ハンブルク州立歌劇場
1/11日 バーレッスン10:30〜、本編11:00〜13:00
初めてハンブルクバレエのワークショップを観てきました。備忘録として。
ハンブルクバレエのワークショップ、2014〜2015シーズンは5回開催の予定、今回が2回目です。人気があるらしくチケットは発売と同時にほぼ完売だとか。今回は日程の中にたまたまワークショップがあるのに気付き、ダメ元でboxofficeにリターンを問い合わせたところ、幸運にもチケットを分けていただけました（もちろん有料ですが）。
ワークショップは毎回テーマが違っていて、客は当日にならないと内容が分からないようです。通常は劇場でジョン・ノイマイヤーがバレエについての講義をするという形式らしく、実際に参加者が体を動かして参加するものではありません。
今回のテーマは、最近ハンブルクで初演したナポリにちなんだものでした。
“ナポリ”、ブルノンヴィルとロマンチックスタイル
〜ジョン・ノイマイヤーが19世紀のトレーニングとテクニックの要素と、それらのロマンチックバレエの美学に対する影響を語る
◆演技があった作品…いずれも抜粋
・コンセルヴァトワール(ブルノンヴィル)
・ラ・シルフィード(ブルノンヴィル)
・ジゼル(ノイマイヤー)
・くるみ割り人形(ノイマイヤー)
・松葉杖の悪魔（コラーリ)
・From Siberia to Moscow(ブルノンヴィル)
・ナポリ(ブルノンヴィル)
◆ノイマイヤーの講義の内容(かなりざっくり)
・今回のチャリティーワークショップの寄付団体の紹介(ダンサーのセカンドキャリア支援団体)
・ブルノンヴィルやデンマークロイヤルバレエ団と自分の関係
・ブルノンヴィルスタイルについて
・他のロマンチックバレエの紹介(ジゼル、くるみ、松葉杖の悪魔)
ノイマイヤー、身振り手振りまじえて淀みなくよくしゃべります。ドイツ語は全く分からないのが本当に残念ですが、満員の観客はみな真剣に話に聞き入り、時には笑いも出たりしていました。現地在住の方と終わった後お話をしたのですが、ジョンは話が上手いとのこと。リアルタイムでは話の概要しか分からなかった私ですが、大学の面白い講義を聞いているような感覚だなぁとは思いました。
しかし、ノイマイヤーという人は単に振付家というだけでなく、事業家としても優れたセンスと才能を持っているのだなぁと、最近ますます思うようになりました。芸術的に突出した人ってそれ以外が弱い場合も多いけど、彼の場合は頭もいいし、きっと社交も上手なんだろうと思います。また、マーケティングのセンスもいい。それらがハンブルクバレエを世界に名だたるバレエ団に育て上げた。・・・ノイマイヤーはまだまだお元気そうでしたが、かなりのお年ですし、彼が引退する日も遠くない。そうなったとき、精神的・事業的な柱をなくしたこのバレエ団がどうなるのか、ファンとしては不安になります。一人の人がジョンの代わりをするのは無理で、おそらく何人かが彼の複数の側面を分担して受け持つことになるのでしょうが。
さて、ノイマイヤーの後継ぎの路線に乗っていると思われるロイド・リギンス、彼も初めの方に登場してコンセルヴァトワールの解説をしておりました。ロイドはドイツ語がジョンほど得意ではないらしく、途中でジョンが何度も彼のつい出た英語をドイツ語に直したり、通訳し直したり、ほほえましかった♪ でも将来芸監になるならドイツ語うまくないといけないよなー。ロイド、ただでさえダンサーと先生とスタッフとの掛け持ちなのに大変だよねえと思いました。
このワークショップ、ジョンによるバレエの解説も楽しいのですが、今回は模範演技を若手が受け持っていて、そういった若手ダンサーのお披露目の場としての意味もありそうでした。
ジョン・ノイマイヤーという方の才能を改めて実感するいい機会でしたし、普段見られないような作品のご披露もあって、とても楽しかったです！チケット入手困難ではありますが、機会があったらまた見てみたいな。
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