これから、雪靴を買いに出かけます。
東京で売っている雪靴は、機能的にはあてにならないことは知っているのですが。
山に登るわけではないので、何とか間に合うでしょう。
実は鶴岡の博物館で、親父の母方の祖父の遺墨展があって。
この方は、幕末から明治にかけて生きた方で、考古学にも没頭した方ですが。
日本の油絵の先駆者・高橋由一に絵を習ってもいて、彼の絵の一部は、『土偶及土器模写図』(明治22年・慶応義塾図書館蔵)が残っています。
で、2年前にそれを見たとき、その優しいながら豪快な筆遣いや息遣いが、親父のそれとそっくりで、息を呑んだおぼえがあって。
その精神と技法が、娘を通じてその孫(ワタシの親父)に伝わっていたことを示す絵画資料を、鶴岡の博物館に寄贈することにしたんです。
今年は、NHKで、ネトウヨ的幕末ブームが起きるようで。
幕末から明治にかけての、賊軍側からの「埋もれた文化史」にも光をあてたいと考えた次第です。
国は「地方創生」とかいってますが、郷土教育を一番やっていないのが、学校で。
こうしたローカルな文化史ネタの発掘には、地方新聞も含めた地方マスゴミが、それなりに動いてくれてますが、もっともっと掘り起こしをすべきでしょうね。
この曾祖父は、晩年は東京の娘の家(親父の実家)のすぐそばに住み、教え子に呼ばれて出かけた岐阜で客死するのですが。
旅先の宿で彼が死んだ時刻に、東京の娘のところにちゃんと姿を見せて、孫たちや娘に周囲を探させるという、例によって、我が家では定番の幽霊話まで残っていて。
伝説になっている教え子による50年続いたという法要とか、幕末から明治にかけての日本の庶民や田舎知識人が、どんな心情模様で日々を生きていたのかのエピソードも、いろいろ残っているヒトです。
ともかく、顔も知らない曾祖父の遺墨を見ながら、100年前の世界にタイムスリップしに、出かけてきます。
親父の絵はこれで、山は月山です。
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