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2014年11月22日16:46

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【読後感想】芸人デスティネーション

「芸人ディスティネーション」

芸人が書いたライトノベル。
もう半年も前に出た本なので「いまさら」なのだが、先日漸く入手できたので。

作者は「天津 向(てんしん むかい)」。
ベテランというほどではないが若手というにはすでにかなりのキャリアを積んでいる、現役バリバリのお笑いコンビ「天津」の片割れ。

このひと、ピンでトークショーもやれば、趣味の延長で4コマ漫画の原作で雑誌に連載まで持っているという、大変多芸な人。
で、とうとうライトノベルにまで活動の場を広げてしまった。

結論から言うと、想像以上にきちんとした小説でした。
ある日突然さえない主人公のもとに美少女が転がり込んでくる・・・というライトノベル鉄板のシチュエーションから始まって、やる気と自信をなくしていた主人公がまた自分の足で立とうとするところまでの、立派に青春もののお話を展開してくれて気持ちよい一冊でした。

この作品、ありきたりのラノベならば特殊な設定や能力や世界観でリアリティの無い話を正当化させるところを、作者自身にとって一番リアルな「お笑い」の世界に置き換えていて、おそらくは自身や周囲であったり聞いたりしたと思われるエピソードを絡めているのだけれど、漫画の世界にも通じる内容で思わず共感してしまう部分が随所に。

正直、客席やカメラを前にして自分の体を使って表現するギャグと、文章のみで表現されたギャグとでは文法が違うので、少々ギャグとしては「?」となるところも無いではないが。
読み終わった後、素直に「この主人公たちの続きがもっと読みたい」と思えたのだから、やはり面白かったのだと思う。
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