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2015年01月18日21:54

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結婚式場の下見 その11

1月18日(日) 〔第872回 日記開始から2966日目〕

今回はお客様向けの話です。
お題は『値引きについて』

今は結婚式場が多く、対して挙式される方は増えないので値引きをするホテルや式場が
多くなってきています。それ自体はその式場の営業方針なので構わないと思います。

式場やホテルは民間企業が大多数です。
民間企業なので利益を上回る値引きを行えば、いずれ倒産することは目に見えています。
だから幾ら値引きをしても利益を超えない範囲となります。

そこで考えてほしいのは、なぜ値引きが出来るか?です。

商品には原価があります。
お料理や衣裳は年間を通じて原価率は変わりません。
衣裳はメーカーからの仕入れですし、夏場や冬場だけ原価率の低い料理を出す式場は
無いと思います。夏冬限定の婚礼料理がないのが、その証拠です。

結婚式をひとつの商品としてみた場合、原価を調整できる一番の要素は人件費です。
結婚式場では多くのスタッフが働いています。その中には披露宴会場で配膳をする人達が
おります。そうした人達は人材派遣会社(昔でいう配膳会)から結婚式のある時だけ
ホテルや式場に来る人達が多いです。

結婚式は土日が多く、また春と秋は組数が多くなります。繁忙期に合わせて人を常時雇用して
いれば、給料やボーナス、社会保険料などが跳ね上がり人件費は膨大な金額となります。
このため結婚式がある時だけ、その規模(列席者の人数)に合わせて人材派遣会社に頼むのです。

スタッフには個々の技術に差があります。高い接客力(サービス技術)を持つ人は単価も高く
そうでない人は、それなりの単価となります。人と言うのは育てなければなりません。
最初から高い技術を持つ人はいないからです。育てるには時間と経費が必要となります。

話が少し飛びますが、太平洋戦争中の日本軍が負けた理由にパイロットの質の問題がありました。
日本の戦闘機は防弾が弱く、弾が当たればすぐに火を噴き撃ち落とされていました。
対してアメリカの戦闘機は防弾がしっかりとしていた為、多少弾が当たっても撃ち落とされずに
帰還できました。このためアメリカのパイロットは生き延びる、つまり経験を積んで
技術の上達に至りました。もちろん実践に出る前に相当な期間の練習が必要になります。
その期間には食費や光熱費、給料、燃料費など経費が掛かります。

日本のパイロットは防弾が薄く戦死してしまうため、経験値の高いパイロットが次第に
減っていきました。このため練習時間も短くすぐに戦場に駆り出され始めました。
養成期間が短いので費用は抑えられますが、技術が低いので戦闘力も低いままです。


話を結婚式場やホテルに戻しますと人材派遣会社でも高いサービス技術を持つ人達は
賃金が高いです。理由は、それまでに育成した経費が掛かっていることと、高くても
そうした人材を求める式場があるからです。
そして、そうした人達を多数雇えば結婚式の原価は高くなり、大幅な値引きをすることは
難しくなります。

値引きの幅が多いと言うことは、そういうことなのです。

披露宴会場で期待するサービスレベルはお客様によって違うと思います。
料理や衣裳、会場の装花といった目に見えるアイテムを変えずに値引きを行う
一番手っ取り早い方法は人件費を抑えることです。

料金表には料理や衣裳の価格は載っていますが、人件費の金額は明記してありません。

では、値引きをする式場の質が悪いかと言えば、そうだとは言い切れません。
次回はそんな値引きから見る式場の違いを話してみたいと思います。

(続)


本日は以上。

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