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2014年11月24日23:31

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ボリショイバレエ 白鳥の湖

2014/11/24月祝 17:00- Bunkamuraオーチャードホール

振付:マリウス・プティパ、レフ・イワノフ、アレクサンドル・ゴールスキー、ユーリー・グリゴローヴィチ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
台本・演出:ユーリー・グリゴローヴィチ
指揮:パーヴェル・ソローキン
管弦楽:ボリショイ劇場管弦楽団

<出演>
オデット/オディール:スヴェトラーナ・ザハーロワ
ジークフリート王子:デニス・ロヂキン
悪魔ロットバルト:アルテミー・ベリャコフ
道化:デニス・メドヴェージェフ

ボリショイ祭り第一弾は白鳥。白鳥はボリショイってよりマリインスキーだよね、でも一応ザハロワだけは観ておくか・・・と事前期待は高くなく貧乏席で観たのですが・・・、いや素晴らしかったです!失礼なこと思って申し訳ありませんでした、ボリショイの皆様とザハロワ様。

ザハロワの白鳥は、昔彼女が新国にゲスト出演していたときに何度が観たことがあります。が、今回は彼女の感情表現面での成長っぷりにびっくり(何様モードすみません)。テクニックの面はともかく、役に感情をどう込めるかというところについては、年齢を重ねると深まっていく部分があるのだなぁとしみじみ実感いたしました。オデットってそのあたりが凄く難しいのでしょうね。

昔のザハロワは、白より黒の方がしっくりくる感じでした。もちろん動きは優美なんですが、白を踊っているとどこか型にはまって教科書的な感じで、黒になったときに初めて自由に息してる感じがしたのです。それが今日私には、オデットの方が断然よく思えたのです。オデットのときのほうが、役に陶酔しきっていて、オデットの孤独や哀しみがこちらにまでひしひしと伝わってきました。ロパートキナとはまた違う表現ですが、これはこれで素晴らしい。オディールは過剰に悪役過ぎずクールビューティでむしろこちらの方が抑え気味な表現(=素ともいう)だったかな。

あの舞台での圧倒的な存在感を見ていても、彼女は周囲のダンサーと仲良くってタイプじゃないんだろうなというのは想像つきます。でも新国ゲスト出演時代も含め、私が観たことある舞台に限ってですが、彼女って舞台で手を抜いてるな、とあからさまに分かるようなことがない。周囲にも厳しいけど、自分にも凄く厳しい、プロ意識の高い人なのかな、と個人的には勝手に解釈しております。人それぞれだと思いますが、私はそういうスタンス、嫌いじゃないなあ。(友達になるわけじゃないし)

ザハロワ様も素晴らしかったですが、コールドも今回とてもよかったと思いました。男女ともにルックス・テクニックの平均値が高く、しかもちゃんと揃っていた。ボリショイって足は強いけど優雅さに欠けるイメージだったけど、今日は上半身の使い方も以前よりきれいだったような。プリンシパルもかなりマリインスキーから流れてきてますし、何となくボリショイとマリインスキーの色が少しずつ近づいてきているような印象を受けました。いや、ドンキを観ないうちは、まだ断言できないかな?

王子のロヂキンも好きだなー。優し気であまり主張が強くない王子様、ちょっとウヴァーロフを彷彿とさせるところがあります。が、若くてソロはキレがよく、何より若い王子の役にルックスがぴったり♪遠い席だったせいか、私はサポートもそれほどは気になりませんでした(とても上手、とは言い難いですけどね)。

ロットバルト役はラントラートフが体調不良により降板し、ベリャコフ。演技の面ではもう少しアク強くやってもいいのではと思ったりしましたが、踊りは素晴らしかった!こういう、上り調子の若いダンサーに会えるのって嬉しいサプライズです。

その他ソリストでは王子の友人たちでニクーリナが出てて、やっぱ上手いなーと。後はスペインの花嫁候補を演じたアンナ・チミホロワ、きびきびした動きとズバ抜けたバランスやジャンプ力でとても印象的でした。ボリショイは層が厚いですね、まだまだ上手い人がたくさんいる。

ところでグリゴローヴィチ版の白鳥、たぶんこれが初めてではないけど前回観たのがかなり昔らしく、まったく覚えておりませんでした。ロットバルトが勝利し、王子とオデットが永遠にお別れすることになる終わりは何だか救いがないなあと思いますが、作品としては非常にスピーディーでエンタメ性は高いと思います。男性が踊るシーンが多いし。個人的には、オディールがパーティーに乱入してきた後、黒鳥を何羽か引き連れて湖でのオデットとの出会いを思い出させるように踊るシーンが、王子がオデットとオディールを混同することの説明を上手くしていてなるほどーと思いました。

あと、衣装と舞台美術、これ、最近新しくしたんでしょうか。とても豪華でしかも洒落てて素敵!ボリショイ劇場の豪勢な空間を思い出しました。あの劇場で観たら一層素敵だろうなあ・・・。

そうそう、忘れちゃいけないボリショイのオケ。管と打楽器とバイオリンのソロがよかったな。分かりやすくメリハリきかせていて、ロシアらしい音作りが好き!

三演目の中で一番期待してなかった白鳥がこんなに楽しかったので、残りのバヤデールとドンキが本当に待ちきれなくなりました。

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