自由詩「日本人(ジャップ) その3」
わたしは秘密であるから
誰にも知られることなく
よどむ血脈の岸辺で
ただ静かにたゆたい
背中から語られている
人たちの体の隅にまで
沁み込んでいき
切り裂かれるままに
わたしは秘密であるから
いつでも古い脳のまま
半身はやや引きつって
かすかな囁きさえも
忘却されつづけ
何度も繰り返し隆起する
切り刻まれてばらばらで
ふかく埋もれたままに
わたしは秘密であるから
冷たくも熱く散らばり
触れるものは許されず
滅びの時まで語られない
口にされるならば凶
開かれるならば凶
ただ転落するための
隠匿される底なき暗闇の
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