邂逅

余裕が出てきたのか、それとも、あの日から1年ぐらい経つからなのか、考えることがある。

僕が前の会社を辞めると課長に言ったのは11月の最終月曜日。
今は、別に何もないからという精神状態なので、あの時の決断は本当によく言いよったな、という感想。
今じゃ、考えられない。
というのは、転職先が未だだったことと、少なくとも会社に属するという安堵という、一般的に将来への不安をあおるような行動は、誰にとっても手放したくないことだと思う。

だからこそ、大抵の人間は、離職する恐怖を感じ、そのまま属しているんだと思う。
あのときだって、それは分かっていたし、今でも分かっている。
リストラをする会社のサラリーマンなんて気が気でないと思う。
ソニー・パナソニック・サンヨー・パイオニア・・・etc
辛いと感じるよりも不安しかないと思う。

それでも、逃げるを選択した自分は、余程、あのままいたら、文字通り壊れるというか、壊してしまうという不安・恐怖を感じたから、自己防衛行動を取っただけ。
まだ、その行動を取れただけましと思える。

人はその心理状態において、いくらでも非難したり、同情したりするから困る。
だから、強い人間は、鬱になる人の気持ちが分からない、とかいうことになるんだろうな。

僕は本当に弱い人間サイドにいるし、絶対に強い人間サイドに行けないと思っているから、こんなこと考えるんだろうけどな。