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2015年01月18日01:13

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プルートゥ

1/17金 19:00- シアターコクーン

原作:浦沢直樹/手塚治虫
演出・振付:シディ・ラルビ・シェルカウイ

キャスト
森山未來: アトム
永作博美: ウラン/ヘレナ
柄本明: 天満博士/ブラウ1589
吉見一豊: お茶の水博士/Dr.ルーズベルト
松重豊: アブラー博士/刑事(声)
寺脇康文: ゲジヒト

プルートゥ。手塚治虫の鉄腕アトムに出てくるキャラクタープルートゥの部分を浦沢直樹が膨らませた原作漫画を、さらに演劇にした作品です。私にとって芝居はnot my areaなのですが、シェルカウイが好きなのでどんなものになっているかに興味があり観に行ってきました。あ、それと私は浦沢漫画のファンでもあり、プルートゥはじめほとんどの作品を読破しているので、そういう興味もちょっとありました^^;

観終わって、素直な感想。なかなか面白かったです。プルートゥの壮大な原作をよくまあこれだけの短さにまとめたものだなぁと。浦沢さんの漫画は主要人物は絞られるものの脇にたくさん主要なキャラクターが出てきますが、それをこれだけの役者さん+ダンサーで構成したのは上手いなと思いました。脚本はさすがにシェルカウイじゃないので、台本を書かれた谷さんのお手柄なのかな。

役者にも芸達者な方々が揃っていてよかった。未來君は役者が本業なのに(ですよね?)ダンスもプロ並みに上手くてすごい。日本のこの世界では異色な方、今後もぜひ活躍していただきたいです。そしてその未来くんをしのぐ存在感だったのが永作さん。本当にこの人、いい役者ですねー。あの年齢でリアルにウランに見えるのも凄いけど、それとは全く違う大人の役ヘレナを一人二役やってしまえるのに驚愕。そしてヘレナの演技が素晴らしくて、ゲジヒトとのやりとりや彼が亡くなった後の彼女の演技に思わず涙してしまいました。

とはいえ、シェルカウイファンとしては見どころはやっぱり演出。この人のステージングは面白いなあ。漫画のコマ割りを上手くつかって舞台をいくつかに分割したように立体的に使ったり、プロジェクションマッピングで本物の漫画の絵づらをそのまま使ったり。布を使ってダンス的な要素と絡ませる最後の戦闘シーンなんかも、ううむなるほどという感じ。あと、ロボットの周りにダンサーを配置して動きを人形のように操っているように見せたり、ダンサー自身を舞台装置の一部として使ったりも、ダンス出身の人ならではのアイディア。彼が振付をしたスカラ座のオペラ「ラインの黄金」でも、それに似た表現があり、これがシェルカウイの味なのだなと面白く思いました。芝居なのでダンスのシーンは少なかったのですが、ところどころに郷愁を誘う音楽と粘っこいダンスの組み合わせというシェルカウイ節があって、嬉しかったです。

ただ、、、同じ題材でも、台詞のないダンスにしたらもっと抽象度が上がってもっと面白くなったんじゃなかろうか、などと思ってしまいました。まあこのあたりは個人の好みですしもともと芝居を制作するというのが目的だから仕方ないんですけどね。TezuKaが面白かっただけに、勿体ないなあうーん、とか思ってしまいました。

そうだ、もう一点面白かった点。プルートゥとブラウ1589などはパペットとして登場するのですが、特にブラウ1589は数人が動きを担当していて文楽みたいと思いました(といって文楽を観たことはないのですが)。シェルカウイは日本文化に詳しそうなので本当にそこにヒントを得てるのかもしれないなー。
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