mixiユーザー(id:3472200)

2014年12月28日04:13

688 view

昨夜はBSで 映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』を楽しんだ。

記事 fujipon
2012年03月29日 08:00
映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』感想













f:id:fujipon:20120329073009j:image


D



あらすじ: 1979年、父の教えである質素倹約を掲げる保守党のマーガレット・サッチャー(メリル・ストリープ)が女性初のイギリス首相となる。“鉄の女”の異名を取るサッチャーは、財政赤字を解決し、フォークランド紛争に勝利し、国民から絶大なる支持を得ていた。しかし、彼女には誰にも見せていない孤独な別の顔があった。

参考リンク:映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』公式サイト


2012年10本目の劇場鑑賞作品。

平日のレイトショーで鑑賞。

観客は20人くらいいて、メリル・ストリープさんの「アカデミー賞主演女優賞効果」も、それなりにあるみたいです。


この映画、邦題は『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』なのですが、原題は『THE IRON LADY』(鉄の女)だけなんですね。

僕は、マーガレット・サッチャーの人生は、いろいろと苦難はあったし、「孤独」ではあったかもしれないけれど、「不幸」ではないと感じたので、タイトルの「涙」という言葉は必要ないと思いました。


マーガレット・サッチャーは、商家に生まれ、他の女の子たちが「映画でも見にいきましょうよ」とにこやかに街を歩いているのを横目に、家の手伝いをせざるをえず、地方の政治家であった父親の影響を受けていきます。

24歳のときに独身で選挙に出馬した彼女は落選するのですが、「結婚して選挙に出れば当選できるよ」と夫となるデニスにプロポーズされ、「ミセス・サッチャー」となるのです。

   【略】


「金持ちも貧乏人もみんな一律の税金を払う」という制度への反対の声に対して、サッチャーさんは、こう言い放つのです。

「私は上流階級出身ではなく、貧しい商家の娘から、自分の努力でここまでやってきました。みんな『やればできる』はずです。できるのにやらないほうが悪い」

……うわっ、「ワタミ化」してる……


時系列でいえば、ワタミの偉い人のほうが「サッチャー化」したと言うべきなのでしょうけど。

長年の仲間にも冷たくあたるようになり、周囲から孤立したサッチャー首相は、結局、辞任への道をたどることになるのですが、「女性」という、当時の「政治的マイノリティ」であり、「庶民」であったサッチャーさんでも、長く権力の座にとどまるうちに、自分のルーツを見失ってしまったのだなあ、と感慨深くもありました。


この映画を観ながら、僕は、ふたりの日本の政治家のことを考えていました。

ひとりは、小泉純一郎元首相。政策が似ているのと、「強い言葉」を武器に、長年トップに君臨しつづけたことが共通点。

そして、もうひとりは橋下大阪市長。

言葉の強さや「いまの有権者に媚を売るのではなく、何世代もあとの人たちに感謝されるような改革」を志向しているところ。

サッチャー首相は、11年半も首相をつとめていながら、最後は、その独善性から周囲に見捨てられてしまいます。

彼女の政策に対しては「イギリスの経済を回復させた」「フォークランド紛争で最後まで折れず、領土を守った」という評価と、「なんでも民間に任せることによって、公的なサービスは劣化し、国内での貧富の差が拡大した」「国際協調性に欠ける」という両面の評価があるようです。

ただ、あれほど人気と権力を握っていたサッチャー首相の「玉座」も、けっこう簡単に失われてしまうのが政治の世界なのだな、とも感じたんですよね。

逆にいえば、「保守党の政治家たちやイギリス国民は、マーガレット・サッチャーにさんざん汚れ仕事をさせたあげく、要らなくなったら見捨ててしまった」とも言えるのではないでしょうか。

橋下さんは、ヒトラーになる可能性だってゼロではないでしょう。

その一方で、「サッチャー」として改革をさせ、利用して危なくなったら捨てる、という選択肢だって、国民にはあるのかもしれません。


僕はサッチャーさんの「孤独」を感じましたし、家族も大変だっただろうな、とは思うんですよ。

だからといって、「やりたい大きな仕事を任され、それなりの成果をあげた」というサッチャーさんの人生は「不幸」なんかじゃ、全然ありません。

「政治家」というのは、こういう業の深い仕事なんだな、という感慨が強く残る映画でした。


万人におすすめするのは難しいかもしれませんが、サッチャーさんのこと、世界の現代史、そして、メリル・ストリープさんに興味がある人は、ぜひ観ていただければと思います。

それにしても、サッチャーさんはまだ存命なのに、よくこんな映画、つくらせてくれたものですね……

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ーー
http://blogos.com/article/35174/
0 1

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2014年12月>
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031