を張っていくことになります。

(1)ベルギーのテロリストはベルギー在住モロッコ人:

 2015年1月7日、フランスのパリでシャルリー・エブド新聞社が二人の武装テロリストに襲撃され、襲撃犯2人を含む13人が銃殺された。
 1月15日、フランスの隣国ベルギーで、ベルギー治安当局は警察に対するテロを計画していたとして、イスラム過激派のアジト12か所を襲撃した。 ベルビエでは、銃撃戦で同派の2人を殺害し、5人の身柄を拘束した。 アジトにはカラシニコフ自動小銃や拳銃や爆弾などの大量武器とともに、多額の資金が残されていた。 ベルギー治安当局は、モロッコ出身のベルギー住人(27)アブデルカデル・ハキムを司令塔とみなし、潜伏先と推定されるギリシャ当局に協力を依頼した。 1月17日、ギリシャ当局がイスラム過激派4人を、テロ計画容疑で逮捕した。 そのうちの一人を容疑者 と認定したベルギー当局は、ギリシャ当局に身柄の引き渡しを要請した。
 2015年1月16日のBBC英国TVによると、今回ベルギー治安当局が襲撃したGICM(the Groupe Islamique Marocain Combattantモロッコ・イスラム・戦闘団)・ベルギー細胞は、2004年のマドリッド列車大爆破テロで暴れたそうだ。 2005年、戦禍のイラクで、GICMベルギー戦闘員ムリエル・ダグケは、最初の欧米女性自爆テロリストとして名をはせた。
 ベルギー・テロ首謀者とされるモロッコ人アブデルカデル・ハキムは、2006年にGICM軍事部門のリーダーとして指名手配され、最近はシリアに出没していた。 彼の同輩リチャード・イバは<シャリア4ベルギー>一派と共に、シリアで戦っている。 アブデルハキムの資金源が、世界一のハシッシ産出国モロッコの麻薬密売にあることは、容易に想像できる。

(2)国際武器密輸センター、ベルギー

パリのクアシ兄弟はAQAP(アラビア半島のアルカイダ)から、クリバリはイスラム国(イスラム教スンニ派)から資金援助を受けていたそうだし、アブデルカデルは自力で資金調達をしていたとか、、パリ・テロとベルギー・テロは関係ないのだろうか?、、確かに実行犯同士が申し合わせた、<同時テロ>ではなかったようだ。 しかし、武器密輸商人を仲介人にして、バッチリと繋がっている。 英紙デーリー・テレグラフによると、パリ・テロ実行犯3人の使った武器はベルギーの武器密売人から買ったという。 週刊誌シャルリ・エブド社を襲撃したサイド・クアシとシェリフ・クアシの兄弟は、カラシニコフ自動小銃やロケットランチャーをベルギーの首都ブリュッセルにある武器闇市場で買った。 ユダヤ人質4人と女性警官に向けて乱射したアメディ・クリバリが使った旧チェコスロバキア製スコーピオン短機関銃やロシア製トカレフ小銃も、ベルギーの武器密売人から調達したという。
ベルギーの歴史とアラビア語学者のピーター・ヴァン・オスターヴァンの調査によると、ベルギーのイスラム過激派は300〜350人で、フランスの過激派1,100人より少ないが、全人口に比例させるとフランスの倍以上に過激派を抱えているそうだ。
ベルギーはフランスとドイツとオランダとルクセンブルグとに国境を接していて、北海に面した海岸から密輸武器や麻薬を運び込むことができる。一旦陸揚げされた密輸武器や麻薬は、検閲が緩いEU圏内に拡散していく。
ベルギーにはオランダ同様、多数のユダヤ人がベルギー政府の庇護下に住んでいる。
仲良しのベルおばさんはベルギー国籍のユダヤ人で、中央アフリカ共和国を舞台にダイヤモンドと象牙で派手な商売をしていた。 美人で大金持ちで、「あんた、なんたって金だよ!」と、筆者にハッパをかけていたが、ある日、他の知人から、「インターポール(国際刑事警察機構)から手配されてるよ」というニュースが入った。 その後、彼女の音信は途絶えた。
2014年6月2日にブルュッセルのユダヤ博物館が襲撃されてからベルギー治安当局は神経を尖らせ、今回の事件後はユダヤ人居留区に特別警戒態勢を敷いた。
日本国皇室とベルギー王室との関係は極めて親密で、2014年12月12日、ファビオラ元王妃(享年86才)の葬儀には皇后が単独で参列した。

(3)パリ・テロ抗議平和デモに参加した国家テロリスト

 2015年1月8日、前科のあるアメディ・クリバリ(32)はパリ郊外モンルージュで女性警察官を射殺した。 翌日1月9日の昼、アメディはモンルージュから約25キロ離れたポルト・ド・ヴァンセンヌのカシュルート(ユダヤ教スーパーマーケット)に押し入り、人質を取って立てこもった。 夕べの祈りを始めた犯人の隙を狙って、フランス特殊部隊が突撃した。犯人は射殺され、客のユダヤ人3人と従業員一人が死んだ。 人質4人を殺したのは犯人か?特殊部隊か?不明だ。

 1月10日の、イスラエル紙ハーレツはパリでのユダヤ教スーパーマーケット襲撃事件を受けて、「フランスやヨーロッパにいるユダヤの民よ、イスラエルは君たちの家だ。いつでも帰ってこい!」との、イスラエル首相ネタニヤフの特別声明を公表した。 そして、
ネタニヤフ首相はユダヤ人4人の遺体をイスラエルにお持ち帰りし、1月13日に西エルサレムで国葬にした。

 2015年1月11日日曜日のパリ、17人の犠牲者を出したパリ・テロに抗議して、オランド大統領を中心にメルケル独首相、キャメロン英首相、レンツィ伊首相、ラホイ・スペイン首相、、約40カ国・地域の首脳・閣僚がらが腕を組み行進した。 パリでは約160万人、フランス全土で約370万人が参加したと報道された。
アレ!行進の最前列にイスラエル首相ネタニヤフとパレスチナ大統領のアッバスがいるではないか?、、
翌日の1月12日、イスラエル紙ハーレツは、「<パリで行われるテロ反対のパリ記念行進に、絶対、参加する>と、強引にねじ込んだところ、フランス大統領オランドは、<パリ記念行進にくるな、あんたが来るんだったらパレスチナ大統領アッバスも招待するぞ>と、メッセージを送り、フランス大統領府エリゼ宮とイスラエル首相官邸とで激しいやり取りがあった」と、チャンネル2のスクープをばらした。
 世界情勢の機をみる天才、イスラエル首相ネタニヤフに抜かりはない。 世界の大イベントに参加し、「世界の敵はイスラム教テロリスト」と訴え、ユダヤ人犠牲者の葬儀では「テロの犠牲者はいつもユダヤ人」と、見せつけた。 「世界はテロの犠牲者・ユダヤ人に味方して、テロと戦わなければならない」と、世界を扇動しているのだ。 何のために?

(4)テロ犯罪の裁判を拒否する国家テロリスト

 イスラエル首相ネタニヤフの目的は、「パリ・テロ反対大行進の晴れ舞台に出演することでも、4人の葬儀で涙を見せる事でもない」と、イスラエル紙ハーレツが伝えている。
ネタニヤフの目標はICC国際刑事裁判所潰しにある。 イスラエルは、<住民迫害の停止と、1967年国連決議に基ずくイスラエル・パレスチナ国境の遵守>を訴えたパレスチナの提案を、国連安保理ではアメリカの拒否権に助けられて否決させた。 パレスチナは予告
通り、ICC国際刑事裁判所に加盟を申請し、2014年8月のガザ大虐殺を始めとするイスラエルの様々な戦争犯罪を告訴しようとしている。
 2015年1月6日、国連事務総長パン・ギムーンが「パレスチナ国家は4月1日からICC国際刑事裁判所の正式メンバー国になる」と、発表した(イスラエル紙ハーレツ)。
 「正式国家承認をしていないパレスチナがICCに加盟することは、許さない」と、ネタニヤフは早速反発した。(イスラエル紙ハーレツ) 「ICCにイスラエル兵を裁くなんて、絶対に許せない」と、ヒステリーを起こした。 どこかで聞いたその台詞、、「ICCにアメリカ兵を裁くなんて、とんでもない」と、イラク戦争でのアメリカ軍による戦争犯罪を一蹴した、ブッシュ前米大統領の言葉そのものだ。 ちなみに、イスラエルもアメリカも、ICC国際刑事裁判所に加盟していない。

 なりふり構わず行動するネタニヤフには、国連も国際法も、国際世論も国際常識も人道主義も通用しない。 ネタニヤフの頭には、パレスチナの地にでっち上げたユダヤ人の国イスラエルを死守することしかない。 実に見上げた執念だ。 が、その執念が約11,000,000人の国を奪われたパレスチナ人を差別し、足蹴にしてきた。 空爆テロでパレスチナ人を大量虐殺するのも、ユダヤ教の教えなのだろうか? 差別され虐殺されたパレスチナ人達の抵抗行動はテロとは言わない。 正当な自衛本能行為で、止めることはできない。 本気でネタニヤフがパレスチナ人の抵抗をとめたいのなら、まず、国家テロの御裁きを潔く受けることだ。

 敬虔なユダヤ教徒ネタニヤフは、本気で「ユダヤ人のみが神に選ばれた民」と、信じているのでしょうか? ユダヤの神様が、差別主義だとは思いたくありません。

文:平田伊都子、ジャーナリスト 写真構成:川名生十、キャメラマン
参照グラフ:BBC英国TV




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