2014/12/5金 19:00- KAAT
※下記の演目紹介はKAATのサイトより
http://www.kaat.jp/d/spain
『Sub』 公演動画はこちら→
http://vimeo.com/80607800
初演：2009年 振付：イジック・ガリーリ 音楽：マイケル・ゴードン／ウェザー・ワン
イスラエル生まれの振付家イジック・ガリーリの本邦初公開作品。ガリーリは1991年よりオランダにてガリーリ・ダンス・カンパニーを設立。バッドシェバ・ダンスカンパニー、ネザーランド・ダンス・シアターなど、この20年あまりで60以上の作品を振り付けている。
『堕ちた天使』 公演動画はこちら→
http://vimeo.com/81082456
初演：1989年 振付：イリ・キリアン 音楽：スティーヴ・ライヒ／ドラミング・パート��
1999年まで芸術監督を務めたオランダのネザーランド・ダンス・シアターに振り付けたキリアン代表作のひとつ。打楽器の音色とダンスのリズムのみで構成された本作は、音楽と親和性の高いキリアンのダンス世界の本質を感じさせてくれる。
『ヘルマン・シュメルマン』 公演動画はこちら→
http://vimeo.com/74838024
初演：1992年 振付：ウィリアム・フォーサイス 音楽：トム・ウィレムス／ジャスト・ジャッキー
ドイツのフランクフルト・バレエ団の芸術監督であったフォーサイスによるニューヨーク・シティ・バレエ団委嘱作。通常のフォーサイス作品に比べ古典的な技法を多用しているのが特徴。初演後、フランクフルト・バレエ団のために大幅に改訂された。
『天井桟敷の人々』より
初演：2008年 振付：ジョゼ・マルティネズ 音楽：マルク＝オリィヴィエ・デュパン
同タイトルの映画をベースにパリ・オペラ座エトワールであったジョゼ・マルティネズが振り付けを行ったスペクタクルバレエの傑作。ここではこのバレエ作品の一部を、今回の日本公演のために再構成して上演。
『マイナス１６』 公演動画はこちら→
http://vimeo.com/81034777
初演：1999年 振付：オハッド・ナハリン 音楽：ディーン・マーティン、リンキー・ディンクスほか
イスラエルのバッドシェバ・ダンスカンパニーの芸術監督オハッド・ナハリンがネザーランド・ダンス・シアター�兇里燭瓩冒郎遒靴身爐梁緝什遏�今や世界中のバレエ団のレパートリーとなっている。
パリ・オペラ座バレエ団を引退したジョゼ・マルティネスが芸術監督になって初めての来日を果たしたスペイン国立ダンスカンパニーの公演を観に行ってまいりました。ボリショイ祭り真最中ではありましたが、すっごくよかったです。
マイナス１６って恥ずかしながら初めて観た（動画でも全く目にしていません）のですが、本当に本当にかっこいい作品で大興奮！一人芝居の男性が引っ込んで幕が下り、再度幕が開いて椅子に座った黒いスーツ・黒いハットのダンサーが半円状にざーっと並んでるのを観たときは、あまりのかっこよさに鳥肌が立ちました。これ、ダンスやバレエに親しんでない方が観ても楽しいでしょうねー。オハッド・ナハリン、天才！最後の観客をステージに乗せちゃうところ、もう向こうの思うツボなんだけどやっぱりすごい多幸感。私の隣に座っていらした可愛いおばあちゃま、公演にしきりに感動していらしたのですが、舞台上に上げられて本当に楽しそうでした。先日NHKホールで観たベジャールの第九同様、舞踊の高揚感による一体感みたいなものを感じさせてくれて、全く違うタイプだけど狙いは一緒な部分があるなぁと思ったりしました。
それ以外では最初の演目、Subが好きだったな。イヅック・ガリリ（カタカナ表記は今回のプログラムに習っています）という、これまたナハリン同様バットシェバ舞踊団にゆかりある振付家の作品。この作品が始まった時、ああそういえばここはこういう動きするカンパニーだったね、と思い出しました。以前（後でネットで検索したらどうやら2008年だったらしい。時の経つのは早いものです・・・）、埼玉芸術劇場でナチョ・ドゥアトの素晴らしい作品、ロミジュリを観たことがあったのですが、あのとき感じた一時も止まらない疾走するような躍動感がそのまま舞台の上に。やっぱり私、ウィールドンみたいにポーズを重視した作品より、動きそのものが楽しい作品の方が好きだなあ。このSub、上半身もろ肌脱いだ男性群舞というところも好みでしたが、衣装も面白かった。スプリングコートかあるいはシャツワンピみたいな服を腰のところでをベルトで止め、上半身は袖を通さずに後ろに垂らしてボタン留めてあるという（説明が下手ですみません）。遠くから見ると単なるスカートみたいに見えるんでしょうね。
あと、作品としてはフォーサイスはやっぱり好きだな。でもあらためて、この作品の頃のフォーサイスの言語はクラシックのテクニックがベースで、そのテクニックが高い人でないと本来の完成度は出せないような気がしました。このカンパニーは今後目指す方向がどうであれ、今はやっぱりダンスカンパニー。特に女性がポワントで踊るのに慣れていなくて、足元の突き刺すようなシャープさがないのが、物足りなく感じていました。
天井桟敷、実は私はいろいろあって全幕が観られていないのですが（パリまで行ったのに泣）、このパドドゥはノイマイヤーの椿姫のオマージュみたい、なんて思いながら観ておりました。
本当は天井桟敷を踊ってくれるはずだったジョゼが怪我降板した公演でしたが、内容的にはそれでも十分満足。ジョゼは今後、このカンパニーをどういう方向に導いて行くのでしょうか、興味津々です。個人的には、いい意味で、ここはやっぱりダンスカンパニーだなと感じました。重心低いちょっと粘っこい踊りが得意。そういう個性を活かして、ますます素晴らしい公演を見せてくれるカンパニーになってくれますように！
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