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2014年12月08日17:23

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(書評)重村智計(著)『外交敗北−日朝首脳会談と日米同盟の真実』

(書評)重村智計(著)『外交敗北−日朝首脳会談と日米同盟の真実』(講談社・2006年)
http://www.amazon.co.jp/%E5%A4%96%E4%BA%A4%E6%95%97%E5%8C%97%E2%88%92%E6%97%A5%E6%9C%9D%E9%A6%96%E8%84%B3%E4%BC%9A%E8%AB%87%E3%81%A8%E6%97%A5%E7%B1%B3%E5%90%8C%E7%9B%9F%E3%81%AE%E7%9C%9F%E5%AE%9F-%E9%87%8D%E6%9D%91-%E6%99%BA%E8%A8%88/dp/4062135051/ref=cm_cr-mr-title

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5つ星のうち 5.0


日朝共同宣言は、第二の日ソ中立条約である。,

2006/12/8


投稿者 西岡昌紀



 古典文学と医学書以外で、2006年に私が読んだ最良の本は、この本かも知れない。本書は、北朝鮮についての厳しい分析で定評の有る重村智計早稲田大学教授が、平成14年(2002年)の小泉訪朝の内幕と、その陰で進行して居た日米関係の危機を語った、驚愕の一書である。その内容を要約すれば、小泉訪朝(2002年)とは、詰まる処、北朝鮮の工作機関によって篭絡された日本の外交官と政治家達が、自らの利権の為に、拉致被害者を見棄てて、北朝鮮を救済しようとした、祖国への裏切り行為だったと言ふ事である。そして、その陰で、既に1989年の冷戦終了時から崩壊の危機に瀕して居た日米同盟が、最悪の状態に陥って居た事を指摘した本書の内容は、余りにも衝撃的な物である。以下の記述を読んで欲しい。(以下引用)−−日米同盟は、一九八九年の冷戦終了後ずっと、崩壊の危機に直面してきた。日本の政治家や識者が、この「危機」にどれほど気ずいていたかはわからない。日本では、あまり議論されなかった。また、それが表面化しなかったのも事実である。(本書217ページより)−−

 全国民必読の本である。日本の外交は、外交官が宣戦布告の文書を届け遅れて「騙し打ち」の汚名を与えられた真珠湾攻撃の時から、或いは、戦争末期に、和平をソ連の仲介に期待して、奈落の底に落とされた時から、全く進歩して居ないのである。

(西岡昌紀・内科医/真珠湾攻撃から65年目の日に)




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