mixiユーザー(id:486726)

2014年12月25日16:23

547 view

第1回通訳案内士制度のあり方に関する検討会

第1回通訳案内士制度のあり方に関する検討会

2014年12月24日に、観光庁にて「第1回通訳案内士制度のあり方に関する検討会」が開催されました。

●本検討会の目的
本検討会は、JTBグループをはじめとする大手旅行会社が、金儲けのために、通訳案内士制度(肝は、業務独占)を崩壊、廃止させることを目的に観光庁に開催させたと考えられる。

●本検討会開催の準備
JTBグループ(特に、JTBグルーバルマーケティング&トラベル)、JTB総合研究所、観光庁が、委員の選定、資料作成、「出来レース」の進め方などについて、事前に綿密に打合せをし、開催の準備をしたものと考えられます。

●JTBグルーバルマーケティング&トラベル吉村久夫部長の役割
この検討会の陰の主催者であるJTBグループを代表して、JTBグルーバルマーケティング&トラベル グローバルマーケティング部吉村久夫部長は、委員として、冒頭のヤラセ質問をすることとか、本検討会の「出来レース」の進行具合を監視することをその役割としていると考えられます。

●結論ありきの検討会
事前に、結論ありき(=通訳案内士法から、通訳案内士の業務独占を剥奪すること)ではありますが、観光庁としては、「アリバイ作り」のために、詳細な資料をJTB総合研究に作成させて、開催しているというわけです。全部で7回開催する予定になっているようですが、「ヤラセ」と「出来レース」の推移をしっかり見ていただきたいと思います。

●第1回検討会の議事進行
(1)冒頭に座長の選任があった。(シャンシャン)
(2)観光庁観光資源課・長崎敏志課長
JTB吉村久夫部長の「この検討会はゼロベースからやるのですか」とのヤラセ質問に対して:
長崎敏志課長からの回答(後述)があって、その後、事務局の準備した資料(たたき台)の概要を説明した。4部構成の資料の概要は以下の通り。
(資料は、すべて、JTB総合研究所が作成したものと考えられる)
(3)参加した委員全員が3分程度の発言をした。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
観光庁観光資源課・長崎敏志課長の概要説明
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●4部構成の資料(想定される論点・課題)
(1)資格制度の法的位置づけ=業務独占、資格区分、国と地方の役割
(2)資格付与のあり方=試験基準、免除科目、在外試験
(3)資格付与後の品質確保方策=一定期間の毎の研修制度の導入の可否
(4)資格取得者の利用促進方策=旅行者への情報提供、旅行業者等の取り組み
上記資料は、別途、ご紹介させていただきます。

●「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2014」(2014年6月17日)の中でうたわれた通訳案内士の見直しの基本
「総合特区制度等に基づく特例ガイドを増加させるとともに、旅行者が通訳ガイドにスムーズにアクセスできるようにするため通訳案内士・特例ガイド・ボランティアガイド等を養成し、民間業者との連携によりその積極活用・ネットワーク化の仕組みを構築する。構造改革特区制度を活用し、自治体が実施する研修を終了した場合に、観光タクシー等による有償での通訳案内を可能にする通訳案内士案内士法の特例措置を検討する。

●通訳案内士の現状
通訳案内士登録者数2014年現在1万7736人。都市部75%、地方部25%。英語が約67%。
現在の通訳案内士は3種類。
(1)通訳案内士法に基づく通訳案内士(1万7736人)
(2)地域限定通訳案内士(6道県計379人)
(3)特例ガイド(福島、沖縄、奄美群島、小笠原諸島)計395人

通訳案内士の資格取得者は資格をいかしていない。地域限定案内士は資格が活用されている。
(1)通訳案内士の75・7%が未就業、専業は6%
(2)地域限定案内士は59・0%が未就業
(3)特区ガイドの80・0%が未就業

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
各委員の発言要旨
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●座長・佐藤博康・松本大学教授
通訳案内士制度ができてから60年経ち、制度疲労を起こしている。立て直しが必要か、それともリフォーム程度で済むのかを話し合いたいが、私は、改革しなければ、時代に適合していかないだろうという気がしている。今日は、事務局が用意した、たたき台を前提に参加者全員が3分程度発言する場にしたい。

●観光庁観光資源課・長崎敏志課長
 (JTB吉村久夫部長の「この検討会はゼロベースからやるのですか」とのヤラセ質問に対して)
初めからゼロベースからやる、ガラガラポン(下記の説明をご参照)でやるというわけではないが、それを排除しない議論をしてほしい。われわれは、ふたつに分けて考えている。ひとつは法律改正が必要なもの(業務独占廃止のことと考えられる)、これは中長期的なプラン。もうひとつは運用でできるもの。
(運用でできるものとして)通訳案内士の合格率を上げているが、これは政策としてやっている。なぜなら数が足りないから。来年以降、筆記試験免除の枠を増やし、志願者の裾野を広げる。特区の特例通訳案内士は増やしていく。構造特区法改正法案で自治体の要望に応じて限定的な通訳士の認定制度をできるようにしたかったが、衆院解散で廃案になった。頼みの綱は登録しているボランティア5万8000人だ。この人たちと通訳案内士を活用してマーケットを広げる必要がある。

※ガラガラポン:複雑になってしまった問題を、一度ゼロにして考え直してみることの意味。

●和歌山県商工観光労働部観光局観光交流課 
櫻井紀彦・課長
和歌山県「高野・熊野」文化・地域振興総合特区(平成25年4月運用開始)の利点を生かして特区ガイド(81人)を活用している。通訳案内士試験の問題には和歌山県に関する問題がほとんど出ない。地元の深い知識を伝える通訳士ということで平成25、26年と2年間やってきた。感じることはスキルアップの必要性だ。知識、経験の蓄積が必要ということを痛感している。通訳案内士との連携ができないか。国が支援をしてくれるよう期待している。

●京都市産業観光局観光MICE推進室
三重野真代・振興課長
京都市は今、欧米の富裕層を対象にキャンペーンを実施している。訪日したジャーナリストで京都観光を希望する人たちのツアーにも力を入れている。京都市には約700人の登録通訳案内士がいる。これらのツアーに通訳案内士を活用しているが、足りない。仕事を依頼してもことわってくる通訳案内士もいる。年間300万人の外国人旅行者を誘致することが目標。そのために京都の知識に詳しい通訳を育成したい。また、京都限定の通訳案内士をつくり、専門職ガイドを育成したい。そのほか通訳の人材バンクをつくりたい。たとえば、京都のお祭りを見たいというだけの外国人観光客に対して必要な通訳案内士を確保できない。外国人観光客を対象に新しいビジネスをする人がいる。たとえば料理教室とか。そういう時に対応できる通訳案内士がいない。

●東京都産業労働局観光部
鈴木のり子振興課長
外国人観顧客の4分の3が東京経由。観光ボランティアの育成、中高生の活用を考えている。

●(株)トラベリエンス
橋本直明代表取締役
通訳案内士とFIT(Foreign Independent Tour)=海外個人手配旅行者=をつなぐプラットフォームをやっている。当初は、英語の通訳案内士と東京の案内に限定していた。今は、対象を全言語に広げ、案内士に商品を作ってもらいFITにマッチングさせることをやっている。

●(株)はとバス国際事業部開発課
森嶋敏夫・次長
外国人向けの「はとバス」では通訳案内士にバスガイドをやってもらっている。通訳案内士は、なくてはならない存在だ。インバウンドが2000万人来ることになるので倍増したいと考えている。
通訳案内士の4分の3が通訳案内士として働いていないということを今日の資料(たたき台)で知って驚いた。増やすことが本当に必要なのか。食べていけないといこともある。だめなのは、人との交流ができない通訳案内士。
自分のペースで楽しむ個人旅行者(FIT)が増えたことに、「はとバス」の国際事業部としては、危機感を感じている。ところで、日本人のバスガイドにアルバイトの通訳をつけてツアーをすることは、いけないことなのか教えてください。

●(株)ハナツアージャパン国際事業部
李光守・次長
弊社では今年約23万人の中国人、韓国人を顧客があった。来年は27万人を見込んでいる。東南アジア向けの情報が少ない。タイ、マレーシアのビザ免除、ベトナム、インドネシアのビザ免除でそれらの国からの観光客が増えている。東南アジアの人のためのガイドが足りない。

●日本旅行国際旅行事業本部海外営業部
三好一弘営業部長
海外のエージェントからの依頼を受けてツアーを組む仕事をしている。繁忙期に通訳案内士が足りない。地方で適当な通訳案内士が調達できない。欧米語の通訳案内士は何とか足りているが、タイなどの東南アジアの言語の通訳案内士が足りない。建築、祭りなどに限定したツアーに使える通訳案内士がいない。日本の歴史、文化の専門知識よりもスムーズにツアーを行える通訳案内士がほしい。今、日本で流行しているものを見たい、知りたい、良い買い物をしたいというような外国人観光客の要望に応えられる通訳案内士がほしい。

●(株)JTBグルーバルマーケティング&トラベル グローバルマーケティング部 
吉村久夫部長
通訳案内士の制度改革(業務独占廃止のことと考えられる)ともに、どのような通訳案内士が求められるかということを論議したい。通訳案内士には、もっとガイディングとホスピタリティのスキルが必要だ。九州のクルーズのツアーで雇った通訳案内士が、冒頭で二言しゃべってあとは何もしなかったという例がある。きわめて不評だった。先日、京都の嵐山に行ったが、ライトアップが非常にきれいだった。FITが多く、通訳案内士をつけているツアーは見かけなかった。外国人観光客は日本の歴史、文化より今、日本で、はやっているものを見たいのだ。沖縄特区のガイドの研修はしっかりしている。九州も増えている。
渡された資料を見ると、50代の通訳案内士が一番多く、若手が少ない。収入を高くし、若い人にも興味を起こさせる必要がある。日本にマレー語、インドネシア語の通訳案内士が何人いるのか。実際には通訳案内士とは名ばかりで、土産物販売人というようなガイドもいる。

●日本商工会議所流通・地域振興部
谷脇茂樹課長
着地型の観光振興を考えている。そこにガイドが必要かというのが重要な問題。その地域に詳しい人が必要ということになれば、ボランティアの育成が望まれる。その中で通訳案内士がどれだけの役割が果たせるかということだ。雇用の創出という観点から考えて、特区の通訳案内士を増やすことを検討したい。

●日本観光振興協会事業推進本部観光地域づくり・人材育成部
斎川昭雄・担当部長
ボランティア組織をつなぐ仕事をしている。通訳案内士の4分の3が稼働していないという事実にショックを受けた。通訳案内士とボランティアのセットでやるのが良いのではないか。京都はそういうケースが多く、それで成功している。

●日本旅行業協会国内・訪日旅行推進部(JATA)
山田和夫
今年のゴールデンウィークすぎに通訳案内士についてヒアリングをした。その結果、1番目に通訳案内士の絶対数が足りないという声が多かった。渡された資料でもそれが裏付けられている。2番目に旅行の形態が違ってきたという声が多い。FITが主流だ。リピーターを増やさないと、インバウンド2000万人は達成できないだろう。顧客満足度を向上させることがリピーターを増やすことにつながる。そのために優秀な通訳案内士は欠かせない。

●東京SGG
石関文昭・会長
会員165人が都内5拠点でボランティアの通訳・案内をしている。女性7割、男性3割、年齢は20歳から80歳まで。1か月の稼働時間は約1000時間。英、独、仏、中国語の対応ができるが約80か国の人を対象にして、ほとんど英語で過不足なく対応している。1人で最大10人を引き連れていく。浅草では定番の案内のほか、美術館から案内を依頼されている。大型クルーズ船の客の観光案内も頼まれており、最近は多様化している。通訳案内士の多くが稼働していないのに、足りないとはどういうことなのか。地方で通訳案内士が増えないという状況は今後も変わらないだろう。

●通訳ガイド&コミュニケーション・スキル研究会
松岡明子・副理事長
昨年当たりからガイドの需要が右肩上がりで増えている。地域限定ガイド、特区ガイドは機能している。かれらは点の仕事、われわれは点と点をつなぐ線の仕事をしている理解している。ボランティア、トップガイド、通訳案内士の棲み分けが必要であると思う。

●全日本通訳案内士連盟
原田智子
通訳案内士の有資格者がたくさんいるのだから活用するべきだ。通訳案内士としてもクオリティを高めることも必要。秋田である通訳案内士が「車を運転して安い料金で回ってくれないか」という依頼を受けたという例もある

●日本観光通訳協会
萩村雅代・会長
通訳関係の組織で唯一の社団法人で70年の歴史がある。会員700人。当協会で行った通訳案内士新人研修を受けた人は9000人に達する。通訳案内士の数と質がポイントだ。首都圏と関西圏に集中しているが、地方には仕事がこないというのが現実。それなのに通訳案内士が足りないというのは解せない。優れた大変優秀な通訳案内士が必要とされている。ダメな通訳案内士は必要ない。

●検討会終了後、ある参加者の質問に対して長崎課長は次のように答えた。
衆院解散で廃案になった構造特区法改正法案は、来年再び国会に提案され、可決される見込み。そうすれば地域限定の通訳案内士を増やすことができる。たとえば京都市が、研修だけで通訳案内士を認定し、当該の通訳案内士は有償で京都市内において通訳案内士の仕事をすることができるようになる。

以上

0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する