2014/11/21金 19:00- ミューザ川崎
◆ブラームス：ピアノ協奏曲第１番
ピアノ：クリスチャン・ツィメルマン
◆ムソルグスキー（ラベル編曲）：組曲「展覧会の絵」
アンコール
◆ヨハン・シュトラウス�供�ヨーゼフ・シュトラウス：ピチカート・ポルカ
◆ドヴォルザーク：スラブ舞曲 No.15
2012年12月の来日公演以来のこの組み合わせ。前回の自分の感想を見返すといたく感動していたみたいなのですが、今回もやっぱり楽しかったです！
何といってもヤンソンスの指揮している姿が好き。もちろん背格好やお顔も素敵なんですが、それだけじゃなくて、曲に対する愛情と、自分でこう表現したい！って気持ちに溢れてる。ここはちょっと控えめに、ここはバーンと弾けて！で、ここはちょっと気取って・・・などなどを全身で表現してて、表情にもその気持ちがたっぷり。きもちよーく音楽にノレるところになったとき、ちょっとの間、指揮やめて天井の方見上げて「フンフン♪」って鼻歌歌ってるみたいな顔してましたよ。何て可愛いんだ・・・！さらにさらに、手先指先の動きが本当にエレガント。チャーミングで美しい。こんなに見てて楽しくて気持ちいい指揮者、いいなあ。
彼のこの熱意とか愛情をオケもちゃんと受け止めてて、彼の感情とともに有機的に動いていく感じがするのです。オケから本当に信頼・尊敬されている指揮者による演奏を聴くって、そういうヒューマニズムも感じられて、私はとても好きです。
ただ、今日の演奏、一曲目は最初、ヤンソンスはちょっと体調が悪そうに見えました。しきりに額や顎をぬぐう仕草をして、大丈夫かな？と思ったくらい。それでも、ツィメルマンと目と目で「さあ、行くよ！」「ここは感情込めて！」というやりとりをしている様はとても楽しそう。第一楽章は何となく力ない感じだったオケが、ヤンソンスの体調が回復していく（ようにみえた）につれて息を吹き返し、特に第二楽章が素晴らしかったように思いました。あまりオケに詳しくないので音色が云々と言えた立場でもないのですが、この組み合わせは弱音が美しいなぁというのが私の印象です。
ツィメルマンは私は初めて聴くのですが（ド素人ですみません）、お年の割にはいい意味で勢いがあって、そして正確で、この曲に限っては健康的な情感が音に乗っていて、とても清々しい感じがしました。ソロでも聴きたい！！！
そして私の一番のお目当てであった展覧会。やっぱりCDで聴くのの数十倍楽しい。演奏も素晴らしかったけど、この曲に関してはラヴェル凄いという気持ちが先に立ちます。ラヴェルの手にかかると一つ一つの楽器の存在が意識しにくくなり、純粋に音楽が音のうねりに聴こえてくる。しかも、ラヴェルはミューザと相性がいいような気がするんですよね。ミューザって音が横に広がる前にまず上に上がって一つに混ざる感じがして、そういう音響はラヴェルが目指していたものにぴたりと一致するのではないかと（ああすみません、素人なのに暴走しました）。
その展覧会を、何と楽しそうに洒脱に表現してくれたことか。ああ聴きにきてよかった、と心底思いました。
ヤンソンス、体調不良を理由にコンセルトヘボウの首席指揮者は2014-2015シーズンを限りに引退とか。ここのところ、毎年そのお姿を日本で拝見できておりますが、この先はそんなに機会がないかもしれないと思い始めました。その美しい指揮姿を記憶にとどめようと、一生懸命彼を見つめていた今日の公演でした。
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