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2014年11月30日10:36

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【文字起こし】2014.11.29 ラジオ・フォーラム第99回 小出裕章ジャーナル【特別検査で高浜原発1・2号機稼働延長か?】

今回のキーワードは「脆性遷移温度」。
鋼鉄製の原子炉圧力容器が、ガラスのように脆くなる温度ですね。

高浜原発1号機と同じく、原子炉圧力容器の脆性遷移温度が問題になっている原発がこちら。
フォト
(2012.6.14 テレビ朝日 モーニングバード!「そもそも総研」より)

玄海1号機とか、熱湯で冷やさないと原子炉がガラスになって割れるというふらふら

もちろん電力会社は「安全性に問題はない(キリッ」と言っていますが・・・
誰か原子炉まで行って、トンカチでも叩いて確かめたのか?

あ、困った時のエスパー頼みですね、分かりますウッシッシ



ラジオ・フォーラム第99回
http://www.rafjp.org/program/099/

小出裕章(京大助教)非公式まとめ
http://hiroakikoide.wordpress.com/

京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ(小出氏が所属)
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html

小出裕章氏講演会情報
http://healing-goods.info/koide/


【内容文字起こし】

パーソナリティ:石丸次郎(ジャーナリスト)

石丸:もしもし、小出さん?

小出:はい。

石丸:あ、今日もよろしくお願いいたします。

小出:こちらこそよろしくお願いします。

石丸:はい。今日は、関西電力の、高浜原子力発電所の1号機2号機の再稼動について、お話を伺いたいと思います。

小出:はい。

石丸:関西電力が福井県にある高浜原子力発電所、1号機2号機。これは、74年に稼動が始まりましたので、40年が経とうとしている原発ですけれども、これを特別検査を申請して、また再稼動させようという動きが見えてますね。

小出:はい。

石丸:えー、現行の法律では、基本的に原発の寿命は40年。特別検査をして、合格すれば20年プラスして60年まで稼動が一応可能と、いうことになっておりますが、やっぱり心配になるのはですね、相当老朽化してるんじゃないかと。40年も動かし続けてということが真っ先に頭に浮かびますけれども、

小出:はい。

石丸:これどうですか?40年という稼動の原発は。どう考えたらいいでしょうか?

小出:えー皆さんご自分のことを考えていただきたいのですが、例えば自分が乗っている車、40年前の車であったとすれば、使い続ける気がするでしょうか?

石丸:なるほど。

小出:あるいは家庭の電化製品でもそうですけれども、40年前のものって、これからもずっと使っていこうと、思う・・・のがむしろ、不思議だろうと私は思います。え・・・、原子力発電所というのは特に安全性に、十分な注意を払わなければいけない機械なわけですし、そうれがもう40年の寿命、というか40年経ったのに、なおかつそれを動かそうと、いうこと自体が、私はずいぶん異常なことだと思います。

石丸:なるほど。

小出:一番問題なのは、原子炉圧力容器と言っている、炉心を格納している圧力釜なのですが、それが中性子を被曝しながら、どんどんどんどん劣化してきて、しまっているわけです。

石丸:やっぱり鋼鉄製でもやっぱり劣化していくんですか?

小出:はい、そうです。えー、もちろん人間は、被曝をすれば簡単に死んでしまうわけですけれども、

石丸:はい。

小出:鋼鉄も被曝をすればするだけ、劣化していくわけです。皆さんあの・・・家庭で使っている鍋とですね、それから、ガラスでできているコップというものを考えていただきたいのですが、普通私たちが生活している場所、と言うか、まあ温度ですね。

石丸:ええ。

小出:えー、気温10度20度、あるいはまあ、マイナス零下何度になるということもあるかもしれませんが、普通鉄は、割れないのです。

石丸:はい。

小出:ガラスは簡単に割れますけれども、鋼鉄は割れません。トンカチで叩いても、例えば落としたって、え・・・ひしゃげたり曲がったりするかもしれませんけれども、割れないという性質を持っています。ただその鋼鉄も、どんどんどんどん冷やしていくと、ある温度以下になると簡単に割れてしまう、つまりガラスのような性質になってしまうという温度が実はある、のです。

石丸:はあはあ(相槌を打つ)。

小出:それを私たちは「延性」。そうですね、普通その、鋼鉄が割れないというのを私たちは「延性」と呼んでいるのですが、延びるのですね、金属というのは。それからガラスのように簡単に割れてしまうものを「脆性」と私たちは呼んでいるのですが、

石丸:はい。

小出:温度が低いと大抵のものは脆性なのです。それで脆性から延性に変わる温度というのがあって、それを私たちは「延性・脆性遷移温度」と呼んでいます。鋼鉄の場合にはそれが、通常だと零下何十度というところで、それ以上の温度であれば延びる。つまり簡単には割れないという性質を持っているのですが、

石丸:はい。

小出:原子炉が稼動して、鋼鉄が被曝をするにしたがって、その温度がどんどんどんどん上がってくるのです。例えば高浜原子力発電所の1号機の場合には、既に、脆性から延性に変わる温度が95度、という値が既に数年前に得られています。

石丸:これ、えらく低くなっているということ・・・ですか?

小出:どんどんどんどんその、遷移する温度が高くなってきてしまっていて、

石丸:あ、高くなっているっていうことですか。ああ・・・。

小出:はい。で95度以上であれば、まだ金属の性質を持っているけれども、95度以下、つまり普通私たちが生活してる温度の状態では、もう高浜原子力発電所の原子炉はガラスなのです。

石丸:ああ・・・なるほど。

小出:はい。だから何か事があれば、バリッと割れてしまうという、そういう危険な状態に、既になってしまっています。本当であればもう、こういう原子炉は動かさないという判断をするのが妥当だろうと私は思います。

石丸:なるほど。脆くなっている温度が上がってきたと。

小出:そうです。はい。

石丸:これは、中性子を浴び続けたせいなんですか?

小出:そうです。まさにその通りです。

石丸:ということは、えー・・・脆くなって、どんどんどんどん脆くなって、40年間も脆くなってきたもの。これをでも、使い続け・・・ざるを得ないわけですよね?交換はできないわけですよね?

小出:交換はできない(笑)。ですから、原子力発電所の寿命というのは、もともと40年ぐらいだろうと言われていたわけですけれども、それはこの原子炉圧力容器というものが交換できないし、それがどんどん中性子を被曝して劣化してくるので、40年ぐらいで止めておくのが妥当だろうなと、初めに考えたのです。

石丸:はい。

小出:その時期がもう高浜原子力発電所には来ているわけですし、私はもう止めるのが当然のことだろうと思います。

石丸:なるほど。動機が、経済的な動機。つまり欲ですよね。

小出:はい。そうです。

石丸:儲けたいということで、この安全の問題がまた二の次になるようなことって本当に困りますよね。

小出:はい。

石丸:(ため息)・・・これも高浜の問題もですね、もう、脆性、脆くなる、ガラスのようになるっていうこと、

小出:はい。

石丸:えー、どれだけ、検査で規制委の方が検討するのかちょっと分かりませんけれども、注目していきたいと思います。

小出:はい。

石丸:小出さん、今日はどうもありがとうございました。

小出:ありがとうございました。

【文字起こし終了】


関西電、高浜原発1・2号機の40年超運転延長へ点検実施
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=52&from=diary&id=3158609
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