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2014年12月13日22:42

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カンマー、子ヤルヴィ、ブラヴォ3番!

今日は奇蹟的に以下の演奏会を聴くことができたので感想を記します。

○パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマー・フィルハーモニー管弦楽団
ブラームス・シンフォニック・クロノロジー
開演:2014年12/13[土]15:00
会場:東京オペラシティ コンサートホール
曲目:ブラームス作曲作品
大学祝典序曲 op.80 
ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 op.83 
交響曲第3番 ヘ長調 op.90
ピアノ独奏:ラルス・フォークト
管弦楽:ドイツ・カンマー・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ

完全な出来心というか今日聴きに来る予定の人に渡す雑誌があったので、当日券狙いで買えなかったら雑誌だけ渡してすぐにNHKホールに転出できるような体勢で行きました。(とりあえず天気良かったので新宿から初台までは歩いた。)
そしたら、当日券が5枚だけあった!超ラッキーでしかも現金でなくカード払い可ということでカードを渡して手続きの準備してたら雑誌渡す予定の人が来てチケット譲渡したい人が居ると言う。
そしてその人からさらに当日券の1/4の値段の席を買いました!!
たぶんカードじゃなくて現金渡してたら当日券が買えてしまって払い戻し不可になっていたことでしょう…
朝からいろいろ些細なことに願掛けしていた甲斐がありました。

大学祝典序曲
冒頭からすでに尖鋭な色合いの演奏で、我々が旺文社の大学受験ラジオ講座で慣れ親しんだテーマ音楽とは訳が違った!
それほど長くない曲なのに喜びあり驚きあり悲哀あり。
また弦楽器の美しさが燦めきとかいう刹那のものでなくビロード織りの長いじゅうたんのような紗の連続という感じですでにここで涙…(実際これが涙さそう様な曲なんだな)
打楽器が入ると、これが通り一遍のどんちゃかでなく、冒頭の色合いそのままに今まで聴いたことのないような尖鋭で氷温の音をクールに響かせ、例えて言えば映画紅の豚でポルコ・ロッソが敵役に「どうせあいつは機関銃なんて撃てないだろう」と言われたとき短く一連射だけ的確な機関銃の掃射をしたみたいな感じで「どうせブラームスの交響曲はリストのシンバル1音にも相当しないだろう」という輩への痛撃だ。
いずれにしても大学祝典序曲はこのようにあらゆるすばらしい様々を内包した音楽だった。

ピアノ協奏曲第2番
冒頭から巨大な包容力を示し直ちに羅王のようなフォークトによる力強い打鍵による独奏が始まり目が舞台に釘付けに。スケルツォは激しく、第3楽章のチェロ独奏は心が揺れるほどだ。プログラムにビルロートがタオルミナの夜だとか言ったと書いてあったけど夜?夜?夜かもしれない。個人的にはスケルツォの激しさがお気に入りで、そのあとをクールダウンと言うことだろう。終楽章のロンドはこちらこそ夜のLEDの明滅のような真の燦めきのピアノと川の流れのような管弦楽の織り成す真の協奏が今日見られた。それは止め処なく続き、あらゆる物語や、ブラームスのこれまでの作品を呑み込んで流れていく。
じゅ。は永いことこの作品は冒頭と終楽章のさわりだけしかちゃんと聴いてこなかったことが今日判明したと思う。P協2番はこんなにもはすばらしい様々を内包した音楽だった。
ちなみに、ラルス・フォークトってどこかで見たような顔だと長いこと思っていたんですが、今日生で正面から見てトム・ハンクスに似ていると思い至りました。
奏者アンコールはショパンの遺作。

交響曲第3番
冒頭から秋の色づいた老大木が紅葉を撒き散らしながらそびえ立つような雄大と透明が一緒に来たような演奏。そして次第に透明さが風のように強くなってやがてシャンソンが消えていくような第1楽章。
撒かれた紅葉が哀しいようでしかし土へと変わっていくようなしっかりと大地に根をはった演奏の第2楽章。
哀しいようで芯の通った力強さを感じさせる第3楽章。この第3楽章あたりから無性に涙が止まらなくなりました。
第4楽章は最後の消え入るような終止まであらゆる可能性を追い求めるヒューマン・ビーイングの営みを垣間見るような素晴らしい展開の演奏。まさに死ぬときまで精いっぱい生きるといったような感じです。
あらゆる人間の素晴らしさのようなものが全て内包された音楽。演奏。
今日の演奏は実質的に第2・3・4楽章はアタッカで演奏され、連続した人の一生を見るようだった。そうするとじゅ。はもう第3楽章なのだな。それで涙出たのか?

オケアンコールはブラームスのハンガリー舞曲第10番・第6番。
奇蹟的に今日の演奏を聴けた人へのご褒美のように、10番は刹那の居合いの技、6番はユーモアたっぷりに超緩ルバートと急ダッシュの演奏で聴衆を楽しませてくれた。

今日は3R2列28番席だったので写真のように舞台は半分しか見えなかったがそんな中でクラリネットの両奏者とりわけ1st奏者が素晴らしかったです。音美しい。時に雄渾。時に両奏者でベルアップ。自然体。
チェロトップと前半のコンミスの両女性も素晴らしかったですね。
なんか素晴らしいという言葉しか出てこない。珠玉。そんな感じ。

なんか席を売っていただいたきれいな女性のかたも今日の演奏が非常によかったということで少しお話しをして(フルートを吹かれていたそう)、ついでに来年11月のなごみ管弦楽団の宣伝をしておきました。(楽団名はご存知とのことで、聴きに来ていただけるそうです。)

帰りは感動しすぎて疲れたので電車で帰りました。
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