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2015年01月17日01:11

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表現の自由と礼節

桑田佳祐、謝罪で波紋広がる……“表現の自由”めぐり批判も
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=17&from=diary&id=3229478

あれは、僕の祖父が亡くなる1年くらい前だったか。

確か秋の叙勲だったと思うが、勲章を陛下からいただいた。

祖父は、警察官になってから定年退職するまで、ずっと駐在所勤務を続けてきて、所謂エリートではなかったが、地域集落の住民の安全を現場で守ってきた人だった。
その勤務の功績が認められ、当時の同僚や後輩の方々に推薦していただいたこともあって、勲章を授与されることとなったのだ。

その報せを聞いて、祖父は大変喜んだと同時に、勲章は辞退すると言い出した。
というのも、祖父はこの頃、脳梗塞が原因の認知症が進んできていて、このような姿は恥ずかしくて、陛下にお見せすることはできないし、勲章を戴くのも申し訳ないということだったらしい。

結局、当時の同僚の方の説得もあって、勲章の授与式は欠席することになったが、後日市役所のほうで、改めて市長から勲章を戴くことにした。
当時祖父は、認知症の症状がかなり見られたのだが、勲章を戴くあの瞬間だけは、そんな認知症を全く感じさせない確りした受け答えをしていたことを記憶している。

長州山口県出身で、乃木希典を敬慕していた祖父にとっては、天皇陛下という存在は特別だったのだろう。
その陛下から、勲章を戴くということは、祖父にとっては、大変な誇りだったんだろうと思う。
同時に、どれだけ畏れ多いことかということも、祖父は感じていたのだろう。

祖父は亡くなるまでの間、その勲章を額に入れて、きちんと飾っていた。
今も実家の応接間には、祖父の勲章が同じ場所に飾ってある。

桑田氏のパフォーマンスについて、ここで一々批判するつもりはない。

だが、今回の紫綬褒章の扱いについての件だけは、個人的には不快感を禁じ得ない。

これは、表現の自由なんていうこと以前に、一般的な大人の人間がする行為として、大変失礼な事だと思うからだ。

だってそうだろう。
今回の扱いが、たとえ紫綬褒章でなかったとしても、人から戴いた物に対して、このような扱いをするのは、戴いた相手が誰であれ、あまりに礼儀に失するのではないだろうか。

おそらく表現の自由云々なんて関係なく、桑田氏にとって、褒章とはその程度のものだったんだろう。
加えて、貰ったものに対して、あとはどう扱おうがコッチの勝手だとやかく言われるこたぁない、くらい思っていらっしゃるのだろう。

だとしたら、それは本当に不敬な事だと思う。
そして、それは誰に対しても失礼な事だと、僕は思う。

これは、人としての礼節の問題である。

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