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2014年11月09日15:06

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【文字起こし】2014.11.8 ラジオ・フォーラム第96回 小出裕章ジャーナル【次世代型高温ガス炉とは?】

高温ガス炉というものを一言で表すなら、「もんじゅに代わる無謀な夢」ですね。
高温工学試験研究炉のHPには、実に耳触りの良いことが書かれていますが。

http://httr.jaea.go.jp/index.html

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「高温ガス炉なら、1000度の熱で熱効率45%で発電できる!〈キリッ」
「高温ガス炉なら、発電以外にもさまざまな用途で使える!〈キリッ」

「原発は海温め装置」とか、「発電以外で用途が無いくせにでかい顔をするな」などと散々叩かれたことがよほど悔しかったらしく、必死にアピールしていますむふっ

しかし、火力発電の世界では既に1600度、熱効率60%の域に達しています。

火力発電の効率を高める「コンバインドサイクル」
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1311/22/news028.html

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水素もわざわざ高温ガス炉で作らなくても、石炭や天然ガス、再生可能エネルギーで作れるるんるん

CO2出さない水素製造事業、巨大市場見据え世界で始動
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK06012_W3A101C1000000/


つまり、高温ガス炉は既に周回遅れの技術になってしまっているのですウッシッシ
その研究を今からやるって、馬鹿ですか?



ラジオ・フォーラム第96回
http://www.rafjp.org/program/096/

小出裕章(京大助教)非公式まとめ
http://hiroakikoide.wordpress.com/

京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ(小出氏が所属)
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html

小出裕章氏講演会情報
http://healing-goods.info/koide/


【内容文字起こし】

パーソナリティ:湯浅誠(社会活動家)

湯浅:小出さん、よろしくお願いします。

小出:はい。よろしくお願いします。

湯浅:え・・・今日伺いたいのはですね、「次世代型高温ガス炉」っていうことなんですけれども、

小出:はい。

湯浅:えーと「高温ガス炉」って言うから、ガスを使っている、LPGとか何とか使っているということなのかなと思ったら、これ原子炉の一種なんですか?

小出:そうです〈笑〉。えーもちろんあの、LPGを使ったりするという、そういうことではありません。

湯浅:はい。

小出:え・・・現在日本で使っている原子力発電所の原子炉、あるいはまあほとんどの原子力発電所のは、水を使って、冷却しているのです。そして水の温度が、せいぜい330度〜340度ぐらいまでしか、上げることしかできないのです。で、それ以上に上げてしまうと燃料が溶けてしまうという危険があって、え・・・そのぐらいの温度にしか上げられないのです。そうすると、発電機に繋がっているタービンというのがあるのですけれども、

湯浅:はい。

小出:タービンを回す時の蒸気の温度で、え・・・発電の効率が決まるのですけれども、たかだか330度〜340度ぐらいの、まあ水しか使えないということになると、え・・・発電効率が33%にしかならないのです。つまり、原子炉の中で発生させた熱の、せいぜい3分の1しか使えないで、3分の2は捨てるしかないという、まことに馬鹿げた発電施設・・・

湯浅:それを海水に流しているから、「海温め装置」だって、小出さんが言ってた、あの話ですね?

小出:そうです〈笑〉。はい。ですから、あの、何とかしてその効率を上げたいという風にはもちろん、原子力をやってきた人たちも思ってきたわけです。実際に火力発電所などは、もう既に、蒸気の温度が500度ぐらいまでの蒸気で発電していますので、熱効率は50%をもう既に超えているというような状態なのです。それに比べて原子力発電所はもう、本当に効率が悪いので、何とかしたいと思ってきて、少しでも温度の高い状態の原子炉を動かしたいと、思ってきました。

湯浅:はい。

小出:そして、え・・・300度くらいの蒸気しか使えないとなると、まあせいぜい、その発電にしか使えないのですが、例えば9百何十度とかのガスを使えるようになれば、上手くすれば製鉄に使えるかもしれない、上手くすれば水素の製造に使えるかもしれないという、まあさまざまな夢を、昔から描いてきたのです。ただ、あの、どこにもそんなものはありません。

湯浅:ふーん・・・。で、政府が今回まあ、原発事故を受けてってことなんでしょうが、

小出:はい。

湯浅:その、高温ガス炉である、「高温工学試験研究炉」。茨城県大洗町にあるっていうんですが、

小出:はい。

湯浅:それの再開に向けて動き出したと、いうことなんですが、

小出:はい。

湯浅:まあ要するにこれは、水の代わりに、ガスで、タービン回すんだと。

小出:そうです。

湯浅:要はそういうことですよね?

小出:そうです。

湯浅:で、えーと原発事故を受けてそれの研究に着手した、再開したっていうことは、それだと安全なんですか?

小出:もちろんそんなことはありません〈笑〉。

湯浅:そんなことないですよね〈笑〉。

小出:はい〈笑〉。えー、これまで、水を使って冷却をしていた原子炉だって、一番それが良いと世界中の原子力を進めてきた人たちが言ってきたわけですけれども、それでもさまざまなトラブルが起きてきたし、時には福島第一原子力発電所の事故のようなことだって起きてしまうわけです。それに比べれば高温ガス炉なんていうのはまだまだ実験炉すらまともに動いていないという、そういう施設ですので、それが安全だなどということは到底ありえないです。

湯浅:何か、その説明によると、事故を起こしても核分裂反応が自動的に止まって、核燃料を空気で自然に冷却できるなど、軽水炉より安全性が高いと説明されているんですけど、

小出:〈笑〉・・・それは絵に描いた餅だろうと思います。

湯浅:絵に描いた餅。

小出:はい。あの軽水炉にしたって、核分裂の連鎖反応を止めること自身は大変容易だと彼らは言ってきたわけです。それで・・・チェルノブイリ原子力発電所の事故が起きた時には、核分裂の連鎖反応が暴走するという形で起きたのですけれども、その時日本の原子力を推進している人たちは、「あれはロシアの原子炉だからああなったのであって、自分の所はそんなことにはならないから絶対原子炉は大事故になりません」と、言っていた。それでも、福島の第一原子力発電所はやはり大きな事故になってしまったわけで、形が少し違ったからといって、原子炉そのものが完璧に安全になるなんていうことはもちろん有り得ないのです。

湯浅:何か話聞いてると、もんじゅの話に似てますって言うか、

小出:そうですね〈笑〉。え・・・

湯浅:「いずれ凄いことができるんだ!」的なところが似てるような気がしますが。

小出:そうです。ずーっとそうやって原子力に関しては、夢をかけてきたわけですけれども、元々その夢というもの自身が、ほとんど幻だった。原子力の燃料は無尽蔵で、化石燃料が無くなった後は原子力だと、当初は言われていたし、私自身も実はそれを、愚かにも信じたわけですけれども、原子力の燃料であるウランなんていうのは、地球上にはほとんど存在していなくて、化石燃料が枯渇する遥か前に枯渇してしまいます。仮に高温ガス炉なんてやっても同じことになります。それを何とか逃れようとしてもんじゅという、まあプルトニウムを生み出しながら使うという原子炉をやろうとしたのですけれども、それも結局できないまま、今日に至っています。

湯浅:うーん・・・。分かりました。今日もどうもありがとうございました。

小出:いいえ、ありがとうございました。

【文字起こし終了】


■プルサーマル計画、再延期へ 原発再稼働の見通し立たず
(朝日新聞デジタル - 11月03日 08:13)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3124097
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