mixiユーザー(id:2438654)

2014年12月13日23:15

184 view

ボリショイバレエ ドン・キホーテ

音楽:ルートヴィヒ・ミンクス
原振付:マリウス・プティパ,アレクサンドル・ゴールスキー
改訂振付:アレクセイ・ファジェーチェフ(1999年)
指揮:パーヴェル・クリニチェフ
管弦楽:ボリショイ劇場管弦楽団

2014/12/6土 12:30- 東京文化会館

キトリ/ドゥルシネア:マリーヤ・アレクサンドロワ
バジル (床屋):ウラディスラフ・ラントラートフ

2014/12/6土 18:30- 東京文化会館

キトリ/ドゥルシネア:エカテリーナ・クリサノワ
バジル (床屋):ミハイル・ロブーヒン


ボリショイバレエの来日公演で私が最も楽しみにしていたのが、このドン・キホーテ。二回観ちゃいました!いやーやっぱりボリショイのドンキはいいね。

マチネはアレクサンドロワとラントラートフ。マーシャはグランパドドゥで32回のフェッテを省くなど、やっぱり怪我明けでテクニック的には本来の状態ではないのね・・・と思わされました。でも、それってキトリを演じるのに必要な要素のごく一部だよね!と感じてしまう何かを彼女は持っていた。ラントラートフとのパートナーシップが素晴らしくて、二人の間の信頼を越える愛情がこっちにも伝わってくるのです。とにかくマーシャが大事で仕方ないラントラートフと、彼を信じて可愛いキトリ全開のマーシャ。ボリショイのドンキって底抜けの素朴な明るさが持ち味で、その中心には彼らがいる、そんな素敵な公演でした。マーシャ、カーテンコールで感極まって泣いてましたね・・・。ひょっとして、怪我後にドンキ全幕を踊ったのは初めてだったのかな。

ソワレはクリサノワとロブーヒン。クリサノワは「どうよ!」みたいな感じがあって、いい意味でボリショイらしい見得を切るダンサーだなと思いました(その点でオシポワに似てると思った)。こちらのペアは難しい振付も軽々こなす、軽やかなドンキでした。

マチネもソワレも主役の二人はとてもよかったのですが、でも、ボリショイのドンキがボリショイたる所以は、ソリストやコールドの実力だと思いました。一幕の街の群集の群舞とか、すごいパワー!圧倒されて、こっちまでハイテンションに!これを待ってた、という感じです。

今回ボリショイの公演で3演目を見て、ダンサーの層の厚さに心底感心しました。ルックスもテクニックも将来性を感じる若手がコールドレベルに沢山いる。フィーリン襲撃事件があったときにボリショイの闇みたいな報道もたくさんありましたが、この公演を見る限り、フィーリンはバレエ団の強化には成功しているように見えます。中でのヒエラルキーは相当厳しいようですが、でも、プリンシパルはただ偉ぶっているだけではなくて、高い誇りとプロ意識を持っているように感じました。ロシアは芸術家の社会における地位が高いので、よりそういうふうになるのかもしれないですね。中にいる人には厳しい環境かもしれませんが、観客としてはレベルの高い公演を安定して見せてくれるという意味で歓迎すべきことなのかなと思います。

あと、忘れちゃいけないボリショイのオケ。そりゃ音楽メインのオケのコンサートに比べると演奏の質は高くないかもしれない。でも、あの管や打楽器を遠慮なく打ち鳴らす、ちょっと演歌調な演奏がボリショイのスタイルに合ってて大好き!バレエの伴奏のオケに文句がある方は多いようですし気持ちは理解できますが、私の経験では、海外でバレエを見てもオケがすごくいいなーと思ったことって数えるくらいしかないです。日本でよく伴奏してくれる東京シティフィルの演奏なんて、かなり上等な方ですよー。

と、少し脱線いたしましたが、思った以上に楽しいボリショイ祭りでした。今年、私の日本でのバレエ公演はこれが最後です。

4 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する