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2014年12月28日18:58
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【文字起こし】2014.12.27 ラジオ・フォーラム第103回 小出裕章ジャーナル【福島原発の今�ぁ塀�） 燃料デブリ回収の困難】
記事には、『対象住民の「除染が不十分」と解除に反対する声は根強く』などとありますが、根強いなんてものじゃありません。12月21日に行われた最後の説明会では、怒号が飛び交うほどの反対の嵐の中、政府は一方的に解除を決めたのです。
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南相馬市の避難勧奨地点解除を巡って混乱した説明会の冒頭挨拶（その後はカメラ排除）
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しかも、政府・電力会社の説明会というのはいつもそうですが、カメラを排除して非公開にし、中でどういう議論が行われたのか分からないようにする。実に卑怯です
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ラジオ・フォーラム第103回
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小出裕章(京大助教)非公式まとめ
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京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ(小出氏が所属)
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小出裕章氏講演会情報
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【内容文字起こし】
パーソナリティ：西谷文和(ジャーナリスト)
西谷：小出さん、よろしくお願いいたします。
小出：はい、よろしくお願いします。
西谷：12月と、1月の小出裕章ジャーナルはですね、特集シリーズでお送りしております。1月は、「原発はなぜいけないのか」ですね。小出さんあの、福島第一原発の廃炉作業は、計画が既に遅れてるのですけれどもね、
小出：はい。
西谷：まあこれ素人から見てですよ、チェルノブイリとかスリーマイルとかは、1基だけ事故を起こしたんですが、
小出：そうです。
西谷：4基同時にですねこれ、廃炉をしないといけないということで、これ大変作業は無理があるんじゃないでしょうか？
小出：だろうと思います。えー人類・・・が、初めて遭遇している大変な事故なわけで、どうやったら本当に収束できるかということは、経験的には分かりませんし、
西谷：はい。
小出：とにかく知恵を絞って一歩ずつやるしかない、ということです。
西谷：あの核心はですね、例えばですよ、燃料デブリというのを取り出す、ということができるのかどうかということなんですけど、
小出：はい。
西谷：これからあの、事態を見守らないといけませんが、これ燃料デブリというのはこれ、取り出せるんでしょうか？
小出：私は出せないと思います。
西谷：出せない？
小出：はい。国や東京電力は、もともとその原子力発電所は事故など起こさないと言って、
西谷：安全神話ですね、はい。
小出：まあ、大変楽観的な見通しのもとに、原子力発電というものを進めてきてしまいました。福島の事故が起きた時も、事故をとにかくあの、軽く考えたい軽く考えたいということで、炉心は溶けてないとかですね、
西谷：はい、そうでしたねえ。
小出：ん・・・国際原子力事象尺度というのに照らせばレベル4だとか言っていた。初めのうちはですね。でも結局レベル7という、一番破局的な事故だということになってしまったわけですし、とにかく楽観的楽観的に彼らは、対処しようとしてきたのです。で・・・燃料デブリの取り出しということに関しても、国や東京電力は、そのデブリが、え・・・圧力容器の底を抜いて、格納容器の床の上に、饅頭のように積もってるんだという、そういう想定をしているのです。
西谷：はい。
小出：もしそうであれば、格納容器の底を全部削って穴を開けてですね、上から見ることができるだろうし、上に取り出すことができるだろうというのが、彼らが描いている、いわゆるロードマップなのですね。でも、もしそうだとしても、上から取り出すためには、30メートルもの、水の下にあるものを掴み出さなければいけないわけで、
西谷：30メートルの水の下ですね？
小出：はい。そんなことはまずそれもできないでしょうし、え・・・私自身は、その溶け落ちたものがですね、真下に饅頭のように溜まってるなんていうことは決して有り得ないと思っていまして、たぶんもうそこら中に飛び散ってしまっていますので、それを掴み出すことは基本的にはできない、と思っています。
西谷：そうですね。あの、これ穿った見方かもしれませんが、これ電力会社って総括原価方式で、利潤が決まるじゃないですか。
小出：そうです。
西谷：つまり、原発のコストに3％の利潤を乗せるということですから、そういう意味ではですね、廃炉にしたらコストはゼロになりますので、「0×3％＝0」じゃないですか。
小出：はい。
西谷：つまり、彼らはずーっと長く使いたいから、あえて廃炉のことを考えないでいたんじゃないでしょうか？それはどうなんでしょうか？
小出：はい。要するにあの、廃炉にしてしまうと、これまで資産だったものが、資産でなくなってしまうわけですから、
西谷：そうですよね。
小出：彼らとしては何としてもそれを避けたくて、とにかく運転したい、再稼動もしたいということになっているのです。
西谷：ということはですよ、本来なら廃炉をもっと早い段階から計画的に考えておかないといけないけれども、それを前面に出すと、自分達の資産がゼロになっちゃうので、先送り先送りにしていたという側面もあるんでしょうか？
小出：私はそうだろうと思いますし、電力会社に聞いていただければいいだろうと思います。
西谷：そうですねこれ、先生に聞かずに電力会社に直接聞かないとダメですね。
小出：はい（笑）。
西谷：そういう疑いが濃厚であるということですが、あの・・・最終処分場についてなんですけどもね、
小出：はい。
西谷：これが決まっていないのに、例えば燃料棒を取り出すとですね、これ「どこに置くんだ？」ということになるんですが、この点についてはどう・・・考えればいいんでしょうか？
小出：えーと燃料棒というのは福島第一原子力発電所のですか？
西谷：そうです。
小出：それはあの今あの・・・例えば使用済み燃料プール、1号機から、、1号機2号機3号機の中に、まだ燃料棒が眠っているわけで、それだけは、放っておくことはできませんので、とにかく少しでも危険の少ない場所に移さなければいけませんので、
西谷：今4号機は移しましたよね？
小出：4号機はようやくにして移し終えて、私は本当にホッとしているのですけれども、1号機2号機3号機ももちろん移さなければいけません。
西谷：そうですよね。
小出：移したところで、でもじゃあその後どうするのかということはもちろん全く見えない、のですけれども、今のような危険な状態においておくことはもちろんできませんので、やらざるを得ないと思います。そして、溶け落ちている燃料デブリについてもですね、もし、取り出せるならば取り出すべきだと、私は思いますけれども、え・・・取り出したところでどうしたらいいか分からないのですよ？分からないけれども、でも、取り出せるなら取り出した方がいいだろうと思います。たぶん、でもそれができないというのが、私の見方です。
西谷：あの最後にですね、科学者・・・の専門家の集団がですね、もうあの、100年単位のスパンで、どうするかを考えたいので、見える所にそういうものを置いておいて、で・・・乾式ですね、その、いわゆる湿式というプールじゃなくて、キャスクに入れて、空冷して、その・・・埋めるんじゃなくてね、そういうふうにしてあの・・・人類の英知に後でまたバトンタッチするという、そういうことが出たんですけど、
小出：はい。
西谷：やっぱりこういう形で・・・取り出していくべきなんですかね？
小出：えーとまあ、国の方は、取り出したものはどこかに埋めて、埋め捨てにしまうというのが、これまでの国の方針だし、もうそれが法律で既に定められているわけですけれども、日本国内で埋め捨てにして10万年100万年も安全だという場所はありませんので、
西谷：地震多いですからね。
小出：はい。西谷さんはもちろんご存知の通り、モンゴルに埋めてしまおうというような話まで出てきていたのですね。でも、そんなことはやっぱりやってはいけないことなわけですから、日本学術会議という、いわゆるまあ学者の国会と言われてきた組織が、これまでの日本のやり方はダメだから、一から考え直せと、え・・・乾式貯蔵をして、当面はあの、監視するしかないだろうというような、提言を出すようになっているわけです。
西谷：はい。
小出：私はもうずーっと昔からそれしかないと言ってきましたし、たぶんそうなるだろうと思います。
西谷：分かりました。小出先生、時間がやってまいりました。この廃炉への道のりは、極めて厳しくて長いということがよく分かりました。
小出：はい。
西谷：今日はどうもありがとうございました。
小出：はい。ありがとうございました。
【文字起こし終了】
■南相馬「ホットスポット」を解除 最後の特定避難勧奨地点
(ハザードラボ - 12月28日 12:00)
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南相馬市の避難勧奨地点解除を巡って混乱した説明会の冒頭挨拶（その後はカメラ排除）
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しかも、政府・電力会社の説明会というのはいつもそうですが、カメラを排除して非公開にし、中でどういう議論が行われたのか分からないようにする。実に卑怯です
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ラジオ・フォーラム第103回
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小出裕章(京大助教)非公式まとめ
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京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ(小出氏が所属)
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小出裕章氏講演会情報
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【内容文字起こし】
パーソナリティ：西谷文和(ジャーナリスト)
西谷：小出さん、よろしくお願いいたします。
小出：はい、よろしくお願いします。
西谷：12月と、1月の小出裕章ジャーナルはですね、特集シリーズでお送りしております。1月は、「原発はなぜいけないのか」ですね。小出さんあの、福島第一原発の廃炉作業は、計画が既に遅れてるのですけれどもね、
小出：はい。
西谷：まあこれ素人から見てですよ、チェルノブイリとかスリーマイルとかは、1基だけ事故を起こしたんですが、
小出：そうです。
西谷：4基同時にですねこれ、廃炉をしないといけないということで、これ大変作業は無理があるんじゃないでしょうか？
小出：だろうと思います。えー人類・・・が、初めて遭遇している大変な事故なわけで、どうやったら本当に収束できるかということは、経験的には分かりませんし、
西谷：はい。
小出：とにかく知恵を絞って一歩ずつやるしかない、ということです。
西谷：あの核心はですね、例えばですよ、燃料デブリというのを取り出す、ということができるのかどうかということなんですけど、
小出：はい。
西谷：これからあの、事態を見守らないといけませんが、これ燃料デブリというのはこれ、取り出せるんでしょうか？
小出：私は出せないと思います。
西谷：出せない？
小出：はい。国や東京電力は、もともとその原子力発電所は事故など起こさないと言って、
西谷：安全神話ですね、はい。
小出：まあ、大変楽観的な見通しのもとに、原子力発電というものを進めてきてしまいました。福島の事故が起きた時も、事故をとにかくあの、軽く考えたい軽く考えたいということで、炉心は溶けてないとかですね、
西谷：はい、そうでしたねえ。
小出：ん・・・国際原子力事象尺度というのに照らせばレベル4だとか言っていた。初めのうちはですね。でも結局レベル7という、一番破局的な事故だということになってしまったわけですし、とにかく楽観的楽観的に彼らは、対処しようとしてきたのです。で・・・燃料デブリの取り出しということに関しても、国や東京電力は、そのデブリが、え・・・圧力容器の底を抜いて、格納容器の床の上に、饅頭のように積もってるんだという、そういう想定をしているのです。
西谷：はい。
小出：もしそうであれば、格納容器の底を全部削って穴を開けてですね、上から見ることができるだろうし、上に取り出すことができるだろうというのが、彼らが描いている、いわゆるロードマップなのですね。でも、もしそうだとしても、上から取り出すためには、30メートルもの、水の下にあるものを掴み出さなければいけないわけで、
西谷：30メートルの水の下ですね？
小出：はい。そんなことはまずそれもできないでしょうし、え・・・私自身は、その溶け落ちたものがですね、真下に饅頭のように溜まってるなんていうことは決して有り得ないと思っていまして、たぶんもうそこら中に飛び散ってしまっていますので、それを掴み出すことは基本的にはできない、と思っています。
西谷：そうですね。あの、これ穿った見方かもしれませんが、これ電力会社って総括原価方式で、利潤が決まるじゃないですか。
小出：そうです。
西谷：つまり、原発のコストに3％の利潤を乗せるということですから、そういう意味ではですね、廃炉にしたらコストはゼロになりますので、「0×3％＝0」じゃないですか。
小出：はい。
西谷：つまり、彼らはずーっと長く使いたいから、あえて廃炉のことを考えないでいたんじゃないでしょうか？それはどうなんでしょうか？
小出：はい。要するにあの、廃炉にしてしまうと、これまで資産だったものが、資産でなくなってしまうわけですから、
西谷：そうですよね。
小出：彼らとしては何としてもそれを避けたくて、とにかく運転したい、再稼動もしたいということになっているのです。
西谷：ということはですよ、本来なら廃炉をもっと早い段階から計画的に考えておかないといけないけれども、それを前面に出すと、自分達の資産がゼロになっちゃうので、先送り先送りにしていたという側面もあるんでしょうか？
小出：私はそうだろうと思いますし、電力会社に聞いていただければいいだろうと思います。
西谷：そうですねこれ、先生に聞かずに電力会社に直接聞かないとダメですね。
小出：はい（笑）。
西谷：そういう疑いが濃厚であるということですが、あの・・・最終処分場についてなんですけどもね、
小出：はい。
西谷：これが決まっていないのに、例えば燃料棒を取り出すとですね、これ「どこに置くんだ？」ということになるんですが、この点についてはどう・・・考えればいいんでしょうか？
小出：えーと燃料棒というのは福島第一原子力発電所のですか？
西谷：そうです。
小出：それはあの今あの・・・例えば使用済み燃料プール、1号機から、、1号機2号機3号機の中に、まだ燃料棒が眠っているわけで、それだけは、放っておくことはできませんので、とにかく少しでも危険の少ない場所に移さなければいけませんので、
西谷：今4号機は移しましたよね？
小出：4号機はようやくにして移し終えて、私は本当にホッとしているのですけれども、1号機2号機3号機ももちろん移さなければいけません。
西谷：そうですよね。
小出：移したところで、でもじゃあその後どうするのかということはもちろん全く見えない、のですけれども、今のような危険な状態においておくことはもちろんできませんので、やらざるを得ないと思います。そして、溶け落ちている燃料デブリについてもですね、もし、取り出せるならば取り出すべきだと、私は思いますけれども、え・・・取り出したところでどうしたらいいか分からないのですよ？分からないけれども、でも、取り出せるなら取り出した方がいいだろうと思います。たぶん、でもそれができないというのが、私の見方です。
西谷：あの最後にですね、科学者・・・の専門家の集団がですね、もうあの、100年単位のスパンで、どうするかを考えたいので、見える所にそういうものを置いておいて、で・・・乾式ですね、その、いわゆる湿式というプールじゃなくて、キャスクに入れて、空冷して、その・・・埋めるんじゃなくてね、そういうふうにしてあの・・・人類の英知に後でまたバトンタッチするという、そういうことが出たんですけど、
小出：はい。
西谷：やっぱりこういう形で・・・取り出していくべきなんですかね？
小出：えーとまあ、国の方は、取り出したものはどこかに埋めて、埋め捨てにしまうというのが、これまでの国の方針だし、もうそれが法律で既に定められているわけですけれども、日本国内で埋め捨てにして10万年100万年も安全だという場所はありませんので、
西谷：地震多いですからね。
小出：はい。西谷さんはもちろんご存知の通り、モンゴルに埋めてしまおうというような話まで出てきていたのですね。でも、そんなことはやっぱりやってはいけないことなわけですから、日本学術会議という、いわゆるまあ学者の国会と言われてきた組織が、これまでの日本のやり方はダメだから、一から考え直せと、え・・・乾式貯蔵をして、当面はあの、監視するしかないだろうというような、提言を出すようになっているわけです。
西谷：はい。
小出：私はもうずーっと昔からそれしかないと言ってきましたし、たぶんそうなるだろうと思います。
西谷：分かりました。小出先生、時間がやってまいりました。この廃炉への道のりは、極めて厳しくて長いということがよく分かりました。
小出：はい。
西谷：今日はどうもありがとうございました。
小出：はい。ありがとうございました。
【文字起こし終了】
■南相馬「ホットスポット」を解除 最後の特定避難勧奨地点
(ハザードラボ - 12月28日 12:00)
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